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英国 アンティーク、ヴィクトリアン シェイクスピア本、オイルランプ、(1 )








No.20130 ヴィクトリアン or エドワーディアン アール・ヌーボー  リボン飾り 銅製 マッチケース
横の長さ 4.3cm、縦の長さ 2.9cm、厚み 1.45cm、重さ 12g、一万三千円

アール・ヌーボー デザインが優美な銅製マッチケースです。 四隅にはユリと思われる植物が綺麗です。上下にはリボン飾りがクルッとかかっていて、ヴィクトリアンからエドワーディアンの頃、おそらくは1900年前後の英国製と思います。

内側には木製ケースが入っていますが、一世紀ほどの年月を経て朽ちかかっており、側面のヤスリも弱くなっているので、銅製のフレーム本体を活かして、内部のマッチ箱は自作してください。

それから、クルッとしたリボン飾り、どうもこのデザインはヴィクトリアン終わり頃からエドワーディアン頃に多いように思います。当時のイギリスで流行ったデザインと云うことでしょう。夏目漱石のロンドン留学の頃と重なっております。漱石もロンドンで影響を受けて、『三四郎』に出てくるリボンの話に繋がっていったのではないかと考えています。

このリボン飾りについて少し考えてみたいことがあります。二十一世紀に暮らす日本人の私たちは、この装飾を見て、リボンがクルッとかかって、かわいいなと思われるでしょう。しかしながら、この品が使われていた一世紀ほど前に、当時の日本人が見たとしたら、そう簡単にはピンと来なかった可能性が高いのです。

その手掛かりは朝日新聞に1908年に連載された夏目漱石の『三四郎』にあります。第二章の最後に以下の一節がありますので、まずは読んでみましょう。

『四角へ出ると、左手のこちら側に西洋小間物屋(こまものや)があって、向こう側に日本小間物屋がある。そのあいだを電車がぐるっと曲がって、非常な勢いで通る。ベルがちんちんちんちんいう。渡りにくいほど雑踏する。野々宮君は、向こうの小間物屋をさして、
「あすこでちょいと買物をしますからね」と言って、ちりんちりんと鳴るあいだを駆け抜けた。三四郎もくっついて、向こうへ渡った。野々宮君はさっそく店へはいった。表に待っていた三四郎が、気がついて見ると、店先のガラス張りの棚に櫛だの花簪(はなかんざし)だのが並べてある。三四郎は妙に思った。野々宮君が何を買っているのかしらと、不審を起こして、店の中へはいってみると、蝉(せみ)の羽根のようなリボンをぶら下げて、
「どうですか」と聞かれた。』 (以上、引用終り)

四つ角というのは本郷三丁目の交差点で、向こう側の日本小間物屋というのは、「本郷も兼安までは江戸のうち」の川柳で有名な兼安を指しています。「蝉(せみ)の羽根のようなリボン」という表現は、すさまじい感じで、リボンを見たことがない人にも、リボンがなんたるか説明したい漱石の親切でしょう。

『三四郎』を今読むと、なんともノスタルジックで、アンティークな読み物と感じますが、朝日新聞に連載された頃はトレンディー小説だったわけで、当時の先端事情が物語の背景にあります。

小説の中で、野々宮さんがリボンを買いに、交差点を渡って、向こう側の日本小間物屋に行っていることがポイントです。明治終わり頃まで日本には国産リボンはありませんでした。リボンは西洋からの輸入品で、殖産興業の観点から高率な関税がかけられ、簡単に手に入る品物ではなかったのです。 

ところが、ようやく国産リボンの生産が始まったのが、ちょうど『三四郎』の時代でした。ですから、野々宮さんは西洋小間物屋ではなく、日本小間物屋でリボンが買えたわけです。国産リボンが出始めて間もない時代であったので、トレンディーでない普通の読者向けには「蝉(せみ)の羽根のような」という説明も必要だったと思われます。

写真のアンティークは『三四郎』と同じ時代に作られておりますことから、当時の普通の日本人にとっては、まだまだ馴染みのうすいリボンだったと考えられるのです。 

ヴィクトリアン or エドワーディアン アール・ヌーボー  リボン飾り 銅製 マッチケース


No. 20122  ウィッスル with 『MADE IN ENGLAND』 SOLD
長さ 8.2cm、直径 1.5cm、重さ 20g、五千円 SOLD

写真の品はハドソン商会の笛になります。 ウィッスルの胴体には、『MADE IN ENGLAND』の表示が見えています。 

歴史的にみて、このウィッスルはイギリスでもかなり強力な笛になります。 防犯用や緊急援助の要請、あるいは野生の動物よけなど、日本でも使える場面は多いだろうと思います。 

ヴィクトリア時代のお巡りさんについて、情報を得ました。 『What the Victorians Did for Us(Adam Hart-Davis著)』という本によると、ハドソン商会のウィッスルが採用される以前のお巡りさんは、笛の代わりにRattle(ガラガラ)を持ち歩いていたそうです。 

