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No.19308 ピアストワーク ブライトカット &シェルモチーフ シルバープレート サービングスプーン SOLD
長さ 15.4cm、重さ 24g、ボール部分の最大横幅 4.45cm、深さ 1.0cm、透かし柄の最大幅 2.2cm、SOLD

ジャムスプーンとしては、やや大きめなので、このアンティークの一番の特徴である豪華な雰囲気を最大限に活用して、パーティーの際にオードブルサーバーとしてお使いいただくのがよさそうです。

透かし柄の最大幅は2.2センチと、かなり幅広、ゴージャスなピアストワークが目立って、印象深いアンティークに仕上がっています。 シルバープレートの品ながら、これほど素晴らしい透かし細工のサーバーに出会える機会はそれほどなく、現代ではもはや作りえないという点で希少性を感じます。 

ピアストワークは手仕事で糸鋸を引いたギザギザ跡が残っています。 ルーペを使って詳細に調べてみると、糸鋸を引いた跡も繊細で、細工のよい品であることが分かります。 手仕事で糸鋸を引いていくのですから、職人さんの優れた技術と多くの時間がかかります。 現代のシルバースミスの方からお聞きしたことがありますが、作業にかなりの時間を要するこうした透かし細工は、現代の労働コストが上昇した英国では、大変なお金がかかり、もはや出来ないとのことでした。 そして、そもそもこれだけの技術を持った職人さんが現代ではいなくなっているのです。 

アンティークの楽しみの一つは、現代の品では到底望めないような素晴らしい手仕事の品に、時に出会えることだと思います。 エングレービングの繊細さや、ピアストワークの腕前は、同等のシルバーウェアと比べても、まったく見劣りしないレベル、あるいはそれ以上のレベルとなっており、素材はシルバープレートと言えども侮りがたい、アンティークでしか手に入らない美しさを備えていると言ってよいでしょう。 丁寧なハンドワークや細工の良さそのものが、自ずから年月の経過を語っているアンティークといえましょう。

ボール部分に見えるシェルのデザインは、柄先のピアストワークと合わせて、写真の品を優美なアンティークにしています。 柄の中ほどからボール部分にかけての両サイドには、ブライトカットが施され、光の反射が綺麗です。 

ピアストワークの表面や柄の表面で、背景に色合いが濃いめに見えるシェード部分は、1ミリ間隔に何本もの細かさで彫刻線を走らせた、ハンド エングレービングとしては限界的な仕事になっています。 また、そうした背景部分の繊細さはもちろんですが、基本デザインの深めな彫りも丁寧な手仕事で、じっくり観察していくと、彫りの跡から彫刻刀を振るった向きまでもが窺い知れ、銀金職人さんの息遣いが伝わってくるところにも惹かれる品と思います。

ブライトカットは18世紀の終わり頃から、英国においてその最初の流行が始まりました。 ファセット(彫刻切面)に異なった角度をつけていくことによって、反射光が様々な方向に向かい、キラキラと光って見えることからブライトカットの呼び名があります。 この装飾的なブライトカット技術が初めて登場したのは1770年代でしたが、それは良質の鋼(はがね)が生産可能となってエングレービングツールの性能が向上したことによります。

シェルパターンは、もともとは12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

ピアストワーク ブライトカット &シェルモチーフ シルバープレート サービングスプーン



ピアストワーク ブライトカット &シェルモチーフ シルバープレート サービングスプーン

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