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No. 20056 ヴィクトリアン スターリングシルバー ヴェスタ
縦 3.9cm、横(留め具含まず) 3.2cm、厚み 1.1cm、重さ 18g、1899年 バーミンガム アセイオフィス、
写真の品はヴェスタと言って、スターリングシルバーのマッチケースです、スワンマッチという特別なマッチを入れて使います。 小花や葉っぱの植物文様やウェーブパターンのエングレービングが素晴らしく、背景部分の彫刻も繊細そのものと言えましょう。 スワンマッチの長さを切り揃えて収納する手間がかかりますが、そうした少しの世話というのがまたアンティークを扱う楽しみとも思うのです。

写真一番目で見て、中央に盾状部分がありますが、ここは本来ですとイニシャルなど刻むスペースです。 何も刻まれていない状態ですので、新しいオーナーの方がネームを入れることも出来るでしょう。

縦の長さが 3.9センチあって、持ちはかりは18グラムの銀ですので、いつも持ち歩く銀としては、しっかりぎゅっとした銀塊の風情を醸しております。 しかし、ヴェスタとしては、小振りな銀であり、スモールサイズの銀製ヴェスタはあまり見かけないことから、レアものアンティーク シルバーと言ってよいでしょう。

両面に施された手彫りの彫刻レベルは素晴らしく、百年以上前の銀職人さんの匠の技が堪能できる、そんなヴィクトリアーナの銀であります。 

クイーン・ヴィクトリアが若干18歳の若さで英国王位を継承したのは1837年のことで、この年から1900年までの64年間がヴィクトリア時代にあたります。ヴィクトリア女王は在位期間が長かったことと、その時代は英国の国力が格段に伸張した時期と重なっていた為に、イギリスの中でも特にポピュラーな国王となりました。アンティークの分野にあっても、この時代の物品を指すヴィクトリアーナ(Victoriana)という用語もあって、ヴィクトリア時代の品物を専門に集めるコレクタターが大勢いるわけなのです。

スワンマッチはそのまま入れると、ちょっと長いので、3ミリほど切り揃えが必要で、収納できるマッチは十数本です。こういう世話は、身の周り品として面倒ではないかと思われるかも知れませんし、マッチの切り揃えは、無駄な時間の使い方のようにも思えますが、またそれが楽しくもあります。ほっと一息できるときに、アンティークと一緒にゆっくり時間を過ごしてみる、そういう昔道具ではないかなと思っております。 

マッチを入れて、ヴェスタを振るとシャカシャカと音がして気分がいいし、彫刻が綺麗な一級品、かわいらしい銀製ボックスです。エングレービングが美しい品なので、見ているだけで楽しく、そして百年以上前のアンティークになりますが、今でも実用に問題なしです。ヴェスタのエングレービングにもいろいろありますが、この品の彫刻の繊細さはかなりレベルが高いと思います。 

蓋を開けると、ブリティッシュ ホールマークが刻印されているのが分かります。ホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1899年のデートレター、そしてバーミンガム アセイオフィスのアンカーマークになります。 

深めなタッチで彫られた植物文様やウェーブの背景に影のように見える部分は、1ミリ間隔に何本もの細かさで彫刻線を引いた仕事です。それがほぼ全面にわたって施されている訳で、時間と手間のかかったアンティークであることが分かります。ルーペを使って鑑賞いただくと当時の限界的な手仕事のレベルの高さに驚かれると思います。

スワンマッチはマッチ箱で擦るのではなく、映画などで見たことがあると思いますが、靴の裏などザラザラしたところに擦りつけて発火させるマッチで、日本ではロウマッチとも呼ばれます。ヴェスタの底はギザギザになっているので、スワンマッチならこのギザギザ底での摩擦で火がつくのです。

私はタバコは吸いませんが、アンティーク ランプやキャンドルの灯火を見ていると落ち着いた気分になれるので、これが日課のようになっていて、灯を入れるにはやはりヴェスタがよろしくて、そのため必需品になっています。また、ロウマッチをシュッと擦ると映画の主人公みたいな気分にもなれるので、何は無くとも火をつけてみたりもします(少し変ですが。)。 

以前にヴェスタをお買い上げいただいたお客様からは、「アクセサリーとして使用しますが、スワンマッチを収納させておいてサプライズを楽しもうと考えています。」ということで、タバコ以外の使い途という点で私と同じだったのは嬉しく思いました。

スワンマッチは英国では簡単に手に入ります。 ニュース エージェントやスーパーマーケットでも売っていることからして、愛好家が多いのだろうと思います。スワンマッチの箱には「since 1883」とありますので、ヴィクトリアン以来の伝統というわけです。

日本でスワンマッチを入手する方法について、お客様から以下の情報をいただきましたので、ご参考ください。
『畑様
仕事におわれてメールチェックが遅れましてすいませんでした。スワンマッチですが、兼松日産農林というマッチ会社が日本に輸入しております。そこはマッチ愛好家のホームページを持っていて、マッチ取扱店の案内や通信販売も行っています。アドレスはhttp://www.nostalgia.co.jpです。
東京都内に販売店があるので都内の方は直接買いに行くのもいいと思います。私も行ってみましたが、いろんなマッチがあって楽しかったですよ。店の主人と話をしてみると意外とマッチ愛好家と言うのは多いようです。愛好家が増えれば入手しやすくなると思うので宣伝どうぞよろしくお願いします。(笑)
新潟は夏から冬へまっしぐらと言う感じで、日に日に寒くなっております。晩酌の酒が、焼酎の水割りからお湯割に変わるのももうすぐでしょう。それではまた』

いつも英吉利物屋をご贔屓いただくお客様からの最新情報によりますと、兼松日産農林のマッチ部に問い合わせたところ、スワンマッチが販売終了になっているそうです。イギリスではどこでも手に入るようなマッチでありますことから、日本の販売店が入手することも難しいことではないように思います。日本でもどこかで取り扱いがあるよう願っています。国際郵便ではマッチをお送りすることは出来ませんが、スワンマッチの画像もご参考まで。
ヴィクトリアン スターリングシルバー ヴェスタ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ヴィクトリアン スターリングシルバー ヴェスタ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20066 エドワーディアン アイビーモチーフ スターリングシルバー クロス with ブリティッシュ ホールマーク
クロス本体の縦(丸い留め金含まず) 3.3cm、横 2.15cm、厚さ 1mm強、1903年 バーミンガム アセイオフィス

アイビーのハンドエングレービングが特徴的なエドワーディアン スターリングシルバー クロスです。 これまでにもいくつか似たタイプのクロスをご紹介してきましたが、持った感じのしっかりしたソリッドシルバーは、やはりいいものだと思います。 手にしてみると、銀の質感が心地よい、しっかり重厚な雰囲気のペンダントヘッドです。 今から百年以上前に作られたエドワーディアン アンティークであるところもグッドポイントです。

ちなみにソリッド(solid)とは、このクロスがホロー(中空)構造ではなくて、内部まですべてがスターリングシルバーの稠密構造であることを言います。

アイビーの輪郭は手彫りの彫刻がかなり深くて、ブライトカット様の光の反射をもたらし綺麗です。 基本デザインとは対照的に、背景部分のシェードをかけた彫りは大変な細かさになっています。 ルーペで詳細に見ていくと、ハンドエングレービングとしては限界的な職人技が施されているのが分かり、より楽しめるエドワーディアン アンティークであることがお分かりいただけると思います。 