緊急事態が発生したときにはガラガラを振り鳴らして、周囲を警戒中の仲間に知らせたのです。 ところが、やはりガラガラでは、遠くまで音を届かせるという点で性能がいま一つでした。 

そこで、ハドソン商会の笛となったわけです。 ちなみにヴィクトリアン終わり頃における緊急時の支援要請サインは、この笛を三回短く吹き鳴らすことであったそうです。

ウィッスル with 『MADE IN ENGLAND』


No. 20094 ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ 『ジョン王』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス
縦 15.4cm、横 10.4cm、厚さ 1.1cm、115ページ、重さ 160g、1899年 George Bell & Sons ロンドン、Chiswick Press 印刷、一万二千円

イギリスの劇作家シェイクスピアの歴史劇 『ジョン王』 のヴィクトリアン アンティーク本になります。 

シェイクスピア史劇『ジョン王』については、探してみたら、こんなのもありました。 ちょっと、雰囲気を感じてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=tm5WVxlJ__8

ジョン王といえば、1215年のマグナ・カルタ(大憲章)が有名で、歴史の授業で習ってきたので、日本人の私たちにもなじみがあります。

日本の文庫本サイズですが、ハードカバーの布張り装丁本で、たいへん格調高いアンティーク本と感じます。 扉を開いてみると、写真三番目の下方に見えるように、『London George Bell & Sons 1901』とあります。 このシェイクスピア シリーズは、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃にかけて、順に出版されましたが、この本はヴィクトリア時代の終りからエドワーディアン初年にあたる1901年に出たものと分かります。 百年以上前の本ですが、コンディション良好で、手元において眺めていても満足です。

このシリーズ書籍は夏目漱石と大いに関係ありと、私は考えております。 ロンドン留学中に英文学書籍を買い集めていた漱石が、書店で見て手にして、おそらくは求めて日本に持ち帰った一冊だろうと推理しています。 詳しくは以下をご覧ください。

【このアンティーク本を夏目漱石がヴィクトリアン ロンドンで手にしたに違いないと推理するわけ。】
モスグリーンの布張り装丁には、アーツ・アンド・クラフツのチューリップ & フォーリッジ インターレーシング パターンが綺麗です。 印刷元のチズウィック・プレスは、ウィリアム・モリスの初期デザインを世に知らしめたことで名を成して、イギリスにおける印刷の歴史に大きな足跡を残しました。 

また、挿絵を描いている Byam Shaw はヴィクトリアン後期からエドワーディアンの頃に活躍したラファエル前派からつらなる画家で、シェイクスピアの挿絵画家としても人気がありました。 1910年には Byam Shaw School of Arts を創立しています。 現在ではこのアート・スクールは芸術分野において世界でも有数なCentral Saint Martins の一部になっています。

本文および用語解説の本体部は115ページありますが、それ以外に巻頭部には挿絵とイントロダクションが十ページほどあって、その後に登場人物説明、そして本文にあたる第一幕が始まっていきます。 

写真四番目は第一幕の始まり部分で、合計五幕構成の各幕始めにはそれぞれに違っていて楽しめるちょっとした挿絵があります。 その他に写真五、六番目のような大きな挿絵が合計六ページあるのも嬉しいところです。 

最終幕の後に写真七番目のような挿絵と『The End』が見えます。 さらにその後に続いているのが、「Glossary and Notes」の巻末用語解説で、六ページあって昔の用語について参考になります。 

英国BBC製作テレビシリーズの一つである『ジョン王』 を手助けにして、ヴィクトリアン・アンティーク本を読んでみるのも面白いと思います。 百年以上の古さを持ったアンティークなテキストは、ちょっと立派過ぎるかも知れませんが、英語シェイクスピアの鑑賞&学習、まずは形から入るやり方もありでしょう。 

【関連記事】

【シェイクスピア英語原典の読み方(イギリスの学習参考書から眺めた英国における古典教育)】
【このアンティーク本を夏目漱石がヴィクトリアン ロンドンで手にしたに違いないと推理するわけ。】
ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ 『ジョン王』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレスヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ 『ジョン王』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス


No. 20119 ロザリオ クロス with スタンホープ
クロスの縦 4.1cm、横 2.7cm、厚さ 0.6cm、ロザリオ一周の長さ 57cm、1910年代、英国製、二万三千円

クロス中央にある直径わずか1.5mmほどのレンズを覗き込むと、「幼子のキリストを膝に抱いて座った聖母マリアの前に跪く聖ドミニクの図」のマイクロフィルム写真がとてもはっきりくっきりと見えます。どんな絵かお伝えしようと思いざっと描いてみました、本当はもっと精密な宗教画なのですが、ご参考まで。

