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No.18787 革張り装丁 ヴィクトリアン チャーチ オブ イングランド(英国国教会) コモンプレーヤー
縦 14.8cm、横 9.6cm、厚さ 3.2cm、重さ 326g、ケンブリッジ大学出版局、1860年代の英国製、一万二千円

英国国教会のコモン プレイヤーで、ケンブリッジ大学出版局から出ています。 今から150年ほど前に作られた古い本になりますが、書籍としてのコンディションはまずよろしくて、また革張り装丁というのはやはり経過した年月の重みを感じさせてくれ、なかなかに味わい深いアンティークと思います。

写真四番目に見えるように、『COMMON PRAYER』の表題があって、その下には『According to theuse of Church of England』とあります。 これは、コモンプレイヤー(Common Prayer)が、英国国教会のお祈りに使われる本だと示しています。

さらに下の方には、『CAMBRIDGE』の文字が見えていて、ケンブリッジ大学出版局を示す『University Press』の表示があります。 この本が作られた1860年代といえば、日本では江戸時代の終り頃であって、まだ東京大学も存在しない頃でありますが、ケンブリッジ大学の歴史は800年にもなり、1860年代に大学出版局があったのは、当たり前のことでありました。 

写真五番目の左上にはMorning Prayerとあり、右のページはEvening Prayerとあります。 それぞれ、午前の祈りや夕べの祈りが、掲載されていると分かります。

興味深く眺めたのは、写真六番目にある26年分のキリスト教 行事カレンダーです。 まず、1870年から1895年まで掲載されていますので、この書物が作られたのは1870年の少し前あたりと推定できます。 

英吉利物屋で扱う古い銀製品ではデートレターを判読することで製作年が分かるものですが、写真のコモン プレイヤーの場合には、デートレターはなくとも、他の手掛かりを探っていくと1860年代の英国製と分かることは、このアンティークを興味深いものにしているように思います。

詳しく見ていくと、例えば左から八列目の「EASTER DAY」、イースター(=復活祭)とは、キリストの復活を祝う祭日で、キリスト教にかかわる人々にとっては、クリスマスに次ぐ重要な行事になります。 よくカレンダーの日付を見ていくと、イースターデーは年によってかなりのばらつきがあります。 例えば1894年のイースターは3月25日なのに、1986年のイースターは4月25日といった具合です。 キリスト教の復活祭とは年によって一ヶ月以上もズレが起こる行事なのです。

イギリスにおけるイースターは、クリスマス休暇以来の大型連休であって、普段は離れて暮らしているファミリーが実家に集まって一緒に過ごすことが多いようです。 そういう重要なお休みが、年によって一ヶ月ものブレが起こるというのは、どうも不思議な感じがいたします。 どうしてこんなことが起こるのかというと、イースターの定義が、「春分後の最初の満月の次の日曜日」と言うように、月の満ち欠けを絡めたややこしいものになっているからです。 カレンダーの一ヶ月と月の満ち欠けにズレがあるので、最大で一回りにあたるほぼ一ヶ月のブレが生じてしまうわけなのです。

革張り装丁 ヴィクトリアン チャーチ オブ イングランド(英国国教会) コモンプレーヤー












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