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No. 20003 英国製 ブラス オイルランプ
取っ手の先端までの高さ 29.5cm、本体の高さ 26cm、底面直径 12cm、重さ 1.6kg、ガラスの最大厚み 15 mm、英国製、四万八千円
英国製のブラス オイルランプです。 ガラス部分はドーナツを五つ重ねたようなフォルムで、真ん中辺りが最もふくらんだ構造です。 このあたりのガラスの厚みは1.5センチほどあると思いますが、この凸面状ガラスの厚みが、レンズの役割を果たしていて、実際に灯火をいれてみると、写真四番目のような効果を発揮します。
前面にあるつまみを回して、蓋を開けると、オイルタンクが取り出せます。 安定感は抜群で、どっしり、しっかり、質実剛健なランプと感じます。 英国製を示す「ENGLAND」の表示も見えています。
古い品ではありますが、今日でも実用可能な使えるアンティークです。 実際のところイギリスでは停電が起こることも稀ではないので、趣味で求めたアンティークランプを非常時の備えとされている方もあるのです。
私はアンティーク オイルランプのやわらかな灯火が好きなので、特に秋冬の夜長にはヴェスタマッチをシュッと擦っては、ランプに灯を入れるのが楽しみになっています。
燃料は灯油を使いますが、アウトドア用品店でランプ専用のオイルを買っても良いでしょう。 専用オイルの方が匂いやすすが少ないようです。
オイルランプは灯心を絞った方が、ほのかな灯火を眺めて落ち着いた気分に浸りやすいように思います。
電灯もほとんどなかった時代、現代の暮らしからすると、想像するのも難しいのですが、夏目漱石の『琴のそら音』を読むと、そんな時代のアンティークな灯かり事情が見えてきて面白いです。
時代背景は日露戦争の頃と思いますが、アンティークな灯りについての記述が多くて、エドワーディアンの英国と重なる感じで、興味深く読みました。 物語ではいきなり最初の一行目から洋燈(ランプ)という言葉が出てきます。
「「珍らしいね、久しく来なかったじゃないか」と津田君が出過ぎた洋燈(ランプ)の穂を細めながら尋ねた。」
その他にも、いくつか灯りについての記述を抜き出してみました。
「あるいは屋敷の門口に立ててある瓦斯燈ではないかと思ってみていると、」
「三分心の薄暗いランプを片手に奥から駆け出して来た婆さんが頓狂な声を張り上げて」
「天井に丸くランプの影が幽かに写る。見るとその丸い影が動いているようだ。」
「由公はランプのホヤを拭きながら真面目に質問する。」
「幽霊だの亡者だのって、そりゃ御前、昔しの事だあな。電気燈のつく今日そんなべら棒な話しがある訳がねえからな」
今日では電気や電灯が当たり前で、アンティークな昔を想像するのは難しいところがありますが、『琴のそら音』を読みますと、灯りについてノスタルジックな気分も味わえます。
ランプが身近な暮らしというのは、それほど昔のことではないのだなあと、あらためて思いました。 読後感も爽やかな短編小説です、よろしかったら、以下をご覧ください。
夏目漱石 『琴のそら音』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/1073_14944.html
こうしたアンティーク オイルランプを使いながら、その昔の時代に思いを馳せるのはアンティーク好きの楽しみであろうと思うのです。
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