アイビーは蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠実ないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 そしていつも緑であることから、Immortality(不滅)や Eternal Life(永遠の魂)を表すクリスチャンモチーフともなっています。 

四つのブリティッシュ ホールマークがすべてしっかりと深く刻印されているのは、このアンティークの好ましい特徴といえましょう。 写真二番目に見えるように、ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1903年のデートレターになります。 

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 このシルバークロスが作られたのは1903年ですから、晴れて正式な‘アンティーク’に昇格している品ということになります。 日本でいえば日露戦争の頃、かなり古いことがお分かりいただけましょう。 

明治39年(1906年)には夏目漱石の『草枕』が出ております。 東京を離れた温泉宿で非人情の旅をする画工の話ですから、当時の社会情勢がメインテーマではありませんが、それでも、出征していく若者を見送ったり、日露戦争や現実社会の影が背景に見え隠れしています。 昔の時代に思いを馳せるアンティークな資料として、同時代の銀クロスを傍らに置きながら、あらためて読んでみるのも楽しいと思います。

そして、写真のエドワーディアン アンティーク シルバーが作られた少し前には、夏目漱石がロンドンに留学しています。 当時のイギリスの様子は以下の解説記事をご参考ください。


夏目漱石はヴィクトリア時代にロンドンで二年間暮らしておりました。 漱石のイギリス暮らしはどんな様子であったのか。


一言に百年といっても、やはりそれだけの時の経過は大変なことと思います。 ちなみにこの頃の歴史年表を眺めてみますと、1910年:エジソンが電球を発明とか、1912年:タイタニック号氷山に衝突して沈没とか、ずいぶん昔のことなのです。 このアンティークが作られた時代というのは、電灯もなかった時代なわけで、こうしたアンティークを手にしながら、その昔の時代に思いを馳せるのはアンティーク好きの楽しみでありましょう。

最後になりましたが、イギリスのアンティーク シルバーを手にする大きなメリットの一つに、刻印されたデートレターを判読することによって、アンティークの製作年を一年刻みで特定できることがあります。 英国のホールマーク制度は、その歴史の長さ、制度の継続性、シルバースミスへの徹底の度合い等すべての面で欧州諸国の中でもピカイチなのです。

これは、一つには英国人の国民性によるところが大きいように思います。 博物学を発展させてきたイギリス人は、物事を整理分類するのが大好きで、500年以上にわたりホールマーク制度を維持し発展させてきました。

欧州諸国のホールマークは、ある特定の時代だけだったり、市場が小さく制度が徹底されていなかったりと不備なことが多いようです。 また旅してみると感じるのですが、欧州人にも気質の違いがあって、偏見かも知れませんが、同じことをイタリア人やスペイン人に要求しても、無理な感じがしないでもありません。

『International Hallmarks on Silver』という本を使うと、過去数百年にわたって各国のシルバーホールマーク体系が概観できます。 ざっくり申し上げると、北欧やオランダのホールマーク体系はイギリス寄りで比較的しっかり出来ていて、ラテン系の南欧諸国はちょっとゆるいといったところでしょうか。






No.20044 マッピン&ウェッブ シルバープレート ティー or コーヒー ポット
蓋のつまみまでの高さ 19.0cm、注ぎ口先端からハンドルまでの長さ 17.2cm、ボディの最大直径 9.8cm、重さ 512g、容量 1.5 Pint(=855ml)、Mappin & Webb作

古い品ではありますが、とてもコンディションがよろしくて、綺麗なまま現在に至っているところが嬉しいマッピン&ウェブのポットです。

容量は1.5パイントですから、イギリスで言えば中型サイズのポットになりましょう。 

実際に使ってみて、ポットのお湯残量が多い時でも少ない時でも、すっきり気持ちよくお湯切れします。 ハンドルには指かけもありますので扱いやすく出来ています。

蓋のつまみは取り外しが出来ます。 時々のクリーニングが容易に出来ましょう。 ヒンジがしっかりした作りであるところも、メーカーのよさを表しているように思います。

写真四番目に見えるように、裏面には 「1 1/2 PINT」の表示があり、これは容量を示しておりますが、英国風な Pint 表示となっています。 1と1/2パイントですから、570ml*1.5=855mlです。 他に「MAPPIN & WEBB」のメーカー名や、「LONDON & SHEFFILD」の文字などが見えています。

アンティークのポット一般に言えることですが、大きくて重たい品が多く、そこへさらにティー or コーヒーが入るとなると、重くて持つのが大変です。 このポットの容量ですと、英国アンティーク ポットとしては小振りから中程度の大きさになりますが、日本の急須の感覚から言えばそれでも十分に大きく、一人か二人で日常使いするにはちょうどよいサイズと思います。 「大は小を兼ねる」ということでお一人用、あるいは普通にはお二人用としてお使いいただけるでしょう。

ティーやコーヒーがお好きな方なら、書斎の机にこのポットを置いて、仕事や勉強をしながら毎日親しめるアンティークはいいものです。 可愛らしいアンティークで、日常使いに欠かせないポットになろうかと思います。

この品を作ったメーカーである 「Mappin & Webb」の名前に惹かれたこともあって求めました。 このティーポットを作った「Mappin & Webb」は言わずと知れた有名メーカーですが、その歴史は興味深いので、少し振り返って見ておきましょう。

マッピン関連のアンティークを扱っていると、「Mappin & Webb」とよく似た名前の「Mappin Brothers」というシルバースミスに出会うことがあります。
「Mappin Brothers」は1810年にジョセフ マッピンが創業した工房で、彼には四人の後継ぎ息子がありました。四人は上から順にフレデリック、エドワード、チャールズ、そしてジョンで、年長の者から順番に父親の見習いを勤めて成長し、1850年頃には引退した父ジョセフに代わって、四兄弟が工房を支えていました。

ところが末っ子のジョンは、工房の運営をめぐって次第に兄たちと意見が合わなくなり、ついに1859年には「Mappin Brothers」を辞めて独立し、「Mappin & Co」という銀工房を立ち上げました。 以後しばらくの間、「Mappin Brothers」と「Mappin & Co」は「元祖マッピン家」を主張しあって争うことになります。

しかし最初のうちは「Mappin Brothers」の方が勢力があったこともあり、1863年には末っ子ジョンの「Mappin & Co」は「Mappin & Webb」に改名することとなりました。 Webbというのはジョンのパートナーであったジョージ ウェブの名から来ています。

「元祖マッピン家」問題では遅れをとったジョンでしたが、兄たちよりも商売センスがあったようです。 スターリングシルバー製品以外に、シルバープレートの普及品にも力を入れ、目新しい趣向を凝らした品や新鮮なデザインの品を次々と打ち出し、しかも宣伝上手だったのです。 ヴィクトリアン後期には当時の新興階級の間でもっとも受け入れられるメーカーに成長し、それ以降のさらなる飛躍に向けて磐石な基盤が整いました。

20世紀に入ってからの「Mappin & Webb」は、「Walker & Hall」や「Goldsmiths & Silversmiths Co」といったライバルの有名メーカーを次々にその傘下に収めて大きくなり、今日に至っています。 また、「Mappin Brothers」ですが、時代の波に乗り切れなかったのか、1902年には「Mappin & Webb」に吸収されてしまっています。 ただ、その頃には三人にお兄さん達はとっくの昔に引退しており、後を継いだエドワードの息子さんも引退して、マッピン家のゆかりはいなかったようです。 そうこう考えると、ジョージアンの創業で、ヴィクトリア時代に二つに分かれたマッピンが、エドワーディアンに入ってまた一つの鞘に戻れたことはよかったのかなとも思うのです。