この仕掛けはスタンホープと呼ばれます。ヴィクトリア中期にクリスタル素材のスタンホープレンズとマイクロフォト技術が開発されたことによって、ピンの頭ほどのマイクロフォト写真に、お祈りの図などを撮って、それを拡大して見せる仕掛けが可能になったものです。スタンホープは1870年頃から1920年頃まで主に作られていました。

その後はスタンホープレンズを作るメーカーがなくなってしまい、この技術も絶えました。今日では技術を復活させてスタンホープを作っている愛好家のメーカーがアメリカに一社だけあるそうです。

先日、英国でスタンホープ研究の第一人者の方とお話させていただく機会があって、いろいろ教えていただきました。何でもその道の専門家がいて、ずいぶんマイナーなことでも調べている人がいるというのが、イギリスという国の面白いところだと思います。また、イギリスにはスタンホープ コレクターズクラブがあって、年に一度はミーティングを開いて、セミナーや情報交換をしているとのことでした。

このクロスはお祈りの際に用いる数珠(じゅず)でロザリオ(rosary)と呼ばれます。クロス本体の彫刻が美しく、数珠にも丸モチーフのデザインで統一された彫刻が施されています。

ロザリオ アイボリークロス with スタンホープ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ロザリオ アイボリークロス with スタンホープ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ロザリオ アイボリークロス with スタンホープ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20115 ハドソン商会 ウィッスル
長さ 7.8cm、ボディーの直径 1.5cm、重さ 18g、八千円

歴史的にみて、写真の笛はイギリスでもかなり強力な笛になります。 防犯用や緊急援助の要請、あるいは野生の動物よけなど、日本でも使える場面は多いだろうと思います。 

色合いゴールドの金属製、無印ウィッスルになります。 ハドソン商会の定番品と構造が同じで、パテントに基づいた製品であろうことから、ハドソン製で間違いないでしょう。

お手入れ次第で、写真のように金属光沢が増しますが、時間をかけると、写真三番目のようなブラスの持ち味が活きた渋い色合いが楽しめるのもよろしいでしょう。
写真一番目、二番目のような光沢は、ピカールで磨くのが一般でしょうが、私の場合は銀磨き液につけたところ、わずか数秒で写真のようになりました。お試しください。

金属製のしっかりした作りで、手にした時の質感はやはり好印象と思います。 一方で、重さは18グラムですから、いつも持ち歩く携行品としては重過ぎず負担にならない上限にあたる持ちはかりとなっており、よく工夫された作りになっているように思います。

このタイプのWhistle(笛)はヴィクトリアン後期の1880年代に初めて英国のお巡りさん用に作られたもので、防犯用に携帯したら力強い味方となるでしょう。 小さく吹くとそれなりの音ですが、力いっぱい吹くと、鼓膜がビリビリするほどの結構なすごい音になります。  

ヴィクトリア時代にイギリスの警察がクラッパムコモンの野原でこの笛の使用実験をしたら、1マイル(約1.6km)先まで音が届く優れものという結果が出たと聞きました。 

写真のウィッスルは手元に置いて眺めても綺麗な品で楽しめますが、実用されると、なかなかにパワフルな笛でありますので、実際にお使いいただけたら、なおのことよろしいでしょう。 

ハドソン商会の笛がヴィクトリア時代に開発された当時のエピソードを聞きましたので、ご紹介させていただきましょう。 イギリスの警察がお巡りさん用のウィッスルを新規に買い入れようということになって、業者に新製品開発を公募することになりました。 いくつかの業者が企画に参加して、この笛を考案したハドソン商会も試作品を警察に届けて、テストが行なわれたのです。 ところがその後、いつまで待っても、採用されたのかされなかったのか、結果の通知が届きません。 

さらに時間が経って、驚いたことには、試作品だったはずのこの笛を、街でお巡りさんが使い始めているのがハドソン氏の目に留まったのです。 びっくりしたハドソン氏はどうしたことかと、警察に事情を尋ねに出かけました。 そこでの回答はあらまし以下のようであったのでした。

「いやあ、ハドソンさん、よく警察に尋ねて来ていただきました。 実は貴方にお作りいただいたウィッスルは、テストの結果とても性能が良いということで、警官携帯用の笛として採用となりました。 ところが貴方から提出いただいた関係書類いっさいを失くしてしまいまして、この試作品を作った業者が誰だったのか、分からなくなってしまったのです。 ただ、警察としては、このウィッスルは素晴しい出来なので是非とも使っていきたい。 そんなわけで、貴方には申し訳なかったのですが、他の出入り業者に頼んで、試作品をまねて作らせた次第だったのです。」

本当の発明者がハドソン氏と分かって、仕事はハドソン商会に引き継がれることになって、めでたし めでたしのエンディングとなったそうです。 パテントなど権利の扱いがあまりにもずさんで、今日では考えられないようなお話ですが、資本主義の本家ともいうべきイギリスでも、ヴィクトリア時代にはこんなことがまかり通っていたのでした。

