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No. 5684 Mr. Punch in The Family Circle、With
234 Illustrations & Frontispiece in Colours (The
New Punch Library シリーズ第3巻)
縦 20.4cm、横 16.2cm、厚さ 2.4cm、重さ 666g、ページ数
240ページ、布張り装丁本、1935年 London、The
Educational Book Company Ltd刊、Made and
Printed in Great Brieain by R & R Clark
Ltd Edinburgh、一万二千円
昔の暮らしのあり方として、メイドさんとの遣り取りなど多く出てくるのはこの巻の特徴です。 読み物もありますが、全ページにわたってパンチのイラストだらけの本で、合計で240ページの本に234のイラストが含まれており、見ごたえがあります。 パンチ素描画の中でも、この巻のテーマは家族の出来事ということです。
ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン、そして1920年頃までのイギリスの様子がわかるアンティークな資料です。 結婚式の様子から、家族の団欒、日常のひとコマから旅の様子など、昔のイギリスがまるごと分かり、見て楽しめる本は嬉しいものです。
パンチはイギリスのユーモアを集約していると言われます。 以下にありますいくつかイラストと解説で、イギリス流のユーモアやウィットの一端をご紹介してみましょう。
この本は英国アンティーク研究のありかたの一つとしてお勧めしたいと思います。 この巻でも文章コンテンツの中に、プーさんでおなじみな英国の児童文学者
A.A.Milneの文章もあります。
英国アンティーク情報欄にあります「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記事もご参考ください。
また、パンチ素描画集の全巻についてはこちらをご覧ください。
左のイラストは、
奥様(昼食の席で):「ジェーン、どうしたの、その格好は?」
メイド:「今日の午後フットボールの試合があって、キックオフ二時半なんです、奥様。 私ハーフバックなもので。」
Half backがかけてあるようです。
「やあ実際、君の新しい帽子を見るといつも笑っちゃうんだがね。」
「そうなの? じゃあ次回はお勘定書が来た時にかぶってみるわ。」
目の玉が飛び出るような請求書がまわってくるということでしょう。
右のイラストは、
Policeman:「Is this one of the burglars,
Ma'am? (奥さん、こいつは泥棒一味の一人ですかな?)」
Lady:「No, that's my husband. You told me
on the phone to leave everything as I found
it. (違います、私の夫です。 最初に見たままの状態にしておくようにと、貴方に電話で指示されたものですから。)」
これなどは洋の東西を問わず見かける定番もので、分かりやすい例です。
左のイラスト:The Postman's Wedding
結婚式などで振りまく紙吹雪をConfettiと言いますが、ポストマンの結婚式では、こんな感じになります。
右のイラストは、
He:「If you hadn't been so long dressing
we shouldn't have missed this train. (おまえが洋服選びにあんなに時間をかけなかったなら、この列車に乗り遅れずにすんだのに。)」
She:「And if you hadn't hurried me so we
shouldn't have so long to wait for the next.
(そして貴方が私をあんなに急がせなかったなら、次の列車をそんなに待たずにすんだのよ。)」
実際のところ、こういう切り返しはイギリス人は上手いと思います。 売り言葉に買い言葉で、喧嘩になりそうなところで、こんな肩透かしが使えると、暮らしのストレスレベルが下がるのではないでしょうか。
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