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No. 20123 エドワーディアン ピストルハンドル ナイフ (スターリングシルバー柄 & シルバープレート刃)
長さ 16.4cm、重さ 22g、ブレードの最大幅 1.85cm、シルバーハンドルの最大幅 1.7cm、シルバーハンドルの最大厚み 1.0cm、1914年 シェフィールド アセイオフィス、一万二千円

ブレード部分はシルバープレートで、流麗なウェーブパターンの彫刻が綺麗です。 彫りが繊細でレベルの高い仕事と感じます。 デスク周りに置いて、ペーパーナイフにお薦めしたいと思います。

ピストルハンドルはスターリングシルバーです。 ハンドルが先端に向かって一方向に曲がっていくこのタイプは、ピストルハンドルと呼ばれ、もともとはイギリスにおいて18世紀初頭に現われたデザインになります。

写真一番目でハンドルに刻印されているブリティッシュ ホールマークは、メーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1914年のデートレターです。

写真二番目をご覧いただくと、ハンドル裏面にもスターリングシルバーを示すライオンパサントと1914年のデートレターが刻印されています。

百年近く前の品ですが、コンディションは良好で綺麗と思います。 ハンドルとブレード取り付けしっかりであることもよいでしょう。 作られたのは第一世界大戦が始まった頃の1914年ですから、アンティークシルバーの時代区分としては、エドワーディアンと言ってよろしいでしょう。

英国で「アンティーク」という言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品」を指すことになります。 そんな訳で、英語で言うと「It will become an antique in four years. (この品はあと四年でアンティークになります。)」という言い方をされることがあります。 アンティークコレクターにとっては、やはり百年という年月の経過は大きなメルクマールになりますので、上記のような会話がなされる機会も多いのです。 

写真のナイフが作られたのは1914年ですから、晴れて正式なアンティークに昇格した品ということになります。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、この品には、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

歴史を振り返ってみますと、この品が作られたのはエドワーディアンが終って、第一次世界大戦が始まる頃になります。 その頃の出来事として、1912年:タイタニック号氷山に衝突して沈没とか、あるいは日本では明治時代が終って大正時代になり、夏目漱石の『こころ』が世に出た頃のことであって、ずいぶん昔のことなのです。 アンティークを手にしていると、百年に近い時の経過があらためて身近に感じられるのは楽しいことです。

デイビット・スーシェ主演のポワロシリーズにある『The ABC Murders』を見ていましたら、ポワロとヘイスティングスが夕食中に、その日最終の郵便配達があって、レターの開封に食事用のナイフを使う場面がありました。 

このシリーズは、1930年代の英国が舞台に設定されており、ディテールにこだわって見ていくと、いろいろとアンティークを楽しむ上での発見があります。急ぎの手紙でもナイフがそばにあれば、ナイフを手にするのだなあとか。

また、そもそも、この郵便の配達はかなり夜遅くに来ていることも興味深く見ました。原作で確認してみましたら、「It was on Friday that ABC's third letter came. Evening post arrived about ten o'clock.」とありました。当時は一日のうちに何度も郵便配達があって、最終便は夜の十時に配達があったなんて、ちょっと驚きです。

エドワーディアン ピストルハンドル ナイフ (スターリングシルバー柄 & シルバープレート刃)(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

エドワーディアン ピストルハンドル ナイフ (スターリングシルバー柄 & シルバープレート刃)(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

エドワーディアン ピストルハンドル ナイフ (スターリングシルバー柄 & シルバープレート刃)(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

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