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No. 20045 シルバープレート ティーストレーナー with 木製ハンドル
長さ 17.8cm、重さ 92g、ボール部分直径 7.9cm、ボールの深さ 2.1cm、八千円

写真のティーストレーナーは比較的に近年の品と思いますが、「Where there is tea, there is hope. (お茶あるところに希望あり。)」というフレーズが、いかにも英国風と言いましょうか、そういう考え方が私も好きで気に入りました。 

「Where there is tea, there is hope. 」 口ずさんでみると、語呂のよさもいいですね。 

92グラムとけっこうな持ちはかりがありますし、ボール部分の直径は7.9センチですから、大きめで重厚感のあるティストレーナーです。 木製ハンドルはあたたかみがあって、全体にしっかり出来たよい品と思います。

お茶とイギリス人といえば、こんな経験も思い出されます。 ある朝、駅に向かって歩いていたら、駅から戻ってくる人がいて、「Security Alert で、今さっき駅は閉まってしまった。あなたも家に帰ってお茶にした方がいいだろうよ。」と言われたことがあります。 セキュリティ アラートと言うのは、警戒警報のようなもので、不審物など見つかると駅が一時的に閉鎖されることがあるのです。 当該駅は閉鎖されますが電車自体は走っているわけで、日本的な感覚ですと、次に近い駅までバスなりタクシーで行ってでも職場に向かいそうに思うのですが、そうではなくて、「お茶にしよう。」と言うのが、なんとも英国風で、軽いカルチャーショックを覚えた記憶があります。

お茶とイギリス人について、もう一つご紹介しましょう。 1946年4月に発表されたエセル・ローウェル氏の『現在の意味』という論文に、第二次大戦中のロンドンにおける空襲後の一婦人の話があります。

『爆撃の一夜が明けてから、一人の婦人が砲撃された我が家の戸口に幾度も行って、心配そうに往来をあちこち見ていた。 一人の役人が彼女に近づいて、「何か用ならしてあげましょうか。」

彼女は答えた、「ええ、どこかその辺に牛乳屋さんはいませんでしたか。うちの人が朝のお茶が好きなものですから。」

過去は敵意あり、未来は頼みがたい、が、道づれとなるべき現在は彼女とともにそこにあった。 人生は不安定であった。 しかし、…… 彼女の夫は一杯の朝の茶をほしがった。』(引用終り)

「絶対的現在(=永遠の今)」にしっかり足をつけて立つということの例え話であるようですが、「Where there is tea, there is hope. (お茶あるところに希望あり。)」のフレーズが、よりすっきり理解できるお話であるとも思います。


イギリスのティーに関するフレーズといえば、『Keep calm and have a cup of tea』というのがあります。 上記の駅閉鎖の場面でぴったりな感じです。 ただしこれには、原作があって、『Keep calm and carry on』の派生系になっています。

Keep calm and carry on』の再発見と今日の流行には、アンティークな背景があって、興味深いのですが、そんなあたり、いかにも英国風と感じます。

シルバープレート ティーストレーナー with 木製ハンドル


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