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マッピン&ウェッブ シルバープレート ティー or コーヒー ポット


No. 20236 ベル鳴らし人のギルド Good Luck シルバーベル&船舵 モチーフ 銀フォブ ペンダントヘッド with エナメルワーク
縦の長さ(留め具含む) 3.8cm、本体円周部の直径 2.5cm、厚み 1.5mm、重さ 6g、1930年 バーミンガム

グッドラック シルバーベル& 船舵 モチーフのスターリングシルバー フォブで、今から八十年以上前の1930年に作られた銀製品であることが、ブリティッシュ ホールマークを読み取ることで分かります。 当時のイギリス社会を映すアンティークであることに興味を惹かれます。

青色のエナメルワーク地に書かれている『Hereford Diocesan Guild of Bell Ringers』を日本語にしてみれば、『ヘレフォード 教会管区 振鈴者 同業組合』となりましょう。 また、全体のフォルムが船舵となっているところも、この銀製アンティークのポイントです。

ギルドというのは同業組合のことで、そういえば、世界史の授業で習った記憶があります。 Bell Ringers=ベル鳴らし人のギルドとは、なんとも悠長で、その言葉そのものから既にしてアンティークな雰囲気が漂ってまいります。

かつてのイギリスにはさまざまな同業組合があったわけですが、ベル鳴らし人=振鈴者 同業組合とは、忙しい二十一世紀の今日ではちょっと想像し難いもので、ゆったりしたそういう組合が、古きよき時代にはあったということに、なんだかほっとする、そんな銀製アンティークと感じます。

私の家の周りでは、日曜の午前と水曜の夕方には近くの教会から鐘の音が聞こえてきます。 あるいは結婚式がある時には、ずいぶん盛大に鐘の音が響き渡ります。 今ではボランティアの人たちが鐘を鳴らしたり、機械仕掛けの方が多いと聞きますが、その昔のイギリスではベルリンガー ギルド(ベル鳴らし人同業組合)の人たちが仕事にしていた時代もあったそうです。

ベルリンガー(振鈴者 orベル鳴らし人)とは、どんなものか、こんな映像を見つけましたのでご参考ください。
https://www.youtube.com/watch?v=WgPadl4qZ4w
https://www.youtube.com/watch?v=inI0KWRO2mw

ヒュー・グラント主演の映画 『フォー・ウェディング』(Four Weddings and a Funeral)では教会の鐘が鳴り響く場面がたくさんあります。 結婚式の教会の鐘の音っていいもんだなと聞きましたが、裏方さんの様子を知ると、けっこうたくさんな人たちで、いい運動になりそうな様子。 

裏面にはブリティッシュホールマークがしっかり刻印されているのも、この品のよい特徴です。 ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1930年のデートレターとなります。

ベルのモチーフは教会における結婚式の鐘(Marriage Bells)を連想させます。 また、英語には「sound as a bell (申し分ない状態で or きわめて健康で)」という言い回しがあり、ベルのよい意味合いが見て取れます。 さらには写真の品の場合は純銀製で、シルバーという素材は幸福に通じることからことから、銀のベルはグッドラック モチーフになりましょう。 

もう一つ、船舵フォルムについてですが、モチーフとしてのホイールはTime(時の経過)、Fortune(運勢、幸運、財産)、Sun(太陽)等をシンボライズするデザインです。 また、クリスチャンモチーフとしての意味合いにおいては、セント・.キャサリンを表象するデザインとされます。 そうした中で特に中世の昔にあってはFortuneの意味合いが重視されていました。 パリのノートルダム寺院やアミアン大聖堂のゴシック建築に見られる中世の円形窓は、Wheel of Fortuneを表現していると言われます。

時をくだって、船舵のデザインはマリンモチーフが流行った頃の影響が出ているとも考えられます。 エドワーディアンの頃にかけて、ブライトンなどの海浜リゾートが賑わって、ロープや船の舵、波、シーガル、ヨットといったマリンモチーフが人気となったのです。 そしてマリンモチーフの中でも船舵デザインは、未知の海原に途を切り拓いていくポジティブイメージを示すデザインとして好まれたものです。

ラッキーモチーフとしてのベルに加えて、航路を切り拓いていく船舵のよい意味合いも重ね合わせて、縁起物アクセサリーとして使ってみたいと思い、私はデスクの前の見えるところに飾っています。 

エナメルワークとは日本語で言うと「七宝焼き」のことで、金銀などの貴金属にガラス質の釉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後七宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア時代の英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、「英国アンティーク情報」欄の「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治政府の岩倉使節団」後半に解説があります。 

ベル鳴らし人のギルド Good Luck シルバーベル&船舵 モチーフ 銀フォブ ペンダントヘッド with エナメルワーク


No.20238 ホースブラス 帽子の英国紳士
縦の長さ 7.7cm、横の長さ 6.5cm、最大厚み 5mm、重さ 53g、五千円

帽子のイギリス・ジェントルマン、やはりここはシャーロック・ホームズと見たいところ。

かなり年季が入っているようですが、ピカールで磨けば綺麗になりましょう。 

ただ、ここまでの色合いになるには年月を要しますので、このままの渋さを楽しむのもありかと思います。

ホースブラスは、もともとは実用品の馬具ですが、ヴィクトリアンの終り頃から、室内飾りとして収集されるようになりました。 

イギリスにはホースブラスの専門家がいて、ホースブラスだけを扱った書籍も出ています。

ホースブラスの歴史や由来を紐解くと、
designed to bring good luck or to ward off evil.
(グッドラックを招くため、あるいは邪悪なるものを寄せ付けない為に作られた。)
とのこと。

なかなかに、奥が深いものであるなあ、と感じます。

近所のパブでいくつか飾ってあるのを見ました、パブの装飾品としても一般的なようです。

ヴィクトリア時代から続くパブの暖炉です。
暖炉周りの上部に、ホースブラスが横並びに飾られているところ、ご注目ください。
ホースブラス 帽子の英国紳士イギリスのパブ、ホースブラスが飾られている。


No.20216 エルサレム クロス 透かし細工 マザー オブ パール ブローチ
マザー オブ パールの直径 3.6cm、留め具を除く本体MOPの最大厚み 3mm

このMOPクロスに見られるクロスの集合体はエルサレム クロスと呼ばれます。

中央の大きなクロスを座標軸と見立てると、第一象限から第四象限まで、それぞれに小さなクロスが入っている格好です。
これらの小さな四つのクロスは、イエス・キリストの言葉が世界の四方へ広まって行った様子を示しているとされます。

また、エルサレム クロスは、あるいはクルセーダーズ クロスと呼ばれます。11世紀の終りに第一回十字軍がセルジュクトルコに侵攻して、エルサレム王国や十字軍諸国家を建設した当時より、十字軍(Crusader)旗印に使われてきたクロスであるからです。


MOPブローチ大中小のうち、大サイズから中サイズの間に位置するサイズになります。

細工の精巧さが特徴で、手仕事で丹念に作られた繊細な透かし彫りのブローチです。 デザインのよさに加えて、マザー オブ パールの輝きに惹かれて求めました。 

透かし細工は糸鋸を引いた跡が残り、手仕事であることがルーペで見てみると分かります。 

マザー オブ パールという素材はミルクホワイトの輝きが内側からこぼれてくる感じで、光に当たると見えてくるうっすらとした虹色の輝きが綺麗です。 

マザー オブ パールの品をお買い上げいただいたお客様から、次のようなお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
『白蝶貝のうっすらとした輝きがとても綺麗です。 まるで、嵐が来る前の空のようだと思いました。 上空を凄い速さで白い雲が流れていく中、時折、空全体がぱあっと明るくなる様子を髣髴とさせます。』

