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No. 19027 グッドラック ホースシュー ネイル デザイン スターリングシルバー ティースプーン
長さ 9.3cm、重さ 7g、最大幅 2.2cm、柄の最大幅 6.5mm、1955年 シェフィールド アセイオフィス、(6本あります-->3本あります。)

グッドラック ホースシューネイル デザインの純銀ティースプーンです。

イギリスではホースシューがグッドラック アイテムとされますが、そのホースシューを打ち付ける釘も、グッドラック アイテムとされていて、ホースシューネイルを使ったアートの分野があります。

写真のティースプーンは、アール・デコの時代に登場した、そうした分野の一つに位置する銀製品です。

ティーやコーヒーのたびに、グッドラックも一緒にという趣向は楽しいと思います。 また、シルバーそのものにもグッドラックの要素があり、ダブル・グッドラックで、イギリスでは人気があったものでしょう。

写真二番目に見えるように、ボールの裏面にはブリティッシュ シルバーホールマークがしっかり刻印されているのもよいでしょう。 ホールマークは順にメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1955年のデートレターになります。

写真二番目で見て、左から三つ目にあるライオンの刻印が、英国製スターリングシルバーの銀純度を保証するマークになり、重要な刻印です。 このライオンパサントの歴史について少し解説しておきましょう。 

横歩きライオンのマークが初めて導入されたのは今から470年ほど前の1544年のことになります。 これは当時チューダー朝のヘンリー八世が行った低品位銀貨の鋳造と関係があります。 歴史上どこの国でも財政が逼迫してくると、悪貨を鋳造することがひろく行われてきました。 日本の江戸時代にも同じようなことがあったと思います。 

銀貨と銀器がほぼ同等な価値を持っていた昔の時代にあっては、お上の定める低品位銀貨の価値でもって、高品位な銀器と交換されてしまっては、損してしまうことになります。 そこでその銀器が92.5%の銀純度であることを保証するマークとして、ライオンパサントが導入されたわけです。 

歴史や伝統に格別なこだわりを持つイギリス人は、ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)にも特別な愛着があって、五百年の長きにわたって、この刻印を使い続けて今日に到っております。

ホースシューはイギリスではグッドラックの意味があって人々に好まれます。 縁起のよさが好まれ、パブの看板に蹄鉄三つが描かれて、写真三番目のような「Three Horseshoes」なんていう名前のパブもありますので、「ホースシュー=幸運」の図式はイギリス人の暮らしに深く根ざしていることが分かります。

シャーロック・ホームズの『白銀号事件』を読んでいましたら、ホームズの「I think that I shall put this horseshoe into my pocket for luck.(このホースシューは幸運があるように、私が貰っておきましょう。)」という台詞に出会いました。 この探偵小説は1892年12月に発表されていますので、少なくともヴィクトリアンの頃には、「ホースシュー=グッドラック(幸運)」の連想があったことが分かります。 シャーロック・ホームズ シリーズには、アンティークなヴィクトリアンの暮らし向きが読み取れる場面が豊富なので、注意して読むと面白いようです。

それでは、なぜホースシューが好まれるようになったのか。 ヴィクトリア時代に書かれた 『The Horse Shoe, The True Legend of St. Dunstan and The Devil』 という書物には、ホースシューにまつわる伝説が書かれています。 その概要をご紹介してみましょう。

後にカンタベリー大司教になったセント・ダンスタンは、ハープを弾くのが上手で鍛冶屋の仕事もこなす器用な人でした。 ダンスタンが夜にハープを奏でていると、デビルがやって来て邪魔をするようになりました。 デビルの悪戯に困ったダンスタンは一計を案じて、蹄鉄を取替えに来たデビルの蹄足にホースシューの留め釘を深く打ち込んだのでした。 

痛がるデビルにダンスタンはこう言います。 「これからは礼拝の邪魔をしないこと、音楽を奏でる邪魔をしないこと、そしてホースシューを掲げた家には寄り付かないこと。 これを守るなら直して進ぜよう。」 デビルはダンスタンと契約をかわし、以降はホースシューが魔除けの役割を果たすようになり、さらには Good Luck をもたらすお守りとされるようになったのでした。

グッドラック ホースシュー ネイル デザイン スターリングシルバー ティースプーン(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

グッドラック ホースシュー ネイル デザイン スターリングシルバー ティースプーン(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

グッドラック ホースシュー

グッドラック ホースシュー 釘
No. 19376 グッドラック ホースシューネイル(蹄鉄釘) ヴィクトリアン アイアンワーク 飾り 

想像してみてください。この飾り、元々は長さが4センチほどの真っすぐな蹄鉄釘が16本あっただけです。それを曲げて組んで作り上げたヴィクトリアン鍛冶屋さんの匠の技を感じます。

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