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34. アンティークなパブの楽しみ

イギリスで暮らしていると、友人達からパブへ誘われたり、食事会があったりしてパブを利用することが多いのですが、百年あるいは二百年、さらにはもっと昔から続いているパブが周りにたくさんあって驚かされます。 先日、横浜のホテルが惜しまれつつも五十年の歴史を閉じるというニュースがありましたが、ことほど左様に長く続けていくことは、とても難しいことだと思うのです。

それなのに近所には百年以上前のヴィクトリア時代から続くパブがすぐにも十軒は数えられますし、おそらくよその街に行っても同様でしょう。 イギリスに由緒あるパブが多くある理由には、英国人の暮らしにパブがどうしても欠かせないということや、オーナーが代わってもパブの名前は前と同じに引き継がれるという事情もあるのかも知れません。 

アンティークなパブの楽しみ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

私はイギリスの小さな村めぐりが好きで、あちこちをまわっておりますが、どんなに小さな村にもパブはあり、そして人々が集まるパブという場所はある意味その村の中心でもあることから、「村めぐり」=「パブめぐり」の図式も当てはまってきます。 そんなわけで村めぐりをしていくうちに、いろいろなパブにも行きましたし、おかげでますますパブへの関心が深まってきました。

アンティークなパブの楽しみ方はもちろん人それぞれでよいわけですが、私が興味深く思うのは次のようなことです。

(1)古めかしい外観や内装を見て楽しんだり、アンティークなその場の雰囲気に浸ること。
(2)パブの歴史やパブサインと呼ばれる看板のいわれ。
(3)パブに集まる人たちの様子、そして地元の話を聞くこと。
(さらに食事が美味しければ言うこと無しですが、なかなか美味しいパブに出会えないのはイギリスの難しいところです。)

パブと一口に言っても、実際にはその元々の起源によって Inn(旅籠)と呼ばれたり、Alehouse(村の居酒屋)やTavern(街の居酒屋)と呼ばれたりします。 古いパブの歴史を調べてみると、チョーサーの『カンタベリー物語』にあるような、聖地巡礼に向かう人たちを世話した中世の旅籠が起源であったりします。 また17世紀以降には幹線道路の充実と乗合馬車(Coach)の普及に伴って、当時 Coaching Innと呼ばれた宿屋が起源となったパブも多く今に残っています。 村で見かけるビレッジパブは、地ビール醸造所から派生してきたAlehouseであることが多いでしょう。 そして少し大きな街ならば Tavernと呼ばれるパブにも出会いますが、これは遠くローマ時代にワインと食事が出された酒場を示す言葉を起源にしています。

アンティークなパブの楽しみ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

パブに出かけてまず最初に興味を惹かれるのはパブサインと呼ばれる店の看板になりましょうが、このパブサインには実はとても長い歴史があります。 中世の時代にあたる1393年に英国王リチャード二世が、「Aleを醸造し販売するすべての店は、それと分かるように看板を出さなければならない。」というお触れを出したのが始まりです。 当時のイギリスは飲むに適する水を手に入れることがむしろ難しく、アルコール飲料であるエールを普段から水の代わりに飲む習慣がありました。 それだけにエールの品質には注意が払われ、検査官がエールの醸造所をチェックしやすいように、看板を出しなさいということだったのです。

昔のイギリスでは大人だけでなく、子供もエールを飲んでいたわけです。 余談ですが、遠い中世の時代より子供の時からエールで鍛えられた遺伝子が今に受け継がれている為に、イギリス人はアルコールに強いのだと教えてくれた友人がありました。

このパブサインは実に様々で楽しめます。 17世紀の女盗賊「Wicked Lady」、ヴィクトリアンの鉄製フレームに雄牛の絵が入った「The Bull」、あるいはまた 「The Robinhood」ならお馴染みでしょう。 風変わりな名前もあって、例えば「The Bishops Finger(僧正の指)」はロンドンのシティー近くにある Tavernです。 「Cat & Fiddle」はナーサリーライムの関連で楽しそうな名前なので、一度は足を運んでみたいと思うのですが、このパブは11世紀から続く、英国でも最も古いパブの一つなのです。 それでは「Smugglers(密輸団)」はどうでしょう、ちょっと怖そうですが興味を惹かれます。 しかし「Bucket of Blood(手桶一杯の血)」となると普通の人ならかなり引くのではないでしょうか。

アンティークなパブの楽しみ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

これまでに英国のアンティークな村をいくつかご紹介してきましたが、その中にはパブの写真もありましたので、あらためて振り返って補足説明をしてみましょう。 

「24. アンティークな英国パブ」にあるフローズインは、中世の聖地巡礼にまつわる旅籠を起源とするパブになります。

「6.フィンチングフィールド村 」の Fox は、典型的なビレッジ パブの一つです。

「33. Avebury村」の Waggon & Horses(馬と四輪車)は、その名前からも想像がつきますが Coaching Innに分類できます。
ちなみにこの宿屋については、ヴィクトリア時代を代表する作家チャールズ・ディケンズが短編小説『The Bogman's Story(旅商人の話)』の舞台として描いています。
『旅商人の話』は『ディケンズ短篇集 岩波文庫』に収録されています。

それから、イギリスで一番多いパブの名前は「Red Lion」で、国中に六百軒のレッドライオンがあると言われます。 英国中のパブのうちほぼ百軒に一軒はレッドライオンという計算です。 これまでにご紹介した中にも以下のレッドライオンがありました。

「26.クロベリー村」の Red Lion

「32. ウェルシュ ボーダーの Weobley村」のRed Lion Inn

「33. Avebury村」の Red Lion


以上でアンティークな英国パブの分類について、ある程度のイメージを持っていただけたのではないかと思うのですが、如何でしょうか。


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