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No. 20117 ベルギー 牧羊犬 クラブ 銀賞 アール・ヌーボー ペンダントヘッド SOLD
本体部の縦 2.6cm、横 1.95cm、留め具を含む縦長 4.2cm、本体厚み 1mm強、重さ 7g、1910年前後のベルギー製、一万一千円 SOLD

ベルギー 牧羊犬 クラブで表彰に使われ、銀賞の証であったものでしょう。 

同じタイプで金賞になるゴールドギルトされた品があり、それには「1910」と彫られていることから、1910年の表彰に使われたと推定されます。 上部に見えるアール・ヌーボーの飾り部分と年代が符合することから、ともに今から百年ほど前に作られたアンティークと考えられます。 

ホールマーク等はありませんが、素材は銀と考えられます。コンテストの成績を顕彰する品であること、全体の作りに品があることから見て、やはり素材は銀であろうと考えます。 

さらに、何か確認する方法がないかと考えたところ、銀は全ての金属の中で最高の熱伝導率を持つことから、ちょっと実験してみました。銀素材と分かっている、同じような大きさの銀製ペンダントヘッドやヴィクトリアン銀貨と比べて、熱の伝わり方がどんな感じかの実験です。 沸騰させたお湯を器に入れて準備します。右手の親指と人差し指で写真のペンダントヘッドを端をつまみ、左手には同様にヴィクトリアン銀貨の端をつまみます。各々の金属を同時に熱湯につけてやると、熱が伝わって来て、指先がアチッとなるわけです。ほぼ同時にアチッと熱が伝わってきました。

現行の10ペンスコインでも比べてみました。10ペンスは鉄を主成分とした合金にニッケル鍍金されています。 銀と比べて鉄は熱伝導率が低いので、10ペンスコインでは、アチッと来るまでにけっこう時間がかかりました。

写真の牧羊犬ペンダント、ヴィクトリアン銀貨、10ペンスコイン、スターリングシルバー ペンダントヘッド、これらを二つずつ順番に比べてみたところ、牧羊犬ペンダントは、銀貨やスターリングシルバーとほぼ同時にアチッと熱が伝わってくることが確かめられました。やはり銀製で間違いないと考えます。

裏面には写真二番目に見えるように、「Club de Chien de Berger BELGE」とあります。 本来ですと裏面にオーナーの名前が彫られるところでしょうが、未使用品なことから、ブランクになっています。

羊や牛や豚など家畜の飼育を助けるのが牧羊犬の役割で、コリー系統の犬が家畜の誘導や見張りなど、人のために働いてくれます。 羊を柵内に追い込む早さやテクニックを競うコンテストがあったものと思います。 

犬や景色のレリーフは細工のよさが感じられて、品のいいアンティークです。 牧草地にコリーが立っており、背景には木々や山並み、そして陽が昇るところのようです。 のどかな牧場の風景で、数頭の家畜が草を食んでいるのも見えています。

写真二番目で裏面をご覧いただくと、アイビーの葉っぱが見えます。 アイビーはヴィクトリアンからエドワーディアンの頃に好まれたデザインで、蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠実ないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 また、いつも緑であることから、Immortality(不滅)や Eternal Life(永遠の魂)を表すこともあります。

このアンティークの場合は、忠犬ハチ公って感じで、Fidelity(忠実)を表象する役割を担ったアイビーと云えそうです。

ベルギー 牧羊犬 クラブ 銀賞 アール・ヌーボー ペンダントヘッド




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