イギリスは一日の中でもお天気の移り変わりが激しくて、さっきまで晴れていたかと思うと、一転してにわかに雲が天を覆うことも多く、お客様からの文章にあったような光景をしばしば目にいたします。 なるほどと、マザーオブパールをとてもよく形容しているように思いました。

このタイプのマザーオブパール工芸品はベツレヘム界隈で作られた品が多いようです。
イスラエル建国に英国が深くかかわってきたことで、英国には大きなユダヤ人コミュニティーがあり、イギリスに入っている品も多いのだろうと思います。

ベツレヘムはイエス・キリストの生誕地とされます。
イギリスの小学校では、クリスマス前の学芸会で、ベツレヘムを舞台としたNativity(=キリスト降誕)の劇を、低学年の生徒たちが演じて、保護者も一緒にクリスマス前のひと時を楽しむのが定番になっています。

学年の中でもちょっと気が利いた感じの賢そうな子たちが東方の三賢人役となって、三つの贈り物を持って、ベツレヘムの星に導かれて、イエスを祝福&拝みに来るストーリーです。

三つ子の魂ではありませんが、羊飼い、飼い葉桶、ベツレヘムの星、東方の三賢人といったキーワードは子供たちにしっかり根付いていきます。

ところで、エルサレムからわずか10㎞弱の隣街ベツレヘムですが、世界史上の紛争地域として、この辺りのややこしさはピカイチです。

第一回十字軍がエルサレムを占領したのが1099年。
イスラムの英雄サラディンがエルサレムを奪還したのが1187年。
この時に様子は次のよう。
『テンプル騎士が据え付けていた金色の大十字架を、サラディンが引きずり落した。イスラム教徒は、アラーは偉大なりと叫び、キリスト教徒は悲しみの声を発した。両者の叫びで大地が揺れ動くかのようだった。』

19世紀の終り頃からシオニズム運動を経て1948年にイスラエル建国。
そして、四次にわたる中東戦争。パレスチナ問題の発生。

争いは長く引き継がれ、こじれにこじれて、今日に至っています。
ところが、最近、この紛争の地に変化の兆しが見えています。
2018年9月、トランプ大統領がイスラエルからパレスチナを独立させるぞと、初めて米国の方針を表明しました。

https://twitter.com/igirisumonya/status/1045034228197601283

Trump supports 2-state solution for the first time
He also said Israel will have to make consessions.

President Trump announced for the first time today that he supports a "two-state solution" to the Israeli-Palestinian conflict, and the founding of an independent Palestinian state.

人の歴史の中でも、特別に長く、こじれた、この紛争を解決の方向に持っていけたら、それこそ世界史上の事跡になろうかと思います。

皆にとって歴史がよい方向に動くよう期待していますし、現在進行形で大きく歴史が動く様子が見れること、ワクワクします。

透かし細工 マザー オブ パール ブローチ


No.20222 マザー オブ パール クロス & フラワー ブローチ SOLD
縦の長さ 3.4cm、横の長さ 1.8cm、本体の最大厚み(留め具含まず) 2.5mmSOLD

マザー オブ パール クロス & フラワー ブローチ


No.20051 アスプレイ アール・デコ スターリングシルバー ティースプーン 一部 SOLD
長さ 11.0cm、重さ 11g、ボール部分の長さ 3.6cm、最大横幅 2.4cm、深さ 6mm、柄の最大幅 1.15cm、1971年 バーミンガム、Asprey & Co. Ltd 作、(12本あります-->6本あります-->5本あります)

直線的なアール・デコ 幾何学デザインのスターリングシルバー ティースプーンです。 シルバースミス(=銀工房)は Asprey & Co. Ltd になります。 

このアスプレイというお店は1781年創業、英国王室御用達で、現在でもイギリスにおける宝飾店の最高峰と言われ、ロンドンのボンドストリートに立派なお店を構えています。 イギリス銀製品を専門に扱うガイドブック 『Jackson's Hallmarks』 では、アスプレイについて「Justifiably famous for the quality of its products (もっともで当たり前のことながら、その品質の良さは有名である。)」と最上級のコメントです。

Asprey & Co. Ltd
http://www.asprey.com/collection/silver/tableware/eggcups/chicken-leg-egg-cup-spoon

アスプレイの作となる同じデザインのテーブルスプーンを以前に扱ったことがあります。 そのテーブルスプーンは1936年の作でしたので、写真のティースプーンのデザインは1930年代 アール・デコの時代から少なくとも1971年までの長きにわたって、アスプレイの定番として取り扱われてきたことが分かります。 

イギリスでも超のつくような老舗においては、頻繁にモデルチェンジしないと言うか、よいものであれば、あくまでも昔のものにこだわっていく姿勢が伺えて、興味深いところです。 ただ一方で思いますのは、こういう古いものへのこだわりは、老舗に限らず、広くイギリス人一般に見られる特性の一つかも知れません。 

昨今の例で言えば、イギリスがなんだかんだ言って、欧州共通通貨ユーロに参加せず、あくまでもスターリングポンドにこだわり続ける姿勢も、根っこのところでつながりがあるように見ています。

写真二番目に見える裏面のホールマークは順に「Asprey & Co.Ltd」のメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1971年のデートレターで、どの刻印もはっきりしています。 

林望氏の『イギリス観察辞典』という本に「アスプレイ」の項目があり、面白く分かりやすい解説がありますので、詳細は本をご覧いただくとして、抜粋をご紹介しましょう。

『世の中にまた、アスプレイという会社ほどイギリス的なものもあるまいと思われる。この会社はまったく不思議な組織で、アスプレイ家が経営している王室御用達の店なのだが、いったい何を商っているのかというと、なんでしょうねぇ...おおまかに言えば雑貨屋さんなのだ。しかし、そんじょそこらの雑貨商とは全然違う。 

いかなる注文にも応じて、この会社の職人に作れぬものはない、...

「たとえば...」とアスプレイのスタッフは言った。「当社では、お客様にロンドンへお越し頂くのではなくて、ロンドンから職人を派遣して、お客様のご注文を承る、ということになってございます。」  そのようにしてカスタムメイドされた流麗な散弾銃が二挺一組で六万五千ポンドだそうである。 ざっと千三百万円! どうです、安いものでしょう。

むろんこの会社は「物」を作って売る会社ではあるけれど、その本当の趣旨はもう少し深いところにあって、たぶんそういうイギリス人魂とか、イギリスの夢とでもいうようなものを、「何かの形」に作って売ることを目的としているのであろう。』 以上抜粋。

それから、このアスプレイにはアンティークシルバーのコーナーもあります。 ロンドンのボンドストリートやニューボンドストリート沿いの老舗アンティーク店の中でも、とりわけアスプレイは高級店で、気軽さはありませんが、英国にお越しの際にはロンドンアンティークショップの最高峰を見てみるのも面白いかも知れません。

1920年代、30年代はアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当時の人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 

アール・デコについてはいろいろな説明がありますが、この解説はかなり言いえているように思います。 イギリスを隅々まで旅してみて、どんな小さな田舎の村にも、第一次大戦の戦没者を悼む記念碑が建っているのを知りました。 英国人の暮らしを根底から揺るがした出来事であったことが想像されるのです。

