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No.5616 ヴィクトリアン アイアンワークのペンダントヘッド
縦の長さ 9.2cm、重さ 70g、四角いネイルヘッドの一辺の長さ 8.5mm*6.5mm、ヴィクトリアン後期の英国製、 一万八千円

ヴィクトリアンのアイアンワークです。 ペンダントヘッドと書きましたが、装飾用になんとなく作られた品かも知れません。 デザインのよさ、素材の面白さに惹かれましたが、このアンティークの背景を調べていくと、なかなかの縁起物であることも分かってきましたので、話題性のある室内飾りにしてみたいと思います。

金属細工人の中でも鍛冶屋さんをスミスあるいはブラックスミスと言いますが、主要な交通手段が馬や馬車であったヴィクトリア時代においては、ブラックスミスはとても重要な職業で、どこの村にも鍛冶屋さんがありました。 この品はそういったブラックスミスの方が遊び心で作った装飾品で、ホースシュー(馬の蹄鉄)を留める蹄鉄釘で出来ています。 本来の用途から離れて、蹄鉄釘を曲げていって、組み合わせてあります。 

ホースシューはイギリスではグッドラックの意味があって人々に好まれます。 そして、そのホースシュー(=Good Luck)を留める蹄鉄釘もまた縁起物ということになります。 数えてみると、ホースシュー ネイルが11本使われていますので、グッドラックがいくつも固定できるわけで、ありがたみも増すと言うわけなのです。 

ついでながら、先日、シャーロック・ホームズの『白銀号事件』を読んでいましたら、ホームズの「I think that I shall put this horseshoe into my pocket for luck.(このホースシューは幸運があるように、私が貰っておきましょう。)」という台詞に出会いました。 この探偵小説は1892年12月に発表されていますので、少なくともヴィクトリアンの頃には、「ホースシュー=幸運」の連想があったことが分かります。 シャーロック・ホームズ シリーズには、アンティークなヴィクトリアンの暮らし向きが読み取れる場面が豊富なので、注意して読むと面白いようです。 縁起のよさが好まれ、パブの看板に蹄鉄三つが描かれて、写真二番目のような「Three Horseshoes」なんていう名前のパブもありますので、「ホースシュー=幸運」の図式はイギリス人の暮らしに深く根ざしていることが分かります。



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