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No. 15188 フラワーレリーフ ヴィクトリアン スターリングシルバー ナイフ SOLD
長さ 14.1cm、重さ 16g、ブレード部分の最大幅 1.8cm、1895年 シェフィールド、James Deakin & Sons Ltd作、SOLD

今から百十五年前のヴィクトリア時代に作られたスターリングシルバー ナイフです。 ブレードはシンプルで使いやすく、小花の入った植物模様のレリーフは気の利いた美しさで、今のものにはないゴージャス&アンティークな雰囲気に仕上がっています。 シンメトリーでデザイン性の高い品ですので、現代的な使途としてはペーパーナイフとしてお使いいただくのもよいでしょう。

バターナイフは元々バタースペードという鏝状(こて状)のシルバーウェアから発展してきた経緯があります。 この銀のナイフはバタースペードと同じようなこて状ブレードを持ち、ブレード面に対して柄先が2センチほど高い位置にくる構造となっています。 その昔の「こて状バタースペード」の面影を残しているという意味で、バターナイフの歴史的発展過程を示しているわけで、博物館的な興味を感じさせてくれるアンティークとも言えましょう。

この辺りの経緯について詳しくは、英国のバターナイフの歴史を解説しております 「9. トラディショナル イングリッシュ バターナイフ」の解説記事をご参考ください。

写真三番目にあるように、柄の裏面には四つのブリティッシュホールマークが、しっかり深く刻印されているのもこの品のよい特徴です。 ホールマークは順に「James Deakin & Sons Ltd」のメーカーズマーク、1895年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールドの王冠マークになります。

「James Deakin & Sons Ltd」は1865年にジェームス・ディーキンによってシェフィールドで創業されたのが始まりです。 1886年には彼の三人の息子達、ウィリアム、ジョン、アルバートもパートナーに加わり、ファミリービジネスとして上述の社名に変更し、事業は順調に発展していきました。 1888年にはロンドン支店開設、ヴィクトリア後期の1890年代には、スコットランドのグラスゴーとアイルランドのベルファストにも支店を開設しています。 

写真のアンティーク シルバーナイフが作られたのは1895年のことですので、息子たちがファミリービジネスに加わって、支店も順調に増えていった銀工房の最盛期における作品と言ってよいでしょう。

しかし多くのシルバースミスがそうであったように、事業のピークは英国の国力がピークであったビクトリア後期からエドワーディアンの時代にあったようです。 その後は事業を次第に縮小していき第二次世界大戦が始まった1940年には店を閉めました。 メーカーズマークの「JD WD」はJohn & William Deakinのイニシャルになっています。

この品が作られた1895年というのは、19世紀の終わり頃であるとともに、六十余年続いたヴィクトリア時代の終り頃にもあたっています。 当時の様子については、英国アンティーク情報欄にあります「14. Still Victorian」や「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記事もご参考ください。 

フラワーレリーフ ヴィクトリアン スターリングシルバー ナイフ

フラワーレリーフ ヴィクトリアン スターリングシルバー ナイフ

フラワーレリーフ ヴィクトリアン スターリングシルバー ナイフ

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