アスプレイ アール・デコ スターリングシルバー ティースプーン



No.20215 ベツレヘムの星 シルバーフレーム & 透かし細工 マザー オブ パール ブローチ&ペンダントヘッド SOLD
シルバーフレームの直径 3.1cm、マザー オブ パールの直径 1.65cm SOLD
ベツレヘムの星 シルバーフレーム & 透かし細工 マザー オブ パール ブローチ&ペンダントヘッド


No.20237 ホースブラス 雄鶏
縦の長さ 7.8cm、横の長さ 6.9cm、最大厚み 4mm、重さ 55g、五千円

近所のパブに「Fighting Cocks」という名前のパブがあります。 イギリスで最古のパブだそうで驚きました。 

ただし、イギリスにおける闘鶏は、ずいぶんと昔に禁止になっています。 動物愛護のお国柄は、その歴史も長いというところ。

ホースブラスは、もともとは実用品の馬具ですが、ヴィクトリアンの終り頃から、室内飾りとして収集されるようになりました。 

イギリスにはホースブラスの専門家がいて、ホースブラスだけを扱った書籍も出ています。

ホースブラスの歴史や由来を紐解くと、
designed to bring good luck or to ward off evil.
(グッドラックを招くため、あるいは邪悪なるものを寄せ付けない為に作られた。)
とのこと。

なかなかに、奥が深いものであるなあ、と感じます。

近所のパブでいくつか飾ってあるのを見ました、パブの装飾品としても一般的なようです。

ヴィクトリア時代から続くパブの暖炉です。
暖炉周りの上部に、ホースブラスが横並びに飾られているところ、ご注目ください。
ホースブラス 雄鶏ホースブラス 雄鶏


No. 20235 ヴィクトリアン スターリングシルバー 蓋 with ガラスボトル
高さ 23.3cm、底面縦横 5.6cm*5.6cm、銀蓋の直径 3.4cm、1895年 バーミンガム アセイオフィス

今から百三十年近く前のヴィクトリアン後期に作られたスターリングシルバーの蓋です。

ブリティッシュ シルバー ホールマークが完備していることが、この品の優れた特徴になります。

銀製蓋の側面に刻印されたシルバー ホールマークは順に、メーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1895年のデートレター、そしてバーミンガム アセイオフィスのアンカーマークです。

ガラスボトルはガラスに不均質感があって、いい感じです。

蓋はスクリュー式で捩じ込むようなタイプではなくて、言わば、上に乗っているだけの昔風な様式です。
ヴィクトリアン スターリングシルバー 蓋 with ガラスボトルヴィクトリアン スターリングシルバー 蓋 with ガラスボトル


No.20234 スリーペンス銀貨 スターリングシルバー ブレスレット
一周の長さ 17.5cm、重さ 15g、3ペンス銀貨の直径 1.6cm、銀貨の鋳造年は1931年から1941年

今から八十年以上前の三ペンス銀貨を使ったスターリングシルバー ブレスレットです。 

三ペンスは直径1.6センチ、やはり銀貨であるところは嬉しいものです。 1931年から1941年鋳造の銀貨ですから、今から八十年から九十年ほど前のことです。 1930年代の銀貨が五枚と、1940年代の銀貨が四枚使われています。

1930年代の銀貨は、スリー エイコーン (三つのどんぐり)のデザインです。 イギリスでは昔からどんぐりがおなじみのモチーフだったことが背景にありましょう。 また、この国では、どんぐり集めに忙しいリスの姿をよく見かけますので、イギリスに住む人々にとっては慣れ親しんだデザインなのかなと思ったりもします。

エイコーン(Acorn=どんぐり)は、古くはローマ時代にまで遡れるモチーフの一つで、ケルティックやスカンジナビアン アートにおいても、Life(生命)、Fecundity(豊かさ、生産力)、Immortality(永久になくならないこと)を表象するモチーフとして好まれてきました。 繁栄をシンボライズするクリスチャンモチーフとして、今日にも引き継がれています。

英語には、『Every oak must be an Acorn.(樫の大樹も元々はみなどんぐり)』という諺があって、一粒の小さなどんぐりで、樫の大木をシンボライズしているケースもしばしば見受けます。 エイコーンは末広がりに大成していく、ラッキーモチーフの意味合いが好まれるのでしょう。

「3」という数字は、日本でもそうだと思いますが、英語ではラッキーナンバーに通じるものがあって、縁起物ではよく出会う数字です。 ホースシューでご紹介したことがある「Three Horseshoes」もそうですし、チェスター アセイオフィスの「Three Wheat Sheaves(三つの麦束)」も同様でしょう。 

キリストが生まれた時に訪ねてきたという「東方の三賢人」の例もあります。 マクベスの「Three Witches」はどうでしょうか、これはなにかと「3」だと落ち着きがいいということかも知れません。 日本でも「三度目の正直」、「仏の顔も三度」、「二度あることは三度ある」など馴染み深いもので、「3」にこだわる意味合いには納得感がありそうに思うのです。

最後に、イギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1シリング」=「12ペンス」になります。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計算するのも億劫です。
昔、サマセット・モームの「月と六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数字でもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃止され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。 

この十二進法時代の名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに、先日気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと落ち着かないのでしょう。 

このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン時代のイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服者が「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。

スリーペンス銀貨 スターリングシルバー ブレスレット


No.20068 ヴィクトリアン 銅製&シルバープレート ハンドヘルド 蝋燭立て & キャンドルスナッファー SOLD
高さ 10.5cm、上から見た最大直径 16.5cm、重さ 512g、帽子の高さ 7.1cm、蝋燭穴の直径 2.2cm、ヴィクトリアン後期の英国製、SOLD

今から百年以上前に作られたヴィクトリアン シルバープレート 手持ち式 蝋燭立てです。 消灯帽子(キャンドルスナッファー)を置く専用部分があります。 このとんがり帽子を蝋燭の灯火にかぶせて、火を消す仕組みです。 蝋燭立て本体部分の波模様レリーフも美しく、なかなかに渋いアンティークと思います。

人差し指と中指をハンドルに絡めて、上部の指置き部分に親指をのせて押さえる格好で手に持つ仕組みですが、手になじんでしっかり運べるハンドヘルド タイプの蝋燭立てです。

シルバープレートが薄くなったところから、地の金属が見えますが、ベースメタルは銅と分かります。 銅ベースにシルバープレートは、当時の高級品です。 銅ベースの品は、持ちはかりがほどよくて、たとえシルバープレートが薄くなっても、それがまた古い品の格調と感じられて、品物のよさを感じます。 


ヴィクトリアンの波模様の優雅さとともに、専用キャンドルスナッファーが付属している様子など、現代の品とはどこか違う、まことに昔風なデザインと作りであって、ヴィクトリアン アンティークならではの、たたずまいを感じさせてくれます。 もちろん、実際に蝋燭を挿して実用可能な使えるアンティークでありますが、このまま飾っておかれても、格調高いヴィクトリアーナでありましょう。

波模様を詳しく見ていくと、Cスクロールも見えています。 スクロールパターン(渦模様)の中でもアルファベットの「C」の形状をしたものを Cスクロールと呼びます。 スクロールは波模様デザインの派生形でもあり、また重要なケルティック モチーフでもあります。

波模様のウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれました。 また、渦巻き模様は「Growth(成長)」や「Energy(活力)」を象徴し、ケルティックアートのベーシックとも言われます。 


