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No. 16266 スターリングシルバー ウォッチチェーン
バーからチェーン先端までの長さ 20.6cm、重さ 11g、バーの長さ 2.8cm、鎖玉の横幅 6mm〜4mm、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃の英国製、一万八千円

懐中時計を付ける純銀の鎖です。 大きくて長い鎖玉は 2.3cmの長さがあります。 バーからチェーン先端までの長さが20センチほどで、ウォッチ チェーンとしては短めなタイプになります。

しかし、手にしてみると、長短の鎖玉配列から感じられるのは心地よい銀の質感であって、しっかりした作りに好感が持てるシルバー ウォッチチェーンと思います。 時計のタイプによっては、このぐらいのサイズが使いやすいということもありましょう。

写真をご覧いただくと、大小ともに鎖玉の一つひとつにスターリングシルバーを示すライオンパサントの刻印があることがお分かりいただけると思います。 鎖玉のすべてにライオンパサントの刻印が備わっているという特徴は、かなり稀有なアンティークであることを示しております。 多くのウォッチチェーンにあたってみても、まずレアな範疇に入る品といえましょう。

あらためて手にして眺めてみると、やはりライオンパサントがたくさん刻印されているのは、よいものだと感じます。

この横歩きライオン刻印(= ライオンパサント)が、英国製スターリングシルバーの銀純度を保証するマークであり、重要な意味合いを持つマークであります。 ライオンパサントの歴史について少し解説しておきましょう。 

横歩きライオンのマークが初めて導入されたのは今から470年ほど前の1544年のことになります。 これは当時テューダー朝のヘンリー八世が行った低品位銀貨の鋳造と関係があります。 歴史上どこの国でも財政が逼迫してくると、悪貨を鋳造することがひろく行われてきました。 日本の江戸時代にも同じようなことがあったと思います。 

銀貨と銀器がほぼ同等な価値を持っていた昔の時代にあっては、お上の定める低品位銀貨の価値でもって、高品位な銀器と交換されてしまっては、損してしまうことになります。 そこでその銀器が92.5%の銀純度であることを保証するマークとして、ライオンパサントが導入されたわけです。 

歴史や伝統に格別なこだわりを持つイギリス人は、ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)にも特別な愛着があって、五百年の長きにわたって、この刻印を使い続けて今日に到っております。

先端のループ状留め具の仕組みについてご質問がありましたので、説明させていただきます。 この品はつくりが良いので、隙間がわずかで見えにくいかも知れませんが、ループの上部に斜めに切れ込みが入っているのが分かるかと思います。 この留め金の付け根部分にバネが仕込まれていて、外向きに押す力が働き、開閉が出来る仕掛けになっています。

アンティークハンターの立場から言いますと、このバネ仕掛けが壊れた品がけっこうありますので、往時のままに良好なコンディションの品が見つかると嬉しいものなのです。



スターリングシルバー ウォッチチェーン

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