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No.19223 ヴィクトリアン スターリングシルバー フィドルパターン シュガートング
長さ 12.6cm、重さ 36g、つまみの間隔 4.5cm、アーム背の最大横幅 1.8cm、1880年 シェフィールド、Martin, Hall & Co Ltd作、12,800円

今から130年以上前に作られたスターリングシルバーのシュガートングで、フィドルパターンのデザインが特徴的なヴィクトリアン アンティークです。 大きめサイズで、幅広、もちはかりありの重厚な銀器であるうえに、エングレービングの水準も高く美しいトングと思います。 

つまみの間隔が4.5センチと、トングとしては最大級でもあることから、オードブルサーバーやアイスキューブ用など、多目的に使っていけそうです。

アームの内側に見えるホールマークは順に「Martin, Hall & Co Ltd」のメーカーズマークである「RMEH」、ヴィクトリア女王の横顔マーク、1880年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールド アセイオフィスの王冠マークになります。

メーカーズマークの「RMEH」は銀工房の共同パートナーであった、リチャード・マーチンと エベネザー・ホールのイニシャルを示していますが、この銀工房の歴史は次のようなものです。

「Martin, Hall & Co Ltd」の前身はジョン・ロバーツが1820年に始めた銀工房です。 ジョンには後継ぎがなかったので、ダービーシャーにあった中等学校の校長宛に、頭の良い若者がいたら後継ぎ候補に紹介してほしいと手紙を書きました。 学校長の紹介でジョンの徒弟に入ったのが、16歳のエベネザー・ホールで、1836年のことでした。 

彼は10年間の修業を積んだ後に、親方であるジョンと対等なパートナーに昇格して、工房名も「Roberts & Hall」となりました。 ロバーツの引退後には、新たにリチャード・マーチンをパートナーに迎えて、「Martin, Hall & Co Ltd」へと発展していきました。 そしてこの頃には1851年の万煤A1862年のインターナショナル エキシビジョン等に出展するシェフィールドの有名メーカーになっていたのです。

工房の歴史を調べてみると、当桙フ英国ミ会の様qが垣間見れるので、興味が深まります。

アームのパターンは形がヴァイオリン(Fiddle)に似ていることから、フィドルパターンと呼ばれます。 もともとは18世紀のフランスで人気だったこのフィドルパターンは、19世紀に入った頃からイギリスでも次第に流行っていきました。 フィドル パターンについては「4.イングリッシュ スプーン パターン」もご参考まで。

この品が作られたヴィクトリア梠繧フ背景については、「英国アンティーク情報」欄の「31. 『Punch:1873年2・2日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」や「14.Still Victorian」の解説記魔烽イ参考ください。

シュガートングは角砂糖ばさみで、アフタヌーンティーの優雅さを演出するのに一役かってきた品です。 ですが、рフ場合は角砂糖にこだわらず、いろんな用途に使ってみます。 例えばアフタヌーンティーで思い出すのは、以前住んでいた香港にあったマンダリン オリエンタル ホテルです。 サンドウィッチやパティスリーといったお決まりのコースに加え、アジアンテイストの春巻きなどが添えられ、西洋と東洋のよいところを取り入れているなあと感心したものです。 (英国にも点心付きアフターヌーンティーがないかなーと懐かしくなります。 西洋風だけだと、何か物足りない気分になるのです。) 点心のサーバー用にアンティーク トングというのも粋なものです。

また、イギリスではアイスキューブを挟むのにアンティーク トングを使っている方もあります。 また、英国のアンティークマーケットにはアメリカ人の買い手が多いのですが、彼らの使用法はほとんどアイスキューブ用だそうです。

ヴィクトリアン スターリングシルバー フィドルパターン シュガートング


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