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No. 20030 『お気に召すまま』 アーツ・アンド・クラフツ 布張り装丁 チズウィック・ プレス ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ SOLD
縦 15.4cm、横 10.4cm、厚さ 1.1cm、119ページ、重さ 147g、1899年 George Bell & Sons ロンドン、Chiswick Press 印刷、SOLD

イギリスの劇作家シェイクスピアの喜劇 『お気に召すまま』 のヴィクトリアン アンティーク本になります。 ハッピーエンドないいお話です。

百年以上前の本ですが、コンディション良好で、手元において眺めていても満足です。あまり手にされることなく、今日に至っているものと思われ、そのあたり、アンティークとしてもありがたい特徴になっていると思います。

日本の文庫本サイズですが、ハードカバーの布張り装丁本で、たいへん格調高いアンティーク本と感じます。 扉を開いてみると、写真二番目の下方に見えるように、『London George Bell & Sons 1899』とあります。 このシェイクスピア シリーズは、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃にかけて、順に出版されましたが、この本はヴィクトリア時代の終り頃にあたる1899年に出たものと分かります。 

このシリーズ書籍は夏目漱石と大いに関係ありと、私は考えております。 ロンドン留学中に英文学書籍を買い集めていた漱石が、書店で見て手にして、おそらくは求めて日本に持ち帰った一冊だろうと推理しています。 詳しくは以下をご覧ください。

【このアンティーク本を夏目漱石がヴィクトリアン ロンドンで手にしたに違いないと推理するわけ。】
モスグリーンの布張り装丁には、アーツ・アンド・クラフツのチューリップ & フォーリッジ インターレーシング パターンが綺麗です。 印刷元のチズウィック・プレスは、ウィリアム・モリスの初期デザインを世に知らしめたことで名を成して、イギリスにおける印刷の歴史に大きな足跡を残しました。 

また、挿絵を描いている Byam Shaw はヴィクトリアン後期からエドワーディアンの頃に活躍したラファエル前派からつらなる画家で、シェイクスピアの挿絵画家としても人気がありました。 1910年には Byam Shaw School of Arts を創立しています。 現在ではこのアート・スクールは芸術分野において世界でも有数なCentral Saint Martins の一部になっています。

本文および用語解説の本体部は119ページありますが、それ以外に巻頭部には挿絵とイントロダクションが十ページほどあって、その後に登場人物説明、そして本文にあたる第一幕が始まっていきます。 

写真三番目は第一幕の始まり部分で、合計五幕構成の各幕始めにはそれぞれに違っていて楽しめるちょっとした挿絵があります。 その他に写真四番目&五番目のような大きな挿絵が合計六ページあるのも嬉しいところです。 

最終幕の後に写真六番目のような挿絵と『The End』が見えます。 さらにその後に続いているのが、「Glossary and Notes」の巻末用語解説で、五ページあって昔の用語について参考になります。 

英国BBC製作テレビシリーズの一つである『お気に召すまま』 を手助けにして、ヴィクトリアン アンティーク本を読んでみるのも面白いと思います。 ユーチューブにアップされているので、利用可能でありましょう。 百年以上の古さを持ったアンティークなテキストは、ちょっと立派過ぎるかも知れませんが、英語シェイクスピアの鑑賞&学習、まずは形から入るやり方もありでしょう。 

それでは、『お気に召すまま』から名台詞を二つほど。

JAQUES : All the world's a stage, And all the men and women merely players; この世は舞台、男も女もみんな役者さ。

もう一つ、
ROSALIND. I pray you, what is't o'clock? ロザリンド: お願い、教えて、今何時なの?
ORLANDO. You should ask me what time o' day; there's no clock in the forest. オーランド:一日のどのあたりかって聞くべきだね。 森には時計はないのさ。

「森に時計はない。」 これなどは、忙しい現代の人たちでも、何かの折に使えそうな台詞です。 シェイクスピアを踏まえていると分かれば、なおグッド。 ちょっとキザですが。

それから、私が使っているシェイクスピア読解法を一つご紹介しておきましょう。 やっぱり一番簡単なのは、まず映像で見ることではないかと思います。 例えば最近 『The Tempest』、The Shakespeare Collectuin、BBC版を見ました。 1970年代後半にイギリスのBBCがシェイクスピアの作品をテレビ化した一連の作品集のDVDが出ています。 せりふはシェイクスピアの台本通りですし、映像作品であることから、少しの時間で一通りの理解は進みます。 映像で見終わってから、あらためて書物を紐解くと、初めは難しく思えたシェイクスピアの原典も意外に早いこと読めるものです。

【シェイクスピア英語原典の読み方(イギリスの学習参考書から眺めた英国における古典教育)】の解説記事をご参考ください。 シェイクスピアは劇なので、本から入るより映像からとっかっかるのが一番というのが私の考えです。 

『お気に召すまま』 アーツ・アンド・クラフツ装丁 チズウィック・ プレス ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ

『お気に召すまま』 アーツ・アンド・クラフツ装丁 チズウィック・ プレス ヴィクトリアン シェイクスピア シリーズ









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