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No. 19020 マッピン&ウェブ ヴィクトリアン スターリングシルバー サービング フォーク
長さ 20.0cm、重さ 77g、最大幅 4.95cm、柄の最大幅 2.55cm、柄の最大厚み 4.5mm、1895年 シェフィールド、Mappin & Webb作、三万六千円

シルバーウェアにもいろいろありますが、77グラムという持ちはかりは、かなりのものと思います。 銀が厚めで持ちはかりがあり、柄の最大厚みも4.5ミリと、しっかり出来ています。 柄先のクルッとした装飾もオーソドックスな英国風です。 全体として銀の質感からもたらされる重厚な雰囲気に特徴があるシルバーウェアと感じます。 

柄の裏面にはシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1895年のデートレター、そしてMappin & Webbのメーカーズマークが刻印されています。

作られたのは今から百二十年ほど前のヴィクトリアン後期で、有名シルバースミスの Mappin & Webb作になるヴィクトリアーナとなります。 イギリスでアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品物」を指しますが、写真の銀サーバーは、既に楽々とアンティークの範疇に仲間入りを果たしているシルバーウェアであることも魅力になりましょう。

ちなみにヴィクトリアンの物品を示すアンティーク専門用語に「Victoriana」という言葉があります。 ヴィクトリア時代は1837年から1900年までの六十余年の長きにわたり、英国の国富が大いに伸びた時代なので、アンティークコレクターにもヴィクトリアーナ専門という方が英国には結構いらっしゃるようなのです。

「Mappin & Webb」は言わずと知れた有名メーカーですが、その歴史は興味深いので、少し振り返って見ておきましょう。

マッピン関連のアンティークを扱っていると、「Mappin & Webb」とよく似た名前の「Mappin Brothers」というシルバースミスに出会うことがあります。 「Mappin Brothers」は1810年にジョセフ マッピンが創業した工房で、彼には四人の後継ぎ息子がありました。四人は上から順にフレデリック、エドワード、チャールズ、そしてジョンで、年長の者から順番に父親の見習いを勤めて成長し、1850年頃には引退した父ジョセフに代わって、四兄弟が工房を支えていました。

ところが末っ子のジョンは、工房の運営をめぐって次第に兄たちと意見が合わなくなり、ついに1859年には「Mappin Brothers」を辞めて独立し、「Mappin & Co」という銀工房を立ち上げました。 以後しばらくの間、「Mappin Brothers」と「Mappin & Co」は「元祖マッピン家」を主張しあって争うことになります。

しかし最初のうちは「Mappin Brothers」の方が勢力があったこともあり、1863年には末っ子ジョンの「Mappin & Co」は「Mappin & Webb」に改名することとなりました。 Webbというのはジョンのパートナーであったジョージ ウェブの名から来ています。

「元祖マッピン家」問題では遅れをとったジョンでしたが、兄たちよりも商売センスがあったようです。 スターリングシルバー製品以外に、シルバープレートの品にも力を入れ、目新しい趣向を凝らした品や新鮮なデザインの品を次々と打ち出し、しかも宣伝上手だったのです。 ヴィクトリアン後期には当時の新興階級の間でもっとも受け入れられるメーカーに成長し、それ以降のさらなる飛躍に向けて磐石な基盤が整いました。

20世紀に入ってからの「Mappin & Webb」は、「Walker & Hall」や「Goldsmiths & Silversmiths Co」といったライバルの有名メーカーを次々にその傘下に収めて大きくなり、今日に至っています。 また「Mappin Brothers」ですが、時代の波に乗り切れなかったのか、1902年には「Mappin & Webb」に吸収されてしまっています。

この品が作られたヴィクトリア時代の背景については、英国アンティーク情報欄にあります「14. Still Victorian」や「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記事もご参考ください。 

マッピン&ウェブ ヴィクトリアン スターリングシルバー サービング フォーク






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