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No. 20108 ファージング コイン ヴィクトリアン スウィーバル くるくる フォブ ペンダントヘッド SOLD
支柱を含む最大横幅 2.75cm、縦の長さ(留め具含む) 3.65cm、ファージング直径 2.2cm、厚み 5mm、ファージング鋳造年1901年、重さ
12g、二万三千円 SOLD
指で弾くとファージングの本体部分がクルクル回るので、何はなくとも、まわしてみたりと、こういう仕掛けものアクセサリーは楽しめます。
フレームはピンチバック素材で、銅貨のファージングコインはゴールドギルトされています。
ヴィクトリアンのクルクル フォブで、いい感じに時を経たアンティークと思います。古い品ながら、クルクルと気持ちよく回転するのは好印象です。ファージングの表面はもともとはゴールドギルトされていたものが、所々の色落ちとなって、なんとも言えないアンティークな味わいが伝わってきます。
ピンチバックと呼ばれるアンティークな素材は、銅と亜鉛の合金で、ゴールドの色あいをもたらすジュエリー素材として、ヴィクトリアンの英国で好まれてしばしば使われました。 元々は1720年ごろにロンドンの時計メーカーであったクリストファー・ピンチバックという人が発明したことから、ピンチバックの名で呼ばれるようになったのでした。
写真三番目に見えるように、円盤部分はかなりの厚みになっており、短円筒の上下に二枚のファージングをはめ込んだ作りになっています。
イギリスにおけるファージングは半世紀以上前にその役割を終えて、今では使われていない通貨です。 「Farthing」という言葉の響きにノスタルジーを感じますし、昔の通貨制度を考えてみるよい材料ともなって興味を惹かれます。
「Farthing」は四分の一ペンスに相当し、13世紀に初めて作られ、それから700年以上にわたって英国で使われてきた歴史がありますが、1960年を最後に役割を終えて、今ではもうありません。
ファージングが使われていた時代は、イギリスで通貨制度改革が行われた1971年より前の時代になります。 当時は1ポンドが240ペンス、ファージングは四分の一ペンスですから、1ポンド=960ファージングでありました。 日本で言ったら、江戸時代の1両=4000文にも匹敵しそうな小さなオーダーであったわけです。 1960年に役割を終えていますから、今日では存在しないのが当たり前ですが、素材となっている銅の価格が今では高騰している為に、ファージングの製造原価という側面から見ても、今ではとてもじゃないけど存在し得ないコインとなっていることも興味深く思います。
もう少し詳しく計算してみましょう。 ファージングは2.8グラム、その95.5%が銅というコインでした。 ニューヨーク・マーカンタイル取引所における足許の銅価格は453gあたり3.25ドルでした。 英貨で1ポンドにあたる960枚のファージングを作る為には重さにして2.567kg、銅価格にして18.4 ドル。 ポンドドル相場 1.40$/£でポンドになおすと、13.1ポンドになります。
1ポンド分のファージングを鋳造するのに、素材の銅価格だけで13.1倍のコストがかかるとしたら、そんなコインはとてもじゃないけど存在し得ないでしょう。 銅価格の変遷という事情が背景にあって、写真のファージング コイン ペンダントヘッドには、今となってはアンティークでしか手に入らない希少性が備わっているとも思うのです。
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