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No.20182 トリニティー モチーフ ヴィクトリアン 9カラット ローズゴールド クロス
縦の長さ(留め具含まず) 3.2cm、横の長さ 2.15cm、クロス下部の最大幅 0.8cm、厚み1.5mm、William Neal作、ヴィクトリアン後期の英国製、二万二千円
厚さが1.5ミリのホロー(中空)構造をした9カラット ローズゴールド クロスで、裏面には「William
Neal」のメーカーズマークと、9カラットゴールドを示す刻印があります。
菱形をした「William Neal」のメーカーズマークから、作られたのはこのマークがアセイ登録された1889年からそれほど年月が経過していないヴィクトリアン後期と推測できます。
写真二番目をご覧いただくと、クロスの上下に直径1ミリほどの小さな穴が見えています。 これはブリーザーホールと呼ばれるもので、ヴィクトリアンからエドワーディアン頃に作られたホロー(中空)構造のアクセサリーにおいて、しばしば見かけるものです。 現代の進んだ工作方法であれば小穴無しで済むのですが、百年ほど前のジュエリーメーキングにあっては、技術上の制約から必要とされたものでした。
ただ、興味深いことに、このブリーザーホールがあることで、かえって、写真のペンダントヘッドが作られた年代が推定できる、もう一つの手掛かりを与えてくれていると、考えられます。
ハンドエングレービングの彫刻は上方はアイビーモチーフで、下方は植物模様になっています。 19世紀後半からしばらく、ヴィクトリアンやエドワーディアンのイギリスでは、当時の自然主義的傾向にアイビーがよくマッチした為、バルコニーやガーデンファーニチャーに絡まるアイビーが大変好まれました。 アイビーは蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠実ないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 そしていつも緑であることから、Immortality(不滅)や
Eternal Life(永遠の魂)を表すクリスチャンモチーフともなっています。
トリニティー(Trinity)とは、「the Father,
the Son and the Holy Spirit(父なる神、子なるイエス・キリスト、そして聖霊)」の三者が一体であるとする三位一体説のことで、クロスに見える三つのこぶが三者をあらわしているというわけです。
オックスフォードやケンブリッジの大学に行きますと、キングスカレッジやクイーンズ
カレッジなどの名前に加えて、トリニティーカレッジもおなじみです。 トリニティーという概念は、昔から重要な役割を果たして来たことがうかがい知れます。
9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外に銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドとも呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドアクセサリーでもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあるしイギリスっぽいので、私は9カラットのローズゴールドが好きです。
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