クイーン・ヴィクトリアが若干18歳の若さで英国王位を継承したのは1837年のことで、この年から1900年までの64年間がヴィクトリア時代にあたります。 ヴィクトリア女王は在位期間が長かったことと、その時代は英国の国力が格段に伸張した時期と重なっていた為に、イギリス史の中でも特にポピュラーな国王となりました。 アンティークの分野にあっても、この時代の物品を指すヴィクトリアーナ(Victoriana)という用語もあって、ヴィクトリア時代を専門とするコレクタターが大勢いるわけなのです。

昔はこんな品を使って暮らしていたわけですが、今使ってみても、たいへんに趣深い道具で楽しめます。 


灯りものアンティークとしては、オイルランプもいいですが、手持ち式 蝋燭立てというのも、これまたお勧めできると考えています。 蝋燭の灯りは見ていて落ち着きます。 オイルランプよりずっと手軽に使えるので、使用頻度が高まります。 そしていつも手軽に使っていると、ますます愛着が湧いてくるという好循環です。

ポワロ シリーズの『スタイルズ荘の怪事件』でも、手持ち式 蝋燭立て が出てきて、ポワロの推理で重要な役割を担っていました。

ヴィクトリアン シルバープレート 蝋燭立て & キャンドルスナッファー(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ヴィクトリアン シルバープレート 蝋燭立て & キャンドルスナッファー(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20091 エドワーディアン アール・ヌーボー スターリングシルバー ティースプーン
長さ 11.2cm、重さ 13g、ボール部分の長さ 3.6cm、最大幅 2.35cm、ボールの深さ 6mm、柄の最大幅 1.35cm、1911年 シェフィールド、James Deakin & Sons作

今から百年以上前の1911年に作られた、アール・ヌーボーのデザインが特徴的なスターリングシルバー スプーンです。 これまで長いこと英国の銀スプーンを扱ってきましたが、写真のようなデザインは見かけたことがなく、第一印象はイギリスの銀スプーンではない感じがいたしました。 

ところが、ブリティッシュ シルバー ホールマークがしっかり刻印されており、シルバースミスは有名どころのJames Deakin & Sonsと分かり、さらには、英国のパテントオフィスにデザインを登録したレジスター番号『Rd.589543』まで揃っていることから、これはもう正真正銘の英国アンティーク シルバー以外の何者でもありません。

James Deakin & Sonsが手がけたアール・ヌーボーということで、興味深く見ております。 それにしても、あまり見かけないレアな品であることから、James Deakin & Sonsによる少量生産だったのだろうと思います。

写真二番目に見えるように、裏面にはブリティッシュ ホールマークが刻印されています。 ホールマークは順にシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1911年のデートレター、そしてJames Deakin & Sonsのメーカーズマークです。

シルバースミスのJames Deakin & Sons Ltdは、1865年にジェームス・ディーキンによってシェフィールドで創業されたのが始まりです。1886年には彼の三人の息子達、ウィリアム、ジョン、アルバートもパートナーに加わり、ファミリービジネスとして上述の社名に変更し、その後は順調に発展していきました。1888年にはロンドン支店開設、ヴィクトリア後期の1890年代には、スコットランドのグラスゴーとアイルランドのベルファストにも支店を開設しています。 

しかし多くのシルバースミスがそうであったように、この銀工房の最盛期は英国の国力がピークであったビクトリア後期からエドワーディアンの時代にあったようです。その後は事業を次第に縮小していき第二次世界大戦が始まった1940年には店を閉めました。メーカーズマークの「JD WD」はJohn & William Deakinのイニシャルになっています。 

エドワーディアン アール・ヌーボー スターリングシルバー ティースプーン


No. 20212 ヴィクトリアン ピンチバック & シェル ボタン
直径 1.15cm、ヴィクトリアン終り頃の英国製、(3つあります。)

ボタンというよりは、ヴィクトリアン ジュエリーといった風情に惹かれました。

もともとは、20231ボタンと、20212ボタンはセットで求めました。

このヴィクトリアン アンティーク ボタンは、イギリスで作られて、今こうして日本へ渡ろうとしています。
しかし、思うに、このボタンの背景には、以下にあるような日本とイギリスの関係にまつわる話も、横たわっているのではないかと、私は想像しております。

シェル石油の貝殻マーク、由来は三浦海岸で拾った貝殻 https://www.instagram.com/p/BUKSq18DMVY/

世界最大級の石油会社シェル、社名とロゴマークに貝殻を採用しているのはなぜ?

創業者のイギリス人が明治維新直後の日本にやって来て、三浦海岸で見つけた綺麗な貝殻に商機を感じ、英国に運び込み貝殻細工の宝飾品で財をなしたことが背景です。

三浦海岸の貝殻を元手に巨大石油資本にまで上り詰めたシェル、もともとはロンドンにあった宝飾品&アンティーク店でした。

ちなみに今では帆立貝のロゴマーク、昔はもっとシンプルな貝殻でした。というわけで、シェルと日本とアンティーク、とっても深い関係があります。



No. 20233 ヴィクトリアン アイアンワーク アイロン台
縦の長さ 8.8cm、最大横幅 3.5cm、重さ 25g、高さ 0.9cm、鉄の厚み 2.5mm、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃の英国製

デザインがよくて、それでいて渋いアンティークで気に入りました。 まったくもって小振りなアイロン台で、可愛らしいヴィクトリアン アンティークです。 部屋の飾りやペーパーウェイトによさそうです。 

写真のアンティークは実用品として作られたものですが、ハートのデザインなど装飾性が高いところは、ヴィクトリアン アイアンワークのペンダントヘッド に見られるようなブラックスミスの作品と根っこは同じ仲間たちと感じます。 

金属細工人の中でも鍛冶屋さんをスミスあるいはブラックスミスと言いますが、主要な交通手段が馬や馬車であったヴィクトリア時代においては、ブラックスミスはとても重要な職業で、どこの村にも鍛冶屋さんがありました。 カンタベリー大司教になったセント・ダンスタンは鍛冶屋さんでもあったという話がありますが、これなどは昔の時代にあっては鍛冶屋さん役割が重要であった証左とも言えましょう。

ハートは現代でも馴染み深いデザインですが、その歴史をたどりますと、英国におけるハートのモチーフはジョージアンの頃登場し、ヴィクトリア期に大流行した経緯があって現代に至っております。

ハートの中にはスパイラルが見られますし、上部にはCスクロールも見られますので、あるいはケルティック モチーフを反映しているのかも知れません、。

スクロールパターン(渦模様)の中でもアルファベットの「C」の形状をしたものをCスクロールと呼びます。 上部飾りにはCスクロールが背中合わせに並んでおります。 

ハートの中にダブルスパイラルが入ったデザインはケルティック シェブロン スパイラルと見るのが妥当という気もします。 渦巻き模様は「Growth(成長)」や「Energy(活力)」を象徴し、ケルティックアートのベーシックです。 さらに、ハートの中にダブルスパイラルが入ったケルティック シェブロン スパイラルは、遠い昔のケルトの人たちにとっては「Power(力)」の象徴であり、転じて「計画、実行、そして完成」を意味するシンボルでした。 ハートの形に見えますが、実はその由来は弓矢の先に付ける鏃(やじり)であり、そこからパワーの意味合いが生まれています。

じっくり見ていくと、いろいろな解釈が出てきますが、写真のアンティークを作った鍛冶屋さんの背景には、当時のデザインブックがあったかも知れませんし、扱ってみたいモチーフアイディアがあったろうと想像します。

