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No. 18788 ペニンシュラ & オリエンタル スチーム ナビゲーション カンパニー MADE IN ENGLAND 英和辞典
縦の長さ 8.1cm、横の長さ 5.7cm、厚さ 1.5cm、重さ 58g、総ページ数 512ページ、一万一千円

P&O旗が入った革張り装丁の英和辞典です。 写真三番目で見えるように、裏面には『MADE IN ENGLAND』と『REAL LEATHER』の金文字が入っています。  客船ものアンティークとして、トレイと一緒に手に入れました。

なお、「P&O」とは、1822年創業のイギリスの船会社 Peninsular and Oriental Steam Navigation Company を意味しています。

写真四番目に見えるように、簡潔な説明と共に英単語が並んでおります。 英英辞典としても内容のよい品と思います。 1ページあたり33語ほどで500ページほどありますから、総単語数は16500語くらい。 例えばあるページから10語ほど英単語をピックアップしてみると、asteroid(小惑星) astonish(びっくりさせる) astrology(占星術) astronomy(天文学) asylum(避難所) asymmetrical(非対称の) athlete(競技者) Atlantic(大西洋) atmosphere(大気) atrophy(萎縮) 等々となります。  

そして、例えば astrology(占星術) の説明は、「predicting events by aspects of stars(星の様子から出来事を予言すること。)」とあって、簡にして要を得ております。

Monday, water, houseのような基本単語の掲載は省かれており、それでいて総単語数が16500ほどありますから、日本の大学入試レベルは軽く超えていると思います。 そうは言っても16500語というのは、辞典としてはそれほど語数が多い方ではありません。 コンパクトな品でもありますし、単語集のように持っていて、英単語レベルの増強用に使うと、ちょうど良さそうに思います。

英英辞典というのは、やはり持っていてかっこいい所がいいですね。 なんだか英語が出来るような気分になってきます。 気分? 笑う方もありましょうが、まず形から入る、これ結構大事なことです。

これまでに私はいくつも英英辞典を買いましたが、たいていは使いきれません。 語数の多い大著ですと、ひくのも億劫で、まず積読で終りです。 昼寝の枕にちょうど良さそうなオックスフォード大英英辞典も、一応は持っておりますが、一年に一回使うかどうか。。。

写真の辞典は、英語を英語で勉強する、つまりは英語学習の次の一歩に最適なレベルの辞典と思います。

「P&O」に戻りますが、旅客機が登場する前の時代においては、例えばイギリスからアメリカに向かう大西洋航路を行き交った豪華客船オーシャンライナーは、映画 『タイタニック』を見るまでもなく、国と国を結ぶ交通の花形でありました。

考えてみると、日本航空や全日空のなかった時代のことですから、文部省の官費留学生として英語研究の為にイギリス留学した夏目漱石などは、香港、シンガポール、インド洋、スエズ運河、地中海を経由して、フランス上陸後は鉄道を使って、一ヶ月半ほどかけてイギリスまで旅しております。 

百年前の船会社と言うのは、やっぱり格好いい、憧れの職場だったことでしょう。 当時の船会社は、海外旅行をする人々を運ぶ旅客輸送と、船荷の輸送を合わせて行う会社であって、例えて言えば、日本航空と日本郵船と日本通運が一緒になったような役割を果たしていました。

旅客輸送を航空機に取って代わられる以前の、船会社のステイタスを想像してみることが、写真のアンティークを見る上で役に立ちます。 ノスタルジーを感じさせてくれる客船関連のアンティークとでも言いましょうか、私はこういう品が好きなので気になります。 旅が好きなもので、ノスタルジックな船旅には特に興味を惹かれます。 イギリスのサザンプトンからフランスのノルマンディーまで船でたびたび渡りました。 ドーバー海峡をフェリーで船旅というのも、時間はかかるけど味わいがあって楽しいものです。 そういえば、日本では横浜港からロシアのナホトカまで船旅したこともありました。 

英米を結ぶ大西洋航路のオーシャンライナーの勢いがあったのは1930年代までで、その後は航空機に押されて下り坂になっていき、1960年代にはついに消えてしまいました。 それどころか、イギリスのサザンプトンからフランスのノルマンディーまでの、以前に幾度か使った短距離航路も今ではなくなってしまいました。 

ついでながら、旅客機について一つ思うこと。 1980年代には例えばルフトハンザの食事用スプーンやナイフやフォークは、エコノミークラスに到るまですべてスティール製が供されていたことを覚えています。 今ではコスト削減で、使い捨てのプラスチック製が普通でしょう。 それどころか、かつてオーシャンライナーを駆逐した航空会社そのものが、一国に一つの航空会社が必要なのかどうかまで問われる時代になってきました。 ナショナル・キャリヤーなんて言葉があったのは今は昔という感じで、欧州各国の航空会社は合併が進んでいます。

客船や旅客機で使われた品の一つから、ノスタルジックな昔を思い、世の中の動向についても、いろいろと考えてみることが出来るのは楽しいことと思います。

旅の手段と言えば、船、飛行機、鉄道、自動車でしょうか。 旅関連のアンティークで、客船もの、航空機もの、鉄道もの、自動車ものコーナーを作ってみたい気がしています。

ペニンシュラ & オリエンタル スチーム ナビゲーション カンパニー MADE IN ENGLAND 英和辞典






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