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No. 18391 グッドラック ハーフペニー ブレスレット と クイーン エリザベス二世 グッドラック ハーフペニー セット
ブレスレットの長さ 19.3cm、最大横幅 2.8cm、重さ 47g、エリザベス二世 グッドラック ハーフペニー(直径 2.6cm、重さ 6g、厚み 1.5mm)鋳造年 1967年、セットで九千五百円

グッドラック ハーフペニー銅貨を五枚をつないだブレスレットです。 ハーフペニーが縁起物であることが背景にあって作られたアクセサリーということになりましょう。 

写真三番目にあるような、「お気に入り」企画でプレゼントにしている「エリザベス二世 グッドラック ハーフペニー」一枚を、同じハーフペニーですので、このブレスレットとセットにしてお送りします。 ジョージ六世とエリザベス二世のハーフペニーを比べてみてください。

イギリスには現在の最小通貨単位である1ペニー硬貨について、『Find a penny, Pick it up, and then all day, You'll have good luck.』 (ペニーを見つけて、持っとけば、そしたらその日は一日グッドラックあり。)という言いまわしがあります。 写真の品はハーフペニーなのですが、少なくとも半分くらいのグッドラック効果はありそうに思うのです。

五枚のハーフペニーコインは1939年、1940年、1942年、1943年、そして1944年の鋳造です。 ヘッド(表)側はジョージ六世のポートレート、テイル(裏)側はキャプテン・ドレークの世界周航で有名な帆船ゴールデン・ハインド号のデザインとなっています。

肖像は現女王エリザベス二世の父君にあたるジョージ六世です。 「王位を賭けた恋」で有名なエドワード八世が劇的な退位を遂げた後に、急遽、英国王になったのがジョージ六世でした。 ご本人も自分が国王向きなパーソナリティーであるとは思っていなかったようで、それまでに国王になる準備がまったく出来ていなかったこともあって、初めのうちは周囲からも大丈夫だろうかと心配されました。 

ところがその後の対ドイツ戦争中に、側近たちがバッキンガム宮殿からの疎開を進言したのに、それを拒んで、爆撃を受けるロンドンから執務を続けたことで、国民の人気が上がりました。 戦争中のロンドンはしばしばドイツの爆撃機が来たり、さらにはV1やV2と呼ばれるミサイルまでもが飛んでくる危険な状況でありました。 そんな中でロンドンにあって英国民を鼓舞し続けたジョージ六世の評価が上がったのは当然と言えば当然でしたが、さらには王妃や子供たちを大切にする理想的な家庭の夫であったことも、「良き王」として英国民の尊敬を集める理由となったのでした。

今日のイギリスは品のよい国のように見られることが多いですが、歴史を紐解きますと、節操のないことで名高い時代も長くありました。 キャプテン・ドレークは世界を航海して略奪をきわめて、当時の国家予算に匹敵するほどの金銀財宝を奪って帰ってきたので、エリザベス一世から叙勲を受けました。 まあ、今から四百年以上も昔のことですから、野蛮な時代であったことは仕方がありませんが、フランシス・ドレークの経歴は、海賊から海賊船の船長となって、最後は英国海軍提督の貴族となりました。

イギリスは1971年の通貨制度変更で、それまでの12進法から10進法に改めましたので、旧制度のハーフペニーコインは1969年を最後にイギリスにおける約七百年の歴史を閉じました。 そういう事情で、1939年から44年の英国貨幣ではありますが、現在のイギリスでは通用しません。

ハーフペニーが届いたお客様からコメントをいただきました。
「Half pennyが意外と大きかったのでびっくり、寸法が表記されていても印象って違うものですね。」

私も初めに見たときはちょっと驚きました。 イギリスで最小単位のコインと言っても、素材は銅で重たいですし、直径 2.6センチは大きいです。 日本の硬貨のイメージとはかなり違っています。

ハーフペニーが入っている金属フレームは軽めですが、上記のようにハーフペニー銅貨自体がけっこう重たいので、全体のバランスという面で意味のある作りになっていると思います。

銅貨ですので、お手入れ次第で、写真三番目のように綺麗な輝きにもなるでしょう。 日本磨料工業製の『ピカール』という品があります。 ブラスを磨いたりする為に海上自衛隊の御用達だそうですが、これで磨けば銅貨も銅本来の輝きを取り戻せます。

ちなみに、フランシス・ドレークの生まれ故郷は英国南西部のダートムーア西端にあるタビストックという街で、シャーロック・ホームズ シリーズの『バスカーヴィル家の犬』でもその名前が出てきます。 ダートムーアにおける交通の要衝なので、プリマスからティンタジェルクロベリーを旅した時に、私もたびたび行き来しました。 街とは言っても、荒涼たるダートムーアが背後にひかえる為か、寂しい感じの田舎でありました。 教会のそばのタウンホールでアンティーク フェアをやっていたので、立ち寄ったことを覚えております。

フランシス・ドレークの頃、この界隈の海岸沿いは海賊たちの根城であったようです。 そういえば、クロベリーも16世紀には、この村を拠点にして海賊行為や密輸が横行していたと聞きました。 クロベリーから海岸伝いに少し北上したリンモスでは、昔は密輸商人や海賊たちの定宿だったという天井の低い海辺のB&Bに泊まったことを思い出します。 フランシス・ドレークがまだ下っ端の海賊だった頃、クロベリーやリンモス辺りに巣食っていたのかなと思うのです。

クロベリーのレッドライオンと、リンモスのライジングサンは、また泊まってみたい海辺の宿です。


(追記) このブレスレットのデザインになっている世界周航で有名な帆船ゴールデン・ハインド号は、今ではミュージアムになっていて、行ってみるとイギリスにおける歴史教育のあり方がよく分かります。 以下をポチッと押してもらうと、帆船ゴールデン・ハインド号 ミュージアム 『Education(教育)』のページに行きます。 
http://www.goldenhinde.com/

子供たちがチューダー時代のコスチュームで船員だか海賊の姿になっております。 これは海賊の養成が目的というわけではなくて、チューダー時代の暮らしを体験して歴史を学ぶ体験学習の一環なのです。

説明文には、『the National Curriculum at Key Stages 1 and 2, in which Drake and the Age of Exploration are core topics.(キャプテン・ドレークとその探検時代が重要なトピックスとなっている国の教育課程キーステージ1&2では、)』というくだりがあります。 キーステージ1&2とは、日本で言えば幼稚園の年長組と小学一年生あたりになります。 かなり小さな子供たちにチューダー時代を教えるということには、やや驚きも感じます。 イギリスの輝かしい歴史を小さなうちから教え込むということかも知れません。

イギリス人のチューダー好きについては、以下の記事もご参考まで。

うちの娘が習ってくるイギリスの歴史教育は日本とずいぶん違っています。 かなり低年齢の段階から歴史の授業があって、歴史を体験して実感する側面が重視されているようです。

イギリスでは小学校からチューダーについて学び、中学校でも学んでいます。 それでまた大学入試もチューダー一辺倒とは、いささか驚きました。』 (追記終り)

グッドラック ハーフペニー ブレスレット と クイーン エリザベス二世 グッドラック ハーフペニー セット

裏面の様子


クイーン エリザベス二世のグッドラック ハーフペニー 表と裏


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