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No. 15138 トリニティー モチーフ 9カラット ゴールド クロス
クロス本体の縦(留め具含まず) 2.5cm、留め具を含む長さ 2.8cm、クロスの横 1.6cm、厚み 1.5mm、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、九千八百円

ホロー構造の小振りな9カラット ゴールド クロスで、彫りの様子は上出来と感じます。 中央部のハートの彫りもよいでしょう。 裏面にはややへこみを感じますが、気になるほどではありませんし、表のコンディションがまず良好な品なので問題なしでしょう。 裏面には全体の素材が9カラット ゴールドであることを示す「9CT」の刻印があります。

このクロスは全体が9カラット ゴールドで出来ております。 色合いは9カラット ゴールドとしては、それほど赤みがなくて、イエローゴールドに近い色合いです。 デートレターはありませんが、ホロー(中空)構造の9カラット ゴールド素材であることや彫刻の様子からみて、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃にイギリスで作られたクロスと思います。

ルーペで彫りの様子を観察してみると、彫刻刀を振るった跡が細部まで分かって、職人さんの息遣いが感じられます。 手仕事の温かみが伝わってくるのは、こうしたアンティーク クロスの良いところです。

クロスの四方に見える三つの尖がりがトリニティーを表象しています。 トリニティーとは、「the Father, the Son and the Holy Spirit(父なる神、子なるイエス・キリスト、そして聖霊)」の三者が一体であるとする三位一体説のことで、クロスに見える三つの尖がりが三者をあらわしています。 

オックスフォードやケンブリッジなど歴史の古い大学に行きますと、キングスカレッジやクイーンズカレッジなどの名前に加えて、トリニティーカレッジもおなじみです。 トリニティーという概念は、昔から重要な役割を果たして来たことがうかがい知れます。

ゴールドの価格は騰勢を強めており2010/11/7週にはオンス当り1400ドルの最高値を記録しました。 ゴールドの歴史の一部ということで、第二次大戦後のゴールド価格推移をざっくり眺めてみましょう。 大戦後には世界の超大国として残ったアメリカのみが金兌換を保証しており、ゴールド1オンスは35ドルでありました。 60年代のアメリカはベトナム戦争で疲弊し、次第に公定レート35ドルを守っていくのが難しくなっていきます。 ついに決壊したのが1971年8月のニクソン ショック、米国大統領がアメリカの金兌換停止を発表し、ドルは変動相場制に移行、ゴールドの価格漂流も始まりました。

70年代は世界的にインフレが進み、コモディティー価格が高騰し、ゴールドも狂乱状態になっていきます。 1980年初めには1オンス850ドルの最高値をつけております。 ところがこの850ドルはバブルでした。 高値を維持出来ず、比較的短期に急騰し急落しました。 その後は各国中央銀行がゴールドの売り手にまわって価格の低迷が続きます。 21世紀初頭には1オンス270ドル前後でした。 それから10年で過去の高値850ドルも突き破って1400ドルに達したものです。 世界経済の行方を見ていく上でゴールド価格は水晶玉のような役割もありますので、注意していきたいと思います。

『私はキリスト教の信仰者ではありませんが、何故かクロスにとても惹かれます。』というお便りをいただきました。 

英吉利物屋ではアンティークのクロスを扱っておりますので、関心のある方から、そういうお話があるのは珍しいことではないかも知れません。 けれども、クロスに惹かれるという話はこれが初めてというわけでなく、多くの方からお聞きしてきましたし、私もそう感じることがあるので、なぜだろうかと考えたくなるのです。

英国アンティーク情報欄にあります「40. 何故かクロスにとても惹かれます。 その理由を英吉利物屋風に考えてみました。」をご覧いただければ幸いです。

トリニティー モチーフ 9カラット ゴールド クロス


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