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No. 4226 Best Love アンティーク ポストカード with King GeorgeX Half Penny Green(Hair light)切手
横の長さ 8.6cm、縦の長さ 13.5cm、1913年、二千四百円

写真二番目で見えるように、裏面をご覧いただくと、ジョージ五世のHalf Penny Green(Hair light) スタンプが貼ってあり、このアンティーク ポストカードの大きな特徴になっています。 
ジョージ五世の治世は1910年から1936年までの26年間になります。 そのうち、治世の大方にあたる1912年以降の24年間については、ジョージ五世の横顔は真横を向いています。 ところが1910年から1912年途中までの二年間については、王様は横斜め前方を向いた肖像画になっており、この切手はKing GeorgeX Half Penny Green(Hair light)あるいは、King GeorgeX Half Penny Green(Hair dark)と呼ばれます。 

light とdarkというのは、髪の色に薄めと濃いめの二つのタイプがあるためですが、ともにその発行期間が二年ほどと短いことから、数種類あるKing GeorgeX Half Penny切手の中ではレアものになり、アンティークとしての評価が上がってきます。

消印は1913年8月23日 午後8時15分で、当時の郵便局は、ずいぶんと遅くまで仕事をしていたことが分かり、興味深いところです。 社会史学の資料になりそうな、ほぼ百年前のアンティーク ポストカードであります。

写真のアンティーク ポストカードが出された頃の出来事として、1912年:タイタニック号氷山に衝突して沈没とか、1914年:第一次大戦始まる、などがあります。 あるいは日本では明治時代が終って大正時代になり、夏目漱石の『こころ』が世に出た頃のことであって、ずいぶん昔のことなのです。 アンティークを手にしていると、百年に近い時の経過があらためて身近に感じられるのは楽しいことです。

それから、もう一つ私が興味を惹かれたのは、このアンティーク ポストカードの宛名にあります。 Nr Oakhamとあるのは、郵便配達にあたってオークハムが目標となる大きな街ということで、「オークハム近くの」という意味です。 Knossingtonとあるのはノッシングトン村という感じでしょう。 ちなみに語尾のtonというのは、中世以前のサクソン&ノルマン時代に、スカンジナビアから渡って来たバイキングの言葉に由来し、小さな村を意味する接尾語になります。 

そうすると、この宛名書きは「オークハム近くのノッシングトン村のミス バーネットさんへ」ということになります。 ほぼ百年前のことになりますが、ずいぶんと小さな村だったのでしょうか? 日本で例えるなら「御茶ノ水近くの本郷村のバーネットさんへ」といった感じなわけで、こんなアドレスで手紙が届いてしまうのが凄いと思うのです。

考えてみるに、この時代は郵便番号システムも無かったことが、葉書に書いてある内容から想像がつきます。 郵便局員さんの知識と経験を頼りに、このようなアドレスでも、英国中から手紙が集配されていたということなのです。

Best Love アンティーク ポストカード with King GeorgeX Half Penny Green(Hair light)切手


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