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No. 15048 ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン (イニシャルRSEの三本目)
長さ 12.1cm、重さ 11g、ボール部分の長さ 4.1cm、最大幅 2.3cm、ボールの深さ 6mm、柄の最大幅 1.2cm、1794年 ロンドン、八千円

このスターリングシルバー ティースプーンは今から二百十六年前の1794年の作で、英吉利物屋の扱い品の中にあってもかなり古い品になります。 1760年から1820年までのジョージ三世時代は長かったので、アンティークにおいても、この時代の品には「ジョージ三世...」と接頭辞のように国王の名前を冠することが多いのです。 

写真二番目のホールマークは順に メーカーズマーク、ジョージ三世の横顔でデューティーマーク、1794年のデートレター、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントになります。

このティースプーンは四本セットで求めたうちの一本になりますが、セットは1795年作が二本と1794年作が二本で構成されていました。

英国の歴史は比較的安定していたことが特徴で、隣国フランスのように大きな革命や動乱を経験せずに今日に至っており、そのおかげもあってイギリスにはアンティークのシルバーが多く残っているとも言えます。 しかし、このティースプーンが作られた18世紀後半はイギリスにおいてもかなり世の中が荒れて、政治が混乱した時代でした。 一つには産業革命の影響で英国社会に大きな変化が起こりつつあって、ロンドンでは打ち壊しのような民衆暴動が頻発していたことがあり、二つには国王ジョージ三世がアメリカ植民地経営に失敗してアメリカ独立戦争を招いたことなどが混乱に拍車をかけました。 18世紀後半にロンドンで起こったゴードン暴動では死者が五百人を超える惨事となって革命一歩手前だったようです。 

さらに加えて海外からの不安定要因がイギリスを脅かし始めます。 1789年に始まったフランス革命は次第に先鋭化していって、ついに1793年には国王を処刑してしまうまでになりました。 このティースプーンが作られた頃は、おっかなびっくり隣国フランスの様子を窺いながら、当時のイギリスはいつ対岸の火事が飛び火してくるか、ひやひやものでありました。 もし英国史がそのコースを少し外していたら、このスプーンを今こうして見ることもなかったかもしれない、などと思ってみたりもするのです。

ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン


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