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No. 19141 エルキントン シルバープレート 胡椒 or 塩入れ
高さ 8.5cm、底面の直径 4.8cm、重さ 145g、1927年 エルキントン作、七千八百円

エルキントン製のシルバープレート 胡椒 or 塩入れです。 しっかり重たく出来ていて、シルバープレートの銀の厚みもたっぷりな様子は、いかにも質実剛健なる英国風で好印象。 メーカーがよい為もありますが、ヴィクトリアン以来の英国のよい伝統は、1930年代あたりまでは、変わらずに保たれてきたことが窺い知れて、興味深く思って見ております。

裏面に見えるのが、エルキントンのメーカーズマークと、1885年作を示すデートレターです。 楯状刻印の中に「 E & Co」とあって、エルキントンのメーカーズマークになります。 その後の三つも、こんどは字体を変えて三つ合わせて「E & Co」で、これらもエルキントンのメーカーズマークです。 その下には 「ELKINGTON PLATE」の表記が見えます。

一番下に見えるのが、1927年作であることを示す「P」刻印で、これはエルキントン独自のデートレター システムによっています。 シルバープレートの品においては、その大半が、もっと言えばおそらく99%以上の品では、製作年を特定することは出来ません。 エルキントンの品であっても、デートレターのある場合と、ない場合があります。

そうした事情の中で、1927年作と特定できる写真のシルバープレート 胡椒 or 塩入れは、アンティークとしてめったにない優れた特徴を有していると言えましょう。 

手にした時に感じる古きよき時代の英国風な重厚感、シルバープレートの仕上がりのよさ、そしてメーカーのよさ、とてもよいアンティークなので、楽しさもあって、食卓にあれば、手を伸ばす機会も増えるだろうと思います。 塩分控えめが推奨される現代にあっては、その点だけは問題かも知れません。

1885年作 バターディッシュの説明でシャーロック・ホームズの時代と書きましたが、実は写真のペッパー or ソルト入れもシャーロック・ホームズの時代にあたっています。 コナン・ドイルのホームズシリーズの中で、『隠居絵具屋』や『ショスコム荘』などの作品は1927年の『ストランド』誌に発表されています。 そんなわけで、こちらの品も、ホームズシリーズ映像作品の小道具として使われたとしても、時代考証は完璧という古さを備えています。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します、そして百年もので素晴らしいアンティークはそうはないものです。 写真の品は正式な‘アンティーク’の仲間入りを果たすまであと十数年を要しますが、気に入った古いものを使っていくうちに、さらに時を経ていくことはコレクターの喜びとも言え、このシルバープレート アンティークにはそんな楽しみ方もあると思うのです。

なんといっても、英国シルバープレート品にあって、エルキントンはビックネームなので、贔屓目もあるかも知れませんが、メーカーズマークも格調高く、やはりシルバープレートの仕上がりもよいですし、メーカーのよさを感じます。 

エルキントンについては、英国アンティーク情報欄にあります「10. エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」や「31. ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記事もご参考ください。

エルキントン シルバープレート 胡椒 or 塩入れ






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