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No.18531 1883年刊行 ヴィクトリアン シェイクスピア全集 (全8巻)、ほとんどアンカットのコンディション
『Dramatic Works of Shakespeare, Illustrated with Etchins, Edinburgh William Paterson 1883, No.239 of five hundred and fifty copies』
第一巻の縦横厚さ 21.5cm*14.6cm*4.3cm、重さ 795g、エジンバラ William Paterson刊 1883年、1冊 13,800円、全8巻セットで 98,000円

今から130前のヴィクトリアン後期に発刊されたシェイクスピア全集です。 ヴィクトリアン アンティーク本とはこういうものかと分かる、興味深い点がいくつかありますので、ご紹介してみましょう。

まず、pic 5 にあるように Illustrated with Etchings とあって、差し込まれている挿絵はすべてがエッチングになっています。 エッチングとは銅版画のことですが、pic 6 をご覧いただくとシェイクスピア像の周囲に、版画作成過程に出来た銅の板を圧した跡が見えています。 各挿絵はすべて同じ要領で、まずは一枚一枚銅版画を作成して、それらを製本で折り込んでいく手法が取られているわけです。 全巻を通してみれば、シェイクスピアの名場面を集めた銅版画集となっています。

それから各巻の最初の方には、pic 2 に見えるような通し番号が記載されています。 この意味するところは、1883年にエジンバラのWilliam Patersonがこのシェイクスピア全集を発刊したのですが、全部で550セットを作って、このセットは239番目のあたっているということなのです。

ヴィクトリアンの出版というのは、意外と限られたものであったということがうかがい知れます。 ただ、こうした通し番号が入っているのは、高級な書籍の場合であって、ヴィクトリアン アンティーク本にはすべてに通し番号が付記されているというわけではないのです。

もう一つ、pic 2 を見ていただくと、ヴィクトリアンの製本要領が分かって興味を惹かれます。 ページにして8頁分つまり紙1枚が、袋とじのようにつながっているのです。 大きな1枚の紙を4つ折にして、本の上部でレベルが揃うように製本してあり、本を読むときにはこの部分をナイフで切っていく必要があります。

全8巻を見渡してみると、ほとんどがいわゆるアンカットのまま、つまりは袋とじのままになっていて、あまり読まれていないことが分かります。 まあ、考えてみると、ヴィクトリアンのアンティーク本が比較的良好なコンディションで今に残っている理由は、そこにあるわけなのです。

英国アンティーク情報欄にあります『36. イギリスの学習Q考書から眺めた英国における古典教育(シェイクスピア 英語原典の読み方)』もご参考まで。

シェイクスピアは生涯に30数篇の戯曲を書いておりますので、ざっくり各巻に4つずつほど載っていることになります。 各巻の内容についてご興味の方はご照会ください。

1883年刊行 ヴィクトリアン シェイクスピア全集 (全八巻)、ほとんどアンカットのコンディション

ハ真二番目


ハ真O番目




ハ真五番目


ハ真六番目





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