でもイギリスという国では、こういうイージーというか、おおらかというか、いいかげんなことによく出会うのも確かなことで、根っこの部分は今も昔もあまり変わっていないようにも思うのです。 英国アンティーク情報欄にあります「27. ホールマーク漏れと英国人気質」解説記事もご参考まで。

ヴィクトリア時代のお巡りさんについて、情報を得ました。 『What the Victorians Did for Us(Adam Hart-Davis著)』という本によると、ハドソン商会のウィッスルが採用される以前のお巡りさんは、笛の代わりにRattle(ガラガラ)を持ち歩いていたそうです。 

緊急事態が発生したときにはガラガラを振り鳴らして、周囲を警戒中の仲間に知らせたのです。 ところが、やはりガラガラでは、遠くまで音を届かせるという点で性能がいま一つでした。 

そこで、ハドソン商会の笛となったわけです。 ちなみにヴィクトリアン終わり頃における緊急時の支援要請サインは、この笛を三回短く吹き鳴らすことであったそうです。

ハドソン商会 ウィッスル

お手入れ前の渋い色合いもグッドです。



No. 20113 ハドソン商会 イギリス陸軍仕様 ウィッスル with ブロードアロー SOLD
長さ 8.1cm、最大直径 1.5cm、重さ 26g、ロイヤルアーミー (イギリス陸軍)仕様、一万一千円 SOLD
防犯笛 ハドソン商会 イギリス陸軍仕様 ウィッスル with ブロードアロー(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20112 ヴィクトリアン アール・ヌーボー シェイクスピア 『恋の骨折り損』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス
縦 15.4cm、横 10.4cm、厚さ 1.1cm、123ページ、重さ 152g、1901年 George Bell & Sons ロンドン、Chiswick Press 印刷、一万二千円

イギリスの劇作家シェイクスピアの喜劇 『恋の骨折り損』 のヴィクトリアン アンティーク本になります。 

『ナヴァールの王様と友人たち4人は、学業に専念する誓いを立てた。その中には女性には会わないという誓いも。そんな折、フランス王女がナヴァールにやってくる。誓いをたてた4人であったが、王女と3人の侍女たちに一目惚れ。さてさて、、、』

日本の文庫本サイズですが、ハードカバーの布張り装丁本で、たいへん格調高いアンティーク本と感じます。 扉を開いてみると、写真三番目の下方に見えるように、『London
George Bell & Sons 1901』とあります。 このシェイクスピア シリーズは、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃にかけて、順に出版されましたが、この本はヴィクトリア時代の終りからエドワーディアン初年にあたる1901年に出たものと分かります。 百年以上前の本ですが、コンディション良好で、手元において眺めていても満足です。

このシリーズ書籍は夏目漱石と大いに関係ありと、私は考えております。 ロンドン留学中に英文学書籍を買い集めていた漱石が、書店で見て手にして、おそらくは求めて日本に持ち帰った一冊だろうと推理しています。 詳しくは以下をご覧ください。

関連記事:
【このアンティーク本を夏目漱石がヴィクトリアン ロンドンで手にしたに違いないと推理するわけ。】
モスグリーンの布張り装丁には、アーツ・アンド・クラフツのチューリップ & フォーリッジ インターレーシング パターンが綺麗です。 印刷元のチズウィック・プレスは、ウィリアム・モリスの初期デザインを世に知らしめたことで名を成して、イギリスにおける印刷の歴史に大きな足跡を残しました。 

また、挿絵を描いている Byam Shaw はヴィクトリアン後期からエドワーディアンの頃に活躍したラファエル前派からつらなる画家で、シェイクスピアの挿絵画家としても人気がありました。 1910年には Byam Shaw School of Arts を創立しています。 現在ではこのアート・スクールは芸術分野において世界でも有数なCentral Saint Martins の一部になっています。

本文および用語解説の本体部は123ページありますが、それ以外に巻頭部には挿絵とイントロダクションが十ページほどあって、その後に登場人物説明、そして本文にあたる第一幕が始まっていきます。 

写真四番目は第一幕の始まり部分で、合計五幕構成の各幕始めにはそれぞれに違っていて楽しめるちょっとした挿絵があります。 その他に写真五、六番目のような大きな挿絵が合計六ページあるのも嬉しいところです。 

最終幕の後に写真七番目のような挿絵と『The End』が見えます。 さらにその後に続いているのが、「Glossary
and Notes」の巻末用語解説で、七ページあって昔の用語について参考になります。 

英国BBC製作テレビシリーズの一つである『恋の骨折り損』 を手助けにして、ヴィクトリアン アンティーク本を読んでみるのも面白いと思います。 ユーチューブにアップされているので、手軽に利用可能です。 百年以上の古さを持ったアンティークなテキストは、ちょっと立派過ぎるかも知れませんが、英語シェイクスピアの鑑賞&学習、まずは形から入るやり方もありでしょう。 

