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No. 14915 スターリングシルバー アイボリーハンドル ナイフ & フォーク セット
ナイフの長さ 19.2cm、重さ 38g、柄の最大幅 1.5cm強、フォークの長さ 15.8cm、重さ 26g、柄の最大幅 1.35cm、1915年 シェフィールド アセイオフィス、二本セットで二万円 (3セットあります-->2セットあります。)

もうすぐ百年が経とうというアンティークで、第一次大戦中の1915年に作られたスターリングシルバー&アイボリーハンドルのナイフ & フォーク セットになります。 古い品ではありますが、シルバーとアイボリーのジョイント部分もしっかりしており、コンディションの良好なアンティークです。

ナイフの背に向かっては深めカットのエングレービングが美しく、二重ジグザグラインの装飾も繊細です。 ナイフのアイボリーハンドルは8.5ミリの厚みがあってしっかり出来ています。 フォークの二重ジグザグラインはナイフのラインとマッチしており、サイズを見てもナイフ & フォークのバランスがよく出来ています。 

それぞれに四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されています。 ホールマークは順にシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1915年のデートレター、そしてメーカーズマークです。

英国で「アンティーク」という言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品」を指すことになります。 そんな訳で、英語で言うと「It will become an antique in eight years. (この品はあと八年でアンティークになります。)」という言い方をされることがあります。 アンティークコレクターにとっては、やはり百年という年月の経過は大きなメルクマールになりますので、上記のような会話がなされる機会も多いのです。 

このシルバーウェアが作られたのは1915年ですから、正式なアンティークに昇格するまでにあとまだ五年が必要になる計算です。 しかし、気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、このセットには、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

写真のナイフ & フォーク セットが作られた当時のイギリスはどんな様子であったのか、アンティークの歴史的背景を知っていく上で参考になる、とてもよい映像資料を一つご紹介しておきましょう。 デイビット・スーシェ主演のポワロシリーズ『The Mysterious Affair at Styles (スタイルズ荘の怪事件)』です。 

原作は1920年に書かれており、時代設定は第一次世界大戦(1914年-1919年)の後半、舞台はイギリスの美しい田園地帯にある村と、そこにあるマナーハウス(領主館)となっております。 一般にポワロシリーズは1930年代のイギリスに時代設定しているのですが、この話は「名探偵ポワロ登場」とも言うべき記念の第一作であって、原作通りに1917年か18年頃のイギリスを描いています。

そうなると、他の作品群と違って1910年代のイギリスが見られるのが著しい特徴です。 戦争のために祖国を離れて疎開してきている外国人たちの様子は、当時のイギリス社会の状況を映しております。 また、登場するクラシックカーを見るだけでも価値ありと言うイギリス人の友人もおります。 確かに1910年代のクラシックカーは、30年代と比べると一段とアンティークです。 クラシックカーのみならず、乗り合いバスや病院馬車なども登場して趣向が凝っています。 

また、マナーハウスの庭でのアフターヌーンティーの様子は楽しいですし、まだ電灯が普及していなかった時代ですので、ランプとロウソクというアンティークな暮らしの描かれ方にも興味を惹かれます。 ロウソク燭台やオイルランプ、夕方になって薄暗くなってもランプを付けない当時の暮らし、ディナーテーブルの様子、夜間も電灯はないのでロウソクを持ち歩いたり、ランプに灯を入れたりします。 時代考証のしっかりした映像作品を見ることは、アンティークの勉強に役立ちます。

デイビット・スーシェのポワロシリーズは短編と長編を含めて七十作ほどあって、全部見るのは大変ですが、その中でもキーになるいくつかの作品があるように思います。 私のお薦めベストテンの一つとして、『The Mysterious Affair at Styles (スタイルズ荘の怪事件)』を推したいと思います。

スターリングシルバー アイボリーハンドル ナイフ & フォーク セット



フォークは裏面の柄元にホールマークが刻印されています。

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