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No. 20094 ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ 『ジョン王』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス
縦 15.4cm、横 10.4cm、厚さ 1.1cm、115ページ、重さ 160g、1899年 George Bell & Sons ロンドン、Chiswick Press 印刷、一万二千円

イギリスの劇作家シェイクスピアの歴史劇 『ジョン王』 のヴィクトリアン アンティーク本になります。 

シェイクスピア史劇『ジョン王』については、探してみたら、こんなのもありました。 ちょっと、雰囲気を感じてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=tm5WVxlJ__8

ジョン王といえば、1215年のマグナ・カルタ(大憲章)が有名で、歴史の授業で習ってきたので、日本人の私たちにもなじみがあります。

日本の文庫本サイズですが、ハードカバーの布張り装丁本で、たいへん格調高いアンティーク本と感じます。 扉を開いてみると、写真三番目の下方に見えるように、『London George Bell & Sons 1901』とあります。 このシェイクスピア シリーズは、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃にかけて、順に出版されましたが、この本はヴィクトリア時代の終りからエドワーディアン初年にあたる1901年に出たものと分かります。 百年以上前の本ですが、コンディション良好で、手元において眺めていても満足です。

このシリーズ書籍は夏目漱石と大いに関係ありと、私は考えております。 ロンドン留学中に英文学書籍を買い集めていた漱石が、書店で見て手にして、おそらくは求めて日本に持ち帰った一冊だろうと推理しています。 詳しくは以下をご覧ください。

【このアンティーク本を夏目漱石がヴィクトリアン ロンドンで手にしたに違いないと推理するわけ。】
モスグリーンの布張り装丁には、アーツ・アンド・クラフツのチューリップ & フォーリッジ インターレーシング パターンが綺麗です。 印刷元のチズウィック・プレスは、ウィリアム・モリスの初期デザインを世に知らしめたことで名を成して、イギリスにおける印刷の歴史に大きな足跡を残しました。 

また、挿絵を描いている Byam Shaw はヴィクトリアン後期からエドワーディアンの頃に活躍したラファエル前派からつらなる画家で、シェイクスピアの挿絵画家としても人気がありました。 1910年には Byam Shaw School of Arts を創立しています。 現在ではこのアート・スクールは芸術分野において世界でも有数なCentral Saint Martins の一部になっています。

本文および用語解説の本体部は115ページありますが、それ以外に巻頭部には挿絵とイントロダクションが十ページほどあって、その後に登場人物説明、そして本文にあたる第一幕が始まっていきます。 

写真四番目は第一幕の始まり部分で、合計五幕構成の各幕始めにはそれぞれに違っていて楽しめるちょっとした挿絵があります。 その他に写真五、六番目のような大きな挿絵が合計六ページあるのも嬉しいところです。 

最終幕の後に写真七番目のような挿絵と『The End』が見えます。 さらにその後に続いているのが、「Glossary and Notes」の巻末用語解説で、六ページあって昔の用語について参考になります。 

英国BBC製作テレビシリーズの一つである『ジョン王』 を手助けにして、ヴィクトリアン・アンティーク本を読んでみるのも面白いと思います。 百年以上の古さを持ったアンティークなテキストは、ちょっと立派過ぎるかも知れませんが、英語シェイクスピアの鑑賞&学習、まずは形から入るやり方もありでしょう。 

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【このアンティーク本を夏目漱石がヴィクトリアン ロンドンで手にしたに違いないと推理するわけ。】
ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ 『ジョン王』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス



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