関連記事:
【シェイクスピア英語原典の読み方(イギリスの学習参考書から眺めた英国における古典教育)】
ヴィクトリアン アール・ヌーボー シェイクスピア 『恋の骨折り損』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ヴィクトリアン アール・ヌーボー シェイクスピア 『恋の骨折り損』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ヴィクトリアン アール・ヌーボー シェイクスピア 『恋の骨折り損』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)



No.20038 革張りケース入り マザー オブ パール オペラグラス
伸ばした長さ 5.6cm、縮めた長さ 4.7cm、横幅 10.4cm、鏡筒部の最大外直径 3.8cm、対物レンズ直径 2.6cm、接眼レンズ直径 1.35cm、本体の重さ 155g、1900年前後の品、二万四千円

マザーオブ パールという素材はミルクホワイトの輝きが内側からこぼれてくるようで、光に当たると見えてくるうっすらとした虹色の輝きが綺麗です。 

マザー オブ パールの品をお買い上げいただいたお客様から、次のようなお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
『取手の白蝶貝のうっすらとした輝きがとても綺麗です。 まるで、嵐が来る前の空のようだと思いました。 上空を凄い速さで白い雲が流れていく中、時折、空全体がぱあっと明るくなる様子を髣髴とさせます。』

イギリスは一日の中でもお天気の移り変わりが激しくて、さっきまで晴れていたかと思うと、一転してにわかに雲が天を覆うことも多く、お客様からの文章にあったような光景をしばしば目にいたします。 なるほどと、マザーオブパールをとてもよく形容しているように思いました。

マザー オブ パールのオペラグラスでかなりの芸術品と思います。 飾っておいても美しく、楽しめるアンティークなオペラグラスですが、ピント合わせの操作もスムーズで実用上もよい品です。 

写真二番目に見えるように、接眼部にもマザー オブ パールが入っていて綺麗です。

観劇の季節になれば、お手元にアンティーク オペラグラスがあると楽しみも増えましょう。 また、私は自然観察用にもオペラグラスを使っています。 ちょっと散歩に出ましても、フィールドではリスが忙しそうですし、野うさぎはのんびり草を食べています。 夕方になると昼間は森に隠れていた鹿も出てきます。 庭の桜の木に餌場があり、いつも野鳥やリスがやって来て賑わいます。 オペラグラスを使うと、やはり肉眼よりよほどよく見えて楽しくなるのです。

革張りケース入り マザー オブ パール オペラグラス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)革張りケース入り マザー オブ パール オペラグラス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)革張りケース入り マザー オブ パール オペラグラス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20030 『お気に召すまま』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ SOLD
縦 15.4cm、横 10.4cm、厚さ 1.1cm、119ページ、重さ 147g、1899年 George Bell & Sons ロンドン、Chiswick Press 印刷、SOLD

【シェイクスピア英語原典の読み方(イギリスの学習参考書から眺めた英国における古典教育)】の解説記事をご参考ください。 シェイクスピアは劇なので、本から入るより映像からとっかっかるのが一番というのが私の考えです。 

『お気に召すまま』 アーツ・アンド・クラフツ装丁 チズウィック・ プレス ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ『お気に召すまま』 アーツ・アンド・クラフツ装丁 チズウィック・ プレス ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ


No. 20106 メルセデス・ベンツ 本革 キーリング
本革部分の長さ 8.3cm、全体の長さ 10.5cm、重さ 28g、最大厚み 6mm、リングの直径 3.0cm、英国南部のエクセター製、一つ 五千円 (八つあります-->五つあります。)

二重構造の本革基盤部分に、厚さ1ミリ強の Mercedes-Benz 金属板が付いたキーリングです。 写真二番目に見えるように、裏面にはイギリス南西部エクセターにあるメルセデス販売会社のディテールが銀文字で記されて、(Exeter)の地名が二箇所に見えています。 おそらく未使用と思われるコンディションのよさです。

エクセターはデボンシャーの州都で、アガサ・クリスティーで有名な海岸保養地 トーキーや、シャーロック・ホームズに登場するダートムーアなど近くになります。 また、英国で一番アンティークな村と思われるクロベリーや、アーサー王伝説の村ティンタジェルも近くです。

関連記事:
【英国で一番アンティークな村はクロベリーと思います。】【Tintagel アーサー王伝説の村、英国 アンティークの根っこをたどる旅】
古いもの好きという観点からは、自動車の歴史が見渡せるという意味で、メルセデス・ベンツにはとても興味を惹かれます。 世界中にいくつもある自動車メーカーの中で、最古の歴史を誇るのがメルセデスです。 言いかえると、ガソリンエンジンを動力とする自動車を、世界で初めて作ったのがメルセデスなのです。

