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No. 4135 Chemist's Shop YOKOHAMA アンティーク ポストカード with King GeorgeX Half Penny Green切手
横の長さ 13.2cm、縦の長さ 8.6cm、1913年、三千円

Chemist's Shop YOKOHAMA とあるアンティーク ポストカードで、看板には『APOTHECARY(薬剤師 or薬局)、内外薬品医療器械舗、薬剤師 関忠吉』とあります。 右の方には『天狗煙草』の看板も見えています。

裏面をご覧いただくと、ジョージ五世のHalf Penny Green スタンプが貼ってあるのもポイントになっています。 消印はLONDONで 「SEP 22、13、2:30 PM」とありますので、1913年9月22日午後2時30分ということでしょう。 

写真の中の手掛かりをもとにして、このアンティーク ポストカードの背景について調べてみました。

明治時代の大半においては、タバコは国の専売品ではなく、民間の製造業者が作っていました。 五千ものメーカーが宣伝合戦をしながら、約十万種の銘柄を売っていたそうです。 その中でも大手のメーカー岩谷商会のブランドが『天狗煙草』でありました。 しかしながら日露戦争の戦費調達の為に、明治37年(1904年)に煙草専売法が施行され、民営たばこの時代は終りました。

天狗煙草の看板の下に、『アッキス』の看板も見えていますが、これも民間タバコの一つです。 東京大学総合研究博物館の画像アーカイヴスで、明治36年2月21日発行の新聞に紙巻煙草 『アッキス』の広告を見つけましたので、ご覧になってください。

萬朝報 、明治 36 年 2 月 21 日発行
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/umdb/newspaper1000/jpeg-s/00051.jpg

以上から分かることは、写真の横浜は煙草専売法以前の、おそらく明治三十年代の様子であろうということです。 ポストカードの消印を見ると、SEP 22 130のように見えるので、13年なのか30年なのか迷いましたが、写真が撮られた年代、ポストカードが販売された年代、そしてKing GeorgeX Half Penny Green切手が使われていること、これらを整合的に説明できるのは1930年ではなく、1913年と考えられます。

なお、アンティーク ポストカードについては、お客様のご都合にあわせて、お取り置きを長めに承ります。 ご注文はいつでも承りますが、お急ぎでないようでしたら、手続きはしばらく不要です。 今後数ヶ月以内くらいに何か他のお買い物がある時に、まとめてお手続きいただければと思います。





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