英国アンティークにはスティール アンティークという専門分野があります。 イギリスには世界初の鉄橋で、ユネスコの世界遺産にもなっているアイアンブリッジという誰もが知っている観光地があって、英国人にとってスティール アンティークと言われてまず思い浮かぶのは、この産業革命の遺産であるアイアンブリッジであることが多いようです。 

鉄の道具の歴史はかなり古いわけですが、ジョージアンの時代の中頃に始まった産業革命の影響が大きく、次のヴィクトリア時代を通じて、鉄製品が芸術的な領域にまで高められていきました。 ですからイギリスにおけるスティール アンティークとは、この国の人たちにとって誇らしいアイアンブリッジや産業革命の延長線上にあって、ヴィクトリアンのノスタルジーを感じさせてくれるアンティーク分野であるのです。

昔の鍛冶屋さんの仕事はと言えば、馬の蹄鉄を取り扱う以外にも、例えば、以下にありますような、パブサイン看板のアイアンフレームを作るような仕事もあったでしょう。 スケッチしましたパブ看板のフレームは、なかなかに見事な作品でありました。
http://www.igirisumonya.com/antiquecenter.htm

ヴィクトリア時代にはどこの村にもあった鍛冶屋さんと書きましたが、二十一世紀の現代でも、イギリスにはまだ多くいらっしゃることを最近知りました。 私は担ぎタイプのゴルフバックを使っているのですが、スタンドの稼動部が壊れてしまいました。 気に入って使っていたので、出来れば直したい。 細いスティールパイプとそれにつながる鉄のL字金具を溶接すれば修理が可能です。 

電話帳で調べたら、街には何軒か鍛冶屋さんがあることが分かりました。 一番近くの鍛冶屋さんと連絡を取って、持ち込んだら、翌日には直しておくとのこと。 しかし出かけるので、修理したら庭先に置いておくから持っていってだって。。。 誰かに取られたりしないかなと心配でしたが、行ってみたらありました。 けっこうアバウトで英国風な職人さんでありました。

ヴィクトリアン アイアンワーク アイロン台

No. 20232 マッピン & ウェブ スターリングシルバー ティースプーン 一部 SOLD
長さ 10.8cm、重さ 10g、ボール部分の長さ 3.7cm、最大幅 2.05cm、ボールの深さ 6mm、柄の最大幅 1.0cm、柄の厚み 2mm、1921年 ロンドン、Mappin & Webb作、 (6本あります-->4本あります。)

今から百年ほど前に作られたMappin & Webbのスターリングシルバー ティースプーンです。 ボール部分が深くて細身なタイプで、品のよさが感じられます。 柄のデザインはシンプルながらも、銀の厚みが感じられて好印象な品と思います。 

ボール裏面のホールマークは順に、Mappin & Webbのメーカーズマーク、1921年のデートレター、ロンドン レオパードヘッド、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントです。 

英国で「アンティーク」という言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品」を指すことになります。 そんな訳で、英語で言うと「It will become an antique in four years. (この品はあと四年でアンティークになります。)」という言い方をされることがあります。 アンティークコレクターにとっては、やはり百年という年月の経過は大きなメルクマールになりますので、上記のような会話がなされる機会も多いのです。 

この銀製品が作られたのは1921年ですから、正式なアンティークへの昇格がすぐそばに来ています。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、この品には、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

メーカーは言わずと知れた有名工房ですが、このシルバースミスの歴史をご紹介しましょう。

マッピン関連のアンティークを扱っていると、「Mappin & Webb」とよく似た名前の「Mappin Brothers」というシルバースミスに出会うことがあります。
「Mappin Brothers」は1810年にジョセフ マッピンが創業した工房で、彼には四人の後継ぎ息子がありました。四人は上から順にフレデリック、エドワード、チャールズ、そしてジョンで、年長の者から順番に父親の見習いを勤めて成長し、1850年頃には引退した父ジョセフに代わって、四兄弟が工房を支えていました。

ところが末っ子のジョンは、工房の運営をめぐって次第に兄たちと意見が合わなくなり、ついに1859年には「Mappin Brothers」を辞めて独立し、「Mappin & Co」という銀工房を立ち上げました。 以後しばらくの間、「Mappin Brothers」と「Mappin & Co」は「元祖マッピン家」を主張しあって争うことになります。

しかし最初のうちは「Mappin Brothers」の方が勢力があったこともあり、1863年には末っ子ジョンの「Mappin & Co」は「Mappin & Webb」に改名することとなりました。 Webbというのはジョンのパートナーであったジョージ・ウェブの名から来ています。

「元祖マッピン家」問題では遅れをとったジョンでしたが、兄たちよりも商売センスがあったようです。 スターリングシルバー製品以外に、シルバープレートの普及品にも力を入れ、目新しい趣向を凝らした品や新鮮なデザインの品を次々と打ち出し、しかも宣伝上手だったのです。 ヴィクトリアン後期には当時の新興階級の間でもっとも受け入れられるメーカーに成長し、それ以降のさらなる飛躍に向けて磐石な基盤が整いました。

20世紀に入ってからの「Mappin & Webb」は、「Walker & Hall」や「Goldsmiths & Silversmiths Co」といったライバルの有名メーカーを次々にその傘下に収めて大きくなり、今日に至っています。 

また、「Mappin Brothers」ですが、時代の波に乗り切れなかったのか、1902年には「Mappin & Webb」に吸収されてしまっています。 ただ、その頃には三人にお兄さん達はとっくの昔に引退しており、後を継いだエドワードの息子さんも引退して、マッピン家のゆかりはいなかったようです。 そうこう考えると、ジョージアンの創業で、ヴィクトリア時代に二つに分かれたマッピンが、エドワーディアンに入ってまた一つの鞘に戻れたことはよかったのかなとも思うのです。

マッピン & ウェブ スターリングシルバー ティースプーン



No. 20037 フォートナム&メイソン エコバッグ
素材 ジュート(麻)+コットン水色 、サイズ 横42cm マチ20cm 縦32cm、ご注文で取り寄せ、英国からの郵便事情の錯綜もあり、タイミングとお値段はその時に寄ります。

バッグの両面ともに同じ図柄となっていて、おしゃれな買い物バッグです。 

持ち手のハンドルは左から右まで62センチと長めで、肩掛けOKの使いやすさがあります。

ウェーブパターン様の草花模様は典型的なヴィクトリアン デザインです。

EST 1707の中程に王冠が描かれているのは、英国王室御用達を意識したものでしょう。

その下のティーキャディやスパイス入れも可愛いです。

以下の記述は、フォートナム&メイソンの略史がつづられているようにも読めます。

FORTNUM & MASON
EST 1707
Tea, Spice, Coffee
PROVISIONS
Spice Importers
TEA DEALERS &
GROCERS

フォートナム&メイソン
創業1707年
ティー、スパイス、コーヒー
食糧品
香辛料 輸入業者
ティー ディーラー
食料品雑貨商
フォートナム&メイソン エコバッグ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)フォートナム&メイソン エコバッグ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)フォートナム&メイソン エコバッグ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

No. 20092 スターリングシルバー ピアストワーク ティースプーン
長さ 11.4cm、最大横幅 2.35cm、透かし柄の最大幅 1.5cm、柄の最大厚み 2mm、重さ 11g、1976年 1979年 1980年、シェフィールド、(3本あります)

透かし細工の綺麗なスターリングシルバーのティースプーンです。 裏面にはブリティッシュ ホールマークがしっかりなのもグッドでしょう。 

ゴルフ関連の銀製品と考えられ、ある意味とても英国風なシルバーウェアと言えると思います。 イギリスではいろいろなスポーツが盛んですが、こういった銀製品との関連の深さでは、ゴルフとライフルクラブが両横綱といった感があります。 