名探偵ポワロのテレビシリーズなど見ておりますと、ヘイスティングスが車好きということもあって、いろいろとクラシックやレトロな車たちが登場します。 ポワロがきっかけで昔の自動車に関心を持つようになりました。

そして、自動車の歴史を知るのにちょうどいいのがメルセデス、なにしろ130年以上にわたる自動車の歴史とメルセデスの歴史はぴったり重なっているわけですから。 メルセデスの歴史本を眺めてみたら、以前だったら区別が出来ず、漠然とひとくくりだったクラシックカーやレトロカーについて、十五年から二十年幅ぐらいで年代が分かるようになりました。

世界初のガソリンエンジン自動車は1886年に登場しています。 それ以降わずか十五年ほどの間に、現代につながる自動車の原型がほぼ完成したことが凄いというか、特に興味を惹かれる点です。 写真三番目をご覧いただくと、人類史上ごく初期の自動車の様子が分かります。 

まず右上の写真、左手で腰の辺りに伸びてきている棒状の操縦桿を握っているのが1894年当時のカール・ベンツ、この頃の自動車とは馬車のキャリッジにエンジンを載せた乗り物で、さすがにアンティーク過ぎて、自動車というよりは、歴史遺産と呼ぶにふさわしい感じです。 こんな様子では、自動車とはいえ、たいしたスピードも出なかったことでしょう。

ところが、それからたった十年足らずで左下の最高速度156km/h、90馬力のレーシングカー(1903年)が生まれています。 画期をなしたのが、1902年のメルセデス・シンプレックス35PS。 馬車のキャリッジから現代車のルックスに大きく変貌を遂げました。 馬車とは異なる低い車高、ステアリングはそれまでの棒状から初めて円形ハンドルに、水冷直列4気筒エンジン、フロントエンジン/リアドライブ、ラジエターも現代とほぼ同じ構造です。 そして35PSとあるように、35馬力、最高速度86km/hを達成しています。

ちなみに日本のレトロカーと比較してみると、『トリック』 で阿部寛さん扮する上田教授の愛車パブリカ(1961年)は28馬力程度。 もうひとつ、スバル360(1958年)は16馬力ほどでした。 

二十世紀に入った頃、イギリスで云えばヴィクトリアンが終わってエドワーディアンになった頃、現代につながる自動車の原型が急速に出来上がったのでした。 当時は科学や工業技術の発達が著しい時代であったと言うことでしょう。 そういえば、アインシュタインの相対性理論が出たのは1905年のことになりますし、日本が近代化をかけて戦った日露戦争もこの頃の出来事になります。 

メルセデス・ベンツ 本革 キーリング(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)メルセデス・ベンツ 本革 キーリング(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20103 ピンチバック アンカー ペンダントヘッド
縦の長さ(留め具含まず) 1.9cm、全長(留め具含む) 2.3cm、最大横幅 1.3cm、厚み 1mm強、アンカー 五千円、クロス 五千円

小振りなピンチバック素材のアンカー ペンダントヘッドです。 中まで稠密なソリッド構造でしっかり出来ています。 

アンカーの素材はピンチバックと呼ばれるアンティークな素材です。 この素材は銅と亜鉛の合金で、ゴールドの色あいをもたらすジュエリー素材として、ヴィクトリアンの英国で好まれてしばしば使われました。 元々は1720年ごろにロンドンの時計メーカーであったクリストファー ピンチバックという人が発明したことから、ピンチバックの名で呼ばれるようになったのでした。

モチーフとしてのアンカーにはかなり古い歴史があります。 世界史で習ったローマ時代のカタコンベには、クロスに見立てたアンカーがありました。 当時はキリスト教が国教となる以前のことで、アンカーをクロスの代用とすることで信仰を守る必要があった時代でした。

そうした背景があって、アンカーは初期のクリスチャンモチーフとなりました。 そしてアンカーのクロス的側面を重視する場合には、アンカーのことを「聖クレメント クロス」とか、「マリナーズ(船乗りの)クロス」と呼びます。 さらに時代が下って、ヴィクトリアン後期からエドワーディアンの頃になると、イギリスではシーサイドリゾートが人気となり、マリンモチーフのファッション性が好まれました。 

クリスチャンモチーフとしてのアンカーには、クロスの代用という意味合いの他にも、「Hope(希望)」や「Steadfastness(しっかりしていること)」を表象する意味合いも含まれています。 あるいはまた、船が抜錨して次の目的地に向かうという連想から、「Fresh Start(新たな出発)」をシンボライズするモチーフともなっています。

『私はキリスト教の信仰者ではありませんが、何故かクロスにとても惹かれます。』というお便りをいただきました。 

英吉利物屋ではアンティークのクロスを扱っておりますので、関心のある方から、そういうお話があるのは珍しいことではないかも知れません。 けれども、クロスに惹かれるという話はこれが初めてというわけでなく、多くの方からお聞きしてきましたし、私もそう感じることがあるので、なぜだろうかと考えたくなるのです。

