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No.20150 『SPECIAL FOR BEST CANARY (カナリア)』 ヴィクトリアン スターリングシルバー フォブ ペンダントヘッド
with ローズゴールド デコレーション
縦の長さ(留め具含む) 4.8cm、横の長さ 3.5cm、重さ 11g、中央部の厚み 3mm、1892年 バーミンガム、一万七千円
ヴィクトリアン アンティーク シルバーでありますが、おそらく未使用のまま今日に至っているものと思われ、コンディションがとても良好なヴィクトリアーナです。
銀製フォブにもいろいろありますが、写真の品を手にした時の印象は、かなりしっかり出来ていて、重厚感のあるヴィクトリアン アンティークだなあという感想です。
全体に銀が厚めで、一段高くなった中央の丸い部分の厚みは3ミリ弱にもなります。 そうしますと、この丸いローズゴールド装飾部の全体厚みは、下部の銀基盤と合わせて3ミリほどになるわけで、やはりこれだけの銀の厚みとなりますと、重厚な雰囲気に大いに役立っているように思います。
今から百二十年ほど前のヴィクトリアン後期に作られたアンティークになります。 周りすべてを糸鋸を使って手仕事で切り出していったもので、大変な時間をかけて作られた銀のアクセサリーであることが分かります。 裏面には写真三番目に見えるように、『SPECIAL
FOR BEST CANARY』の彫刻があります。
周りが尖っていて危ないですから、取り扱いには要注意です。
写真四番目はサイドの写真で、厚めな銀の様子や、留め具部分のしっかりした作りがお分かりいただけると思います。
裏面のブリティッシュ ホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1892年のデートレター、そしてバーミンガム アセイオフィスのアンカーマークになります。
ローズゴールドとシルバーのコントラストが楽しめるのもポイントになっています。 中央の丸い飾り部分はローズゴールドの薄板が載ったつくりです。 薄板とは言っても、『F&J
RIPPON 1896』 を刻んだ文字彫刻の底部もすべて9カラットゴールド地ですので、9カラットゴールド板は0.5ミリほどの厚さはあろうかと思います。
9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外には銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドと呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドにおいてもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあってVery
Britishな装飾素材と思います。
元々は時計の銀鎖の先に付ける飾りであったフォブは、今では女性用のアクセサリーとして使われることが多いようです。 ネックレスのペンダントヘッドとしたり、ブレスレットの飾りとして付けたりして、女性に好まれることから需要が多いそうで、今では英国アンティーク フォブの最大のバイヤーは米国のアンティークディーラーと聞きました。 写真のフォブの場合は、銀が厚めで質感があり、サイズも大きめでゴージャス感があるので、私はデスク周りのオーナメントとしても使ってみたいと思いました。
アメリカの長期金利上昇について、次のようなニュースがあり、グリーンスパン氏の言うカナリアのたとえを興味深く聞きました。
『アラン・グリーンスパン元FRB議長は、最近の米国債利回り上昇は「坑道のカナリア」のようだとし、「米連邦政府が積み上げた前代未聞の巨額債務」に対する投資家の懸念を反映していると指摘した。』
カナリアはその澄んだ歌声に特徴があり、古くから珍重されてきた黄色い鳥です。 ところが、メタンや一酸化炭素といった有毒ガスにも敏感で、感知すると鳴き声が止むことから、イギリスの炭鉱では有毒ガス検知システムとして長く使われてきました。
グリーンスパン氏の言うことは、米国債利回り上昇が、これから先々に起こるソブリンリスクにまつわる市場パニックの前兆かも知れない、それをカナリアに例えて指摘したということでしょう。
カナリアが英国の炭鉱で毒ガス検知用に使われたのは、1980年代までのことで、もう四十年ほど前のことなので、最近の人々に「坑道のカナリア」と言ってもピンと来ないかも知れません。 グリーンスパン氏はずいぶんシニアの方なので、こんな比喩を使われたのだと思います。
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