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No. 16270 F. BARKER & SON、LONDON コンパス ペンダントヘッド
直径 1.85cm、留め具を含む縦長 3.15cm、厚さ 7mm、重さ 8g、コンパス本体のガラス直径 1.5cm、F. BARKER & SON、ロンドン製、一万五千円

文字盤には「F. BARKER & SON」のメーカー名と「LONDON」の表示があります。 写真一番目のように文字盤の右半分は白地、左半分は黒地のデザインです。 白地と黒地の境界部に沿って、「F. BARKER & SON」のメーカーズネームが見えます。 また白地部分の中ほどには「LONDON」と、メーカー所在地の表記が見えています。

百年ほど前のコンパスと考えられますが、ロンドンに所在していたメーカーの作であると、明示的にはっきりと表示されていることは、このアンティーク コンパスのポイントとなっています。 古いコンパスでありますが、磁力はよく保持されており、磁針の動きもスムーズで機能性の高いコンパスです。 

蓋があったと思われますが、今はありません。 カバーガラスは少し黄色みを帯びた色ガラスです。 写真二番目に見えるように、コンパス側面部分は所々に艶消し黒塗装が残っています。 元々はブラス地に艶消し黒の塗装が施してあったと考えられます。 長年の使用によってブラス地が出てきているようで、そのためにかえってアンティークの渋みが増しているように思います。

ブラスなどの金属に黒い塗装という仕上げは、百年ほど前のアンティークで時に見られる手法で、例えば以下の三つの品は黒塗装という点で同じ系統のアンティークです。 ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃のイギリス人にとって好みな仕上げだったようです。

No. 16270 F. BARKER & SON、LONDON コンパス ペンダントヘッド
No. 16284 ヴィクトリアン アイアンワーク アイロン台

ブラスはお手入れ次第で、輝きがよくなりますし、ずっと身に着けていると色艶がよくなってまいります。 このあたりがブラスの味わいと言いましょうか、このアンティーク コンパスの魅力となっているようにも思います。

直径が1.85cmというと、可愛らしい小さなコンパスペンダントヘッドになりますが、ケース部分はしっかり厚みのあるブラス構造で、手にしたときの質感も素晴らしいと感じます。

イギリス人は今も昔も野歩き好きで、遠いヴィクトリアの時代からコンパスが利用されてきました。そして今ではアンティークコンパスはコレクターアイテムでもあります。 アンティークなコンパスですが、正しい方位を示してくれます。これさえあれば、野歩きで森に入っても道に迷う心配はありません。

方位磁針というとアウトドアのイメージですが、都会の街でも便利です。例えば、ロンドンの地下鉄では乗り換え時にいくつもの通路や階段を行ったり来たりするうちに、自分がどの方角にいるのか分からなくなったりします。そんな時、電車が入ってくる方角や、電車の前後のどちらに乗ったらよいか等、ちょっと知りたい時にも便利です。(ロンドンの地下鉄は日本と違って、駅のホームに隣駅の駅名表示がないので、電車がホームの左右どちらから入ってくるか、すぐには分からないことが多いのです。) 首にさげていると中の針がゆらゆら揺れるのも楽しいものです。電車に乗っている時はモーターからの電磁波の影響で針がくるくると回り、子供が不思議がります。

お客様から教えていただいた、いいお話がありましたので、以下でご紹介させていただきます。
『米映画「依頼人(THE CLIENT)」の放送を見たためです。少年がポケットにあった1ドルで女弁護士を雇う話です。それが映画の中で、女性弁護士が「あなたが幸せの道を間違えないように」(こんな感じのセリフでした)と、少年に祖母からもらったというコンパスネックレスをかけてあげるシーンがあったのです。このコンパスネックレス自体は、シルバーの三角形(△)の真ん中に小さいコンパスが付いているだけという地味なデザインだったのですが、昔からそういう意味でコンパスネックレスがあるのかと思ったら、ちょっと気になってしまいました。』

F. BARKER & SON、LONDON コンパス ペンダントヘッド

F. BARKER & SON、LONDON コンパス ペンダントヘッド


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