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No.18968  I'll be a sister to you. ポストカード with King GeorgeX Half Penny Green(Hair dark)切手
横の長さ 14.0cm、縦の長さ 9.1cm、1913年、二千五百円

今から百年ほど前のポストカードで、ちょこんと立ち上がった子犬が可愛らしくて気に入りました。 絵葉書の下に書いてある 『I'll be a sister to you. 』というのは、子犬のせりふでしょう。 この場面でのSisterは、仲の良い女友達といった意味合いです。

写真二番目にあるように裏面をご覧いただくと、ジョージ五世のHalf Penny Green(Hair dark) スタンプが貼ってあります。 この切手は数種類あるKing GeorgeX Half Pennyの中ではレアものになります。

1913年2月21日午後六時四十五分の消印が見えています。 消印はアイルランドのダブリンで、ロンドンSWに送っていますが、当時のアイルランドは独立前でイギリス領だったので、このポストカードも内国郵便の扱いになっており、料金はHalf Pennyであったわけです。

その頃の出来事として、1912年:タイタニック号氷山に衝突して沈没とか、1914年:第一次大戦始まる。 あるいは日本では明治時代が終って大正時代になり、夏目漱石の『こころ』が世に出た頃のことであって、ずいぶん昔のことなのです。 アンティークを手にしていると、百年に近い時の経過があらためて身近に感じられるのは楽しいことです。

イギリスは世界で初めて郵便切手を考案した国で、ヴィクトリア時代の1840年に発行された世界最古の切手は、Penny Blackと呼ばれるヴィクトリア女王の横顔が描かれた切手でした。 ちなみに、切手はイギリスの発明品なので、英国の切手には現在でも国名表示がありません。 一般には、国際機関の万国郵便連合によって、世界の国々の切手は発行国の名前を表示するよう義務付けられています。 ところが、イギリスは元祖スタンプ発明国ということで、国名表示をしなくてよいという特権が与えられているのです。

このあたりの経緯について、英国郵便博物館のホームページに説明がありました。

Britain's role in innovating this idea is still recognised today. British stamps are identified only by the head of the reigning monarch, and not by carrying the name of the country. Britain is the only nation accorded this privilege by the Universal Postal Union (the international organisation for the coordination of mail services).

 「only」と太字で強調されているところに、ご本家の誇りが感じられて、興味深く読みました。

The British Postal Museum
http://postalheritage.org.uk/history/stamps

私の手元にはイギリス切手ガイドブックがあり、全部で二百ページ余の中身にはイギリスで発行された切手が年代順に掲載されています。 その初めのページには、もちろんPenny Blackが掲載されているわけですが、写真のKing GeorgeX Half Penny Green(Hair dark)も八ページ目に出てくる切手で、英国スタンプ史において、なかなかに古い切手であることが実感されます。 

それから、上記のThe British Postal Museumサイトをご覧いただくと、左から二番目に見える写真が、このポストカードに貼ってある King GeorgeX Half Penny Green(Hair dark)と同じものです。




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