【関連記事】英国 アンティーク情報欄
なぜかクロスにとても惹かれます。その理由をアンティーク 英吉利物屋 風に考えてみました。
ピンチバック アンカー &クロス ペンダントヘッド(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20101 アンカー モチーフ ブラス ボタン
直径 2.3cm、重さ 4g、本体の最大厚み(留め具含まず) 5.5mm、留め具を含む最大厚み 1.15cm、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃の英国製、一つ 八百円(六つあります。)

ロイヤルネービーのアンカー ブラスボタンです。 

モチーフとしてのアンカーにはかなり古い歴史があります。 世界史で習ったローマ時代のカタコンベには、クロスに見立てたアンカーがありました。 当時はキリスト教が国教となる以前のことで、アンカーをクロスの代用とすることで信仰を守る必要があった時代でした。

そうした背景があって、アンカーは初期のクリスチャンモチーフとなりました。 そしてアンカーのクロス的側面を重視する場合には、アンカーのことを「聖クレメントのクロス」とか、「マリナーズ(船乗りの)クロス」と呼びます。 さらに時代が下って、ヴィクトリアン後期からエドワーディアンの頃になると、イギリスではシーサイドリゾートが人気となり、マリンモチーフのファッション性が好まれました。 

クリスチャンモチーフとしてのアンカーには、クロスの代用という意味合いの他にも、「Hope(希望)」や「Steadfastness(しっかりしていること)」を表象する意味合いも含まれています。 あるいはまた、船が抜錨して次の目的地に向かうという連想から、「Fresh Start(新たな出発)」をシンボライズするモチーフともなっています。

アンカー モチーフ ブラス ボタン


No.20017 女神 ブリタニア &エリザベス二世 グッドラック ペニー コイン with エナメルワーク
直径 3.1cm、重さ 11g、最大厚み 2mm弱、銅貨は1967年 鋳造、一万四千円

エナメルワークの美しいグッドラック ペニーです。 幸運を呼ぶお守りのように扱われてきた品と思います。 エナメルの上からカバーグラスがかかっていて、エナメルのコンディションがよいままずっと保てるようになっています。 手にした時の重厚感に惹かれるよい品と感じています。

イギリスには現在の最小通貨単位である1ペニー硬貨について、『Find a penny, Pick it up, and then all day, You'll have good luck.』 (ペニーを見つけて、持っとけば、そしたらその日は一日グッドラックあり。)という言いまわしがあります。 

Good Luck ペニーコインは1967年の銅貨で、ヘッド(表)側はエリザベス二世の若かりし頃のポートレート、テイル(裏)側はイギリス国家の守り神とされる女神ブリタニアのデザインです。 

そして、エリザベス二世といえば、イギリスの現女王であり、ロンドン オリンピックの開会式ではジェームス・ボンドとの共演も話題となりました。 戴冠六十周年のゴールデンジュビリーを迎えても、まだまだお元気で、パワーを与えてくれそうです。 写真のコインは今から半世紀ほど前のもので、その頃から女王を続けてきたことは、やはり凄いことだと思います。

イギリスは1971年の通貨制度変更で、それまでの12進法から10進法に改めましたので、旧制度のペニーコインは1970年を最後にイギリスで七世紀から続く歴史を閉じました。 そういう事情で、1967年の貨幣ではありますが、現在のイギリスでは通用しません。

写真のペニーが使われていた時代は、イギリスで通貨制度改革が行われた1971年より前の時代になります。 当時は1ポンドが240ペンスでありました。 1970年に役割を終えていますから、今日では存在しないのが当たり前ですが、素材となっている銅の価格が今では高騰している為に、ペニーの製造原価という側面から見ても、今ではとてもじゃないけど存在し得ないコインとなっていることも興味深く思います。

もう少し詳しく計算してみましょう。ペニー銅貨は9.4グラム、そのほとんどが銅というコインでした。 ニューヨーク マーカンタイル取引所における足許の銅価格は453gあたり3.25ドルでした。 英貨で1ポンドにあたる240枚のペニーを作る為には重さにして2.256kg、銅価格にして16.1ドル。 ポンドドル相場 1.40$/£でポンドになおすと、11.5ポンドになります。 

1ポンド分のペニーを鋳造するのに、素材の銅価格だけで11.5ポンドのコストがかかるとしたら、そんなコインはとてもじゃないけど存在し得ないでしょう。 銅価格の変遷という事情が背景にあって、写真のペニーには、今となってはアンティークでしか手に入らない希少性が備わっているとも思うのです。

あらためて詳細に見てみると、なかなか細工のよいアクセサリーであることが分かります。 女神ブリタニアや女王が浮き出す形でエナメルがきっちり入っていますし、奥ゆきの感じられるエナメルワークは、光にあたった反射光が綺麗です。 エナメルワークとは日本語で言うと「七宝焼き」のことで、金銀などの貴金属にガラス質の釉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後七宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア時代の英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 

最後にイギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1ポンド」=「ペニー銅貨240枚」になります。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計算するのも億劫です。

昔、サマセット・モームの「月と六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数字でもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃止され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。 

この十二進法時代の名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと落ち着かないのでしょう。

このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン時代のイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服者が「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。
女神 ブリタニア &エリザベス二世 グッドラック ペニー コイン with エナメルワーク女神 ブリタニア &エリザベス二世 グッドラック ペニー コイン with エナメルワーク


No. 20003 英国製 ブラス オイルランプ
取っ手の先端までの高さ 29.5cm、本体の高さ 26cm、底面直径 12cm、重さ 1.6kg、ガラスの最大厚み 15 mm、英国製、二万八千円

英国製のブラス オイルランプです。 ガラス部分はドーナツを五つ重ねたようなフォルムで、真ん中辺りが最もふくらんだ構造です。 このあたりのガラスの厚みは1.5センチほどあると思いますが、この凸面状ガラスの厚みが、レンズの役割を果たしていて、実際に灯火をいれてみると、写真四番目のような効果を発揮します。

前面にあるつまみを回して、蓋を開けると、オイルタンクが取り出せます。 安定感は抜群で、どっしり、しっかり、質実剛健なランプと感じます。 英国製を示す「ENGLAND」の表示も見えています。

古い品ではありますが、今日でも実用可能な使えるアンティークです。 実際のところイギリスでは停電が起こることも稀ではないので、趣味で求めたアンティークランプを非常時の備えとされている方もあるのです。

私はアンティーク オイルランプのやわらかな灯火が好きなので、特に秋冬の夜長にはヴェスタマッチをシュッと擦っては、ランプに灯を入れるのが楽しみになっています。

燃料は灯油を使いますが、アウトドア用品店でランプ専用のオイルを買っても良いでしょう。 専用オイルの方が匂いやすすが少ないようです。

オイルランプは灯心を絞った方が、ほのかな灯火を眺めて落ち着いた気分に浸りやすいように思います。 

電灯もほとんどなかった時代、現代の暮らしからすると、想像するのも難しいのですが、夏目漱石の『琴のそら音』を読むと、そんな時代のアンティークな灯かり事情が見えてきて面白いです。

時代背景は日露戦争の頃と思いますが、アンティークな灯りについての記述が多くて、エドワーディアンの英国と重なる感じで、興味深く読みました。 物語ではいきなり最初の一行目から洋燈(ランプ)という言葉が出てきます。

「「珍らしいね、久しく来なかったじゃないか」と津田君が出過ぎた洋燈(ランプ)の穂を細めながら尋ねた。」

その他にも、いくつか灯りについての記述を抜き出してみました。 

「あるいは屋敷の門口に立ててある瓦斯燈ではないかと思ってみていると、」
「三分心の薄暗いランプを片手に奥から駆け出して来た婆さんが頓狂な声を張り上げて」
「天井に丸くランプの影が幽かに写る。見るとその丸い影が動いているようだ。」
「由公はランプのホヤを拭きながら真面目に質問する。」
「幽霊だの亡者だのって、そりゃ御前、昔しの事だあな。電気燈のつく今日そんなべら棒な話しがある訳がねえからな」

今日では電気や電灯が当たり前で、アンティークな昔を想像するのは難しいところがありますが、『琴のそら音』を読みますと、灯りについてノスタルジックな気分も味わえます。
ランプが身近な暮らしというのは、それほど昔のことではないのだなあと、あらためて思いました。 読後感も爽やかな短編小説です、よろしかったら、以下をご覧ください。

夏目漱石 『琴のそら音』 
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/1073_14944.html

こうしたアンティーク オイルランプを使いながら、その昔の時代に思いを馳せるのはアンティーク好きの楽しみであろうと思うのです。

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No. 20008 タッセル飾り ネックレス

タッセルの長さ 7.7cm、ネックレス一周の長さ 76cm、全体の重さ 37g、一万円

しっかりしたタッセル飾りに、三連チェーンのネックレスです。 チェーン部分には1.5cmから2cmほどおきに絞りの入った構造になっていて綺麗です。 素材は銀ではありませんが、良い品と思います。

旧約聖書にモーゼがタッセルを使って戒めを守る助けとした話があり、装飾品としてのタッセルは3500年に及ぶ歴史があります。これほど長い歴史があると、今では世界中に散らばって、どこの文化圏でも類似の装飾品が見られます。

オックスフォードの学生はタッセル飾りの帽子をかぶることから、少しローカル訛りが入ってトフというと、学生を指します。身分を示したり、信仰の助けとしたり、お守りというのがタッセルの役割です。

タッセル飾り ネックレス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)タッセル飾り ネックレス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)





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