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No. 16664 ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ブライトカット ティースプーン with シェル
長さ 13.0cm、重さ 13g、ボール部分の長さ 4.3cm、最大幅 2.6cm、ボールの深さ 7mm、柄の最大幅 1.2cm、1807年 ロンドン、一万二千円

ジョージ三世の時代に作られたオールドイングリッシュ パターン スターリングシルバー ブライトカット ティースプーンです。 ジョージアンの時代の中でも、ジョージ三世の治世(1760年から1820年まで)が最も長かったこともあり、この時代のアンティークには「ジョージ三世」の名を冠することが英国ではよくあります。 

写真二番目のホールマークは順にスターリングシルバーを示すライオンパサント、 1807年のデートレター、ジョージ三世の横顔はデューティーマーク、そして見えにくいながらメーカーズマークになります。

ブライトカットの綺麗なアンティークシルバーですが、柄の周囲に施された鉤彫りも繊細な手仕事で、二百年以上前のシルバーウェアとは言え、昔の銀職人さんが作ったんだなあというか、人の作った温かみが今に伝わってまいります。

ブライトカットは十分に美しく、二世紀前のティースプーンには現代人を惹きつける何かがあるように思います。 古いシルバースプーンをお求めいただいたお客様からのコメントをご紹介させていただきましょう。 『例のティースプーンは勉強の合間に入れるお茶に毎日欠かさず使っています。 不思議なもので、使っていると、以前より輝きが出てきたように思います。 また、親しみというか、スプーンに不思議な親近感までわいてきて、ちょっと危ないのかと思ってしまうほどです....(^^;』 銀というのは、かなり古いアンティークであっても、使っているうちに、また銀本来の輝きを取り戻してくるところが嬉しいものです。

ブライトカットは18世紀の終わり頃から、英国においてその最初の流行が始まりました。 ファセット(彫刻切面)に異なった角度をつけていくことによって、反射光が様々な方向に向かい、キラキラと光って見えることからブライトカットの呼び名があります。 この装飾的なブライトカット技術が初めて登場したのは1770年代でしたが、それは良質の鋼(はがね)が生産可能となってエングレービングツールの性能が向上したことによります。

それから、柄先にホールマークを刻印することをトップマーキングと言いますが、1800年前後にロンドンで作られたティースプーン等の小物シルバーウェアのトップマーキングにおいては、ロンドン レオパード ヘッドの刻印を省略することが当時流行っていました。 このティースプーンにもロンドン アセイオフィス マークがありませんが、同時期に作られたロンドン物ではよく見かける傾向なのです。 おそらくロンドン中心思考がこうした習慣を生んだと思われますが、1830年ぐらいから以降は改まりきっちり刻印されるようになっていきます。

オールドイングリッシュ パターンについてはアンティーク情報欄「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事を、またジョージ三世については「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」後半部分をご覧ください。

ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ブライトカット ティースプーン with シェル





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