今日ではイギリスのゴルフ愛好家の裾野が広がってきているようでありますが、少し前まではお金持ちのスポーツであったことと関連がありそうに見ております。

写真二番目に見えるように、柄の裏面には「R & D」のメーカーズマーク、デートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールド アセイオフィスのローズマークが刻印されています。

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ライフルやゴルフクラブ関連で、多く見かけるアンティーク シルバー

スターリングシルバー ピアストワーク ティースプーンスターリングシルバー ピアストワーク ティースプーン


No. 20093 スターリングシルバー ピアストワーク ティースプーン
長さ 11.6cm、最大横幅 2.5cm、透かし柄の最大幅 1.35cm、重さ 11g、1971年、バーミンガム、(1本あります)

20092 透かし銀スプーンと似ていますが、銀工房とアセイオフィスが異なります。 透かし細工もよく見ると、微妙な違いがあります。

透かし細工の綺麗なスターリングシルバーのティースプーンです。 裏面にはブリティッシュ ホールマークがしっかりなのもグッドでしょう。 

ゴルフ関連の銀製品と考えられ、ある意味とても英国風なシルバーウェアと言えると思います。 イギリスではいろいろなスポーツが盛んですが、こういった銀製品との関連の深さでは、ゴルフとライフルクラブが両横綱といった感があります。 

今日ではイギリスのゴルフ愛好家の裾野が広がってきているようでありますが、少し前まではお金持ちのスポーツであったことと関連がありそうに見ております。

写真二番目に見えるように、柄の裏面には「DB」のメーカーズマーク、デートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールド アセイオフィスのローズマークが刻印されています。

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No. 20229 14カラット ロールド ゴールド ガーネットの花 デザイン ロケット
楕円の長径 1.9cm、短径 1.3cm、留め具を含む縦長 2.8cm、厚み 4.5mm、重さ 4g、1960年代あたりの英国製

未使用と思われるコンディションのよさが特徴で、ガーネットの花も可愛らしくて、いい感じ。14カラット ロールド ゴールドのロケットです。 

小振りながら、厚めでしっかり出来ており、手にした時の心地よい重厚感もポイントと言えましょう。 

蓋の開け閉めは緩る過ぎず、堅た過ぎずのちょうどよい感じで、ピチッとしっかり閉まり、扱いやすいロケットと感じます。 留め具の部分にはメーカーズマークと、素材の14カラット ロールド ゴールドを示す「14ct rg」刻印があります。 

Rolled Goldとはベースメタルに9金や18金の薄金板を重ねた構造の素材で、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国で流行ったアンティークな素材です。 

全体の作りやデザインや仕上げの様子から見て、1960年代あたりの作と思いますが、イギリスにおけるロールド ゴールド アクセサリーの歴史と伝統を踏まえた系譜上に現れた品であり、興味を惹かれます。 また、このロケットの場合は14カラットの表示がありますので、素材も上々ということになります。

14カラット ロールド ゴールド ガーネットの花 デザイン ロケット<BR>


No. 20208 J. Hudson & Co ARP ウィッスル(Air Raid Precautions)
長さ 8.3cm、直径 1.5cm、重さ 26g、1930年代から1940年代の英国製
写真の品はハドソン商会の笛になります。 

ウィッスルの胴体には、
A. R. P.
J. Hudson & Co
Barr St. Hockley
Birmingham
の表示が見えています。 

歴史的にみて、このウィッスルはイギリスでもかなり強力な笛になります。 防犯用や緊急援助の要請、あるいは野生の動物よけなど、日本でも使える場面は多いだろうと思います。 

A. R. P.= Air Raid Precautions とは戦時の空襲監視員あるいは防空指導員のことです。 空襲に備えるべく、警官や予備役の人たちを中心に組織されたと聞きました。 

以前に扱った ARP銀製品には1936年作がありました。1936年は英国にとってまだ戦時下ではないのですが、このとき既にARPが組織され備えを始めていたことが分かります。 この笛も1930年代から1940年代の品と思います。 

このタイプのWhistle(笛)はヴィクトリアン後期の1880年代に初めて英国のお巡りさん用に作られたもので、もともとの用途である防犯用に携帯したら、かなり力強い味方となるでしょう。 小さく吹くとそれなりの音ですが、力いっぱい吹くと、鼓膜がビリビリするほどの結構なすごい音になります。  

ヴィクトリア時代にイギリスの警察がクラッパムコモンの野原でこの笛の使用実験をしたら、1マイル(約1.6km)先まで音が届く優れものという結果が出たと聞きました。 

ハドソン商会の笛がヴィクトリア時代に開発された当時のエピソードを聞きましたので、ご紹介させていただきましょう。 イギリスの警察がお巡りさん用のウィッスルを新規に買い入れようということになって、業者に新製品開発を公募することになりました。 いくつかの業者が企画に参加して、この笛を考案したハドソン商会も試作品を警察に届けて、テストが行なわれたのです。 ところがその後、いつまで待っても、採用されたのかされなかったのか、結果の通知が届きません。 

さらに時間が経って、驚いたことには、試作品だったはずのこの笛を、街でお巡りさんが使い始めているのがハドソン氏の目に留まったのです。 びっくりしたハドソン氏はどうしたことかと、警察に事情を尋ねに出かけました。 そこでの回答はあらまし以下のようであったのでした。

「いやあ、ハドソンさん、よく警察に尋ねて来ていただきました。 実は貴方にお作りいただいたウィッスルは、テストの結果とても性能が良いということで、警官携帯用の笛として採用となりました。 ところが貴方から提出いただいた関係書類いっさいを失くしてしまいまして、この試作品を作った業者が誰だったのか、分からなくなってしまったのです。 ただ、警察としては、このウィッスルは素晴しい出来なので是非とも使っていきたい。 そんなわけで、貴方には申し訳なかったのですが、他の出入り業者に頼んで、試作品をまねて作らせた次第だったのです。」

本当の発明者がハドソン氏と分かって、仕事はハドソン商会に引き継がれることになって、めでたし めでたしのエンディングとなったそうです。 パテントなど権利の扱いがあまりにもずさんで、今日では考えられないようなお話ですが、資本主義の本家ともいうべきイギリスでも、ヴィクトリア時代にはこんなことがまかり通っていたのでした。

でもイギリスという国では、こういうイージーというか、おおらかというか、いいかげんなことによく出会うのも確かなことで、根っこの部分は今も昔もあまり変わっていないようにも思うのです。 英国アンティーク情報欄にあります「27. ホールマーク漏れと英国人気質」解説記事もご参考まで。

ヴィクトリア時代のお巡りさんについて、情報を得ました。 『What the Victorians Did for Us(Adam Hart-Davis著)』という本によると、ハドソン商会のウィッスルが採用される以前のお巡りさんは、笛の代わりにRattle(ガラガラ)を持ち歩いていたそうです。 

緊急事態が発生したときにはガラガラを振り鳴らして、周囲を警戒中の仲間に知らせたのです。 ところが、やはりガラガラでは、遠くまで音を届かせるという点で性能がいま一つでした。 

そこで、ハドソン商会の笛となったわけです。 ちなみにヴィクトリアン終わり頃における緊急時の支援要請サインは、この笛を三回短く吹き鳴らすことであったそうです。
J. Hudson & Co ARP ウィッスル(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)







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