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No. 15524 フリーメイソン 講義本
縦の長さ 13.8cm、横の長さ 8.7cm、厚さ 1.0cm、重さ 95g、総ページ数 180ページ、1945年 ロンドン、七千円

写真一番目に見えるように、1945年にロンドンで発行されています。 Privately printed for A. Lewis. とありますから、一般向けに市販されるべく印刷された普通の本とは違うことが分かります。 

目次を見てみると、First Lecture, Second Lecture, Third Lectureとあって、三つの講義がこの本の主要な部分になっていることが分かります。 それぞれの講義の初めには写真二番目、三番目、四番目にあるような挿絵があります。

写真四番目などは、ちょっと怖いようでもあり、秘密めかしい感じには、やはり何が書いてあるのだろうか興味を惹かれます。

それぞれの講義はQ&A形式で書いてあります。 その道の専門家でないと分かりにくい内容が多いですが、ところによっては、素人でも分かるような、いたって一般的なQ&Aもありました。 

例えば、
Q: Where was Geometry founded as a science ?
A: At Alexandria in Egypt.
Q: How came it to be founded there ?

次のアンサーは長いですが、エジプトのナイル川が毎年氾濫することから説き起こして、ユークリッド幾何学が発展した経緯が説明されています。

ちなみに、『ユークリッド原論』は平面図形の性質、円に内接・外接する多角形、比例論、数論、立体図形の体積、正多面体などを考察する数学書ですが、こんなことを考えて書物を作った社会が、紀元前三世紀にあったとは驚きます。 その頃の日本は弥生時代で、卑弥呼の登場まであと五百年はかかろうかという昔です。

フリーメイソンの起源には、ソロモン神殿を作った石工集団という説がありますので、上記のようなQ&Aがあるのでしょう。

書物の終りの方には、The Masonic Calendarがあります。
興味深く読んだのは以下のくだり。

Knights Templars have also their mode of chronology, taking their year one from the organization of the Order, A.D. 1118;

テンプル騎士団の暦法について解説してありました。
やはりフリーメイソンとテンプル騎士団は関係が深いのかと、興味を惹かれました。

14世紀にフランス王フィリップ四世によって壊滅されたテンプル騎士団の残党がスコットランドへ逃れて、フリーメイソンを創始したという説があります。 中世のテンプル騎士団は金融業に長けていて、お金持ちでした。 それがフランス国王に狙われる原因にもなったわけですが、落ち武者がスコットランドまで逃れたという説は、大いにありそうに思います。

日本で言ったら、義経伝説のようなロマンがあっていいですね。 源義経がモンゴルに逃れてチンギス・ハーンになったというのは、ちょっと難しいかなと無理を感じますが、フリーメイソン=テンプル騎士団説は、可能性としては高そうに思います。

余談ながら、欧米で13日の金曜日が不吉とされる起源の一つに、フィリップ四世がテンプル騎士団の一斉検挙を開始したのが 1307年10月13日で、それが金曜日にあたっていたからとする説があります。

フリーメイソン 講義本








